宇宙SFものです。HP管理フラグ管理サイコロバトルありありでお送りします。
あなたは宇宙ステーションに取り残された生存者を救出する宇宙警備隊員となって下さい。
行く手を阻むは、恐怖のバイオミュータントに数々のトラップ。
果たしてあなたは全員を救出し、無事ステーションを脱出することができるでしょうか。
まだ完全には出来上がっておりませんが、見切り発車です(苦笑
おそらくですが総パラグラフ数は400越えにはなりそうかと。
なので全六章構成に分けて、少しずつ小出しにしてお届けするつもりです。
間隔はできれば月一ペースで出せたら、、、、、いいなぁ。
ということで皆さまからの愛あるガソリン投入、ぜひともお待ちしております。

 

 

 

天宙機城シュヴァルツシルド

Act.1 漆黒の中の炎

作:緒方直人

 

 

 

 

 

 

時は西暦1960年代。
人類はまるで母親からの自立を求める青年期のように
長年住み慣れた地球の重力からの離脱に挑戦し続けていた。
長きにわたる宇宙開拓時代の始まりである。

その本格的なフロンティアの足掛かりとなるはずだった月。
しかしそこでの領土争いを、結局人類は統制することができなかった。
最終的には南極条約をほぼ模した月面条約が締結され、事実上月面開発は凍結。
各国が宇宙研究を自由に行える場は、それこそ何もない宇宙空間という無に
人工的な宇宙ステーションという有を建造して行うしかなくなった。

その最初期には、そのまま無重力の状態に甘んじるか
遠心力といった原始的な疑似重力にのみ頼るしかなかった人類であったが、
当時の科学者たちの誰もが予想できなかった驚異的なスピードで
およそ90年の後、第3宇宙世代と呼ばれる新たな時代の科学者たちが
機械装置による人工的な「重力子」の集積技術の確立に成功。
さらにその次の第4世代ともなれば、地球重力の0.82倍までの出力を
安定して確保できるまで到達した大型平面パネル型の重力子集積装置が
ほぼ床板面積の全面に搭載された巨大な多層型宇宙ステーションの建造に
各国が競って凌ぎを削るまでになっていた。

そしてこれは、人類がそのまた次の次、第6宇宙世代と呼ばれていた頃の昔話。。。。。

2へ

 

※ゲームブック初体験の君へ

ようこそ。誠実と奔放が同居する自由な空想遊戯の世界へ。
この本はゲームブックと呼ばれる特殊な形態をした小説の一種である。
上に書いてあるのは、項目番号2番(これをパラグラフという)の
文章が書いてあるページを探して、そこへ飛んで続きを読み進めるようにという意味だ。
メンドクサイって?
まぁまぁ、そういわずにもう少しだけ付き合ってみてくれないか。
君にもすぐにこのゲームブックという遊びの面白さ、奥深さがわかってくるはずだから。
そう、気付いたようだね。
私は今、この本を読んでくれている君に向かってこうして話しかけているのだよ。
こんな本は初めてだろう? さぁさぁ、早くページをめくってくれたまえ。
お話の続きを、じっくりと聞かせてあげようじゃあないか。

 

 

 

 

 

 

「、、、、、で!な・ん・で、私たち3人だけでなんですか?
いくら事件性の薄い確認案件だからって人員少な過ぎですよぉ。
どうして他から補充して貰えなかったんですかぁ?!ねぇ~、隊長ってばぁ!」

「だ・か・らぁ!さっきから何度も言ってるだろうが!
ZDCH(ズディーチェ)の時期総裁候補だかなんだかが
いきなりお忍びで自分とこのステーションに視察に行くから
警備よろしくとかなんとかの通達が昨日になって上まで上がって来たんだと!
動ける奴らはみんなそっちに回されてっから、もう俺らしか残ってねぇんだよ!
いいから手前ェは黙って座って
ファッション雑誌でも何でも読んで静かにしてやがれアニィ!」

ハァ、、、、、いったいこのやり取り、何度目だろう。
君は席に座ってこのスペースシップの計器類を凝視していた。
別にどの数値もずっとさっきから変わっちゃいない。
仕事に没頭してるフリをして、あの2人のイザコザに巻き込まれないようにしてるだけだ。
少し離れたメインコクピットにいる2人の怒鳴り合いをこうも長時間聞かされ続けると
さすがに耳をふさぎたくなる。

ここは宇宙を航行中の小型スペースシップの中。
今の君は、それに乗った3名、JANKS(ジャンクス)隊の一番下っ端隊員である。
今ではすっかりロートル化した
某国の古い第2宇宙ステーション「シュヴァルツシルド」から
詳細不明のSOS信号をキャッチしたため、その真偽を調査に向かっている所だ。

君が配属された第26小隊、通称JANKS隊は
連邦国立宇宙警備隊の中でも一番のお荷物と呼ばれている肩身の狭い部隊だ。
念願叶ってやっとの事で、憧れの入隊試験をギリギリの成績で通過できた時は
もうそこで一生分の運を使い果たしたかと天にも昇る気持ちだったが、
配属された部隊がコレである。
今にして思えばあと1年、
浪人してでも遅れて入った方が絶対マシだったろうにと、絶賛後悔中の日々である。

「ノギニーの野郎があそこでヘマしなけれりゃなぁ!
手前ェみてぇな新入りのお守りしなくてもすんだのによぉ!」

補欠の補充要員として入隊し半年以上が過ぎた今でも、
まだあのゴリラみたいな隊長に君が言われ続けているイヤミである。
ちなみに本当なら全部で12名はいるはずのこのJANKS隊。
ではなぜここには君を含めても3名しかいないのかというと、
内4名は名誉の重傷による長期入院中、
内3名はノイローゼやうつ病による休隊中、
内1名は奥さんとの離婚調停中に、君のひとつ先輩である最後の1名は
彼女にフラれてやる気が出ないとかでもう2ヶ月も出社拒否のままであった。
ようするにとんでもないブラック職場だったというこの現実。
自分もいつ、彼らの人数の内にカウントされるのだろうか。。。。。。。

「おい新入り!ボサッとしてんな!もうすぐ着くぞ!
その前にコーヒーおかわりな!砂糖たっぷりで!」

隊長のカミナリのような激が飛び、君はびくっと背筋を伸ばす。
ハァ、、、、今回も単なるガセネタでありますように。
そんでもって早く帰って、今度こそ自分も夏休みを申請するんだ。もう11月だけど。

3へ

 

 

 

 

 

 

宇宙ステーション「シュヴァルツシルド」に到着。
接港ポートにシップを付け、君ら3名は中へと乗り込んでいく。
未だに新品同様な防弾ベストの動きにくさにもようやく慣れてきたが、
相変わらず使いもしない装備品の重さだけはなんとかならないものか。
そんな不満げな君の様子を察してか、
先ほど隊長に食って掛かっていた女性隊員のアニィさんが
からかうように君に話しかけてくる。

「たかが確認なのにって顔ね。むくれないの、新人クン。
こんな見回りの楽な仕事でお給料貰えるんだから最高じゃない。
あたしねー、もう少しで次のバカンスに行ける貯金が貯まるんだー♪
どこに行くと思う?ねーどこに行くと思うぅー?」

ううぅっ、ひたすらどうでもいい。。。。。。。

4へ

 

 

 

 

 

 

「おしゃべりはそこまでだ。誰かいるぞ」

隊長の凛と制する言葉で我に返る。
隊長が聞き耳を立てていたのは食料備蓄庫のドアだった。
ドアを開け、部屋の明かりは点けずに中の様子を覗う。
誰かがコンテナの物影にしゃがみこんで、何やらゴソゴソと音を立てていた。
ここの研究職員だろうか。

→「すみませーん!」と声をかける 5へ
→余計な事はせずに隊長の指示を待つ 6へ

 

※ゲームブック初体験の君へ

やぁ、また会えたね。ここまで読み進めてくれてどうもありがとう。
変わった読み方をしなきゃならないにも関わらず付き合ってくれて嬉しいよ。
でも今度のはちょっと違うよ。
パラグラフの行先がふたつも書いてあるね。
どっちへ行ったらいいかって?
ハッハッハ。それを私に聞いては面白くない。それを決めるのは君自身さ。
驚いたかい?
ゲームブックというのは、そうやって君がお話の続きを自由に選んでいいんだ。
さぁさぁ、どちらでも好きな方を選んでみてよ。
大丈夫。気に入らなかったらいつでもここへ戻って来て選び直しても構わないから。

 

 

 

 

 

 

君は倉庫に響き渡る大声で「すみませーん!」と叫んだ。いや、叫ぼうとした。
だが君がすみませんの「す」の字を言うか言わないかのうちに、ぐふっ?!
すかさずアニィさんの肘鉄が君のわき腹を直撃!
絶叫したいのを必死で堪え、無言のまま体をくの字に折って悶絶する君。

そ、、、そうだった、、、、
こういう場合は相手がテロリストの場合もあるので
不用意に自分の存在を知らせるのはご法度だった。す、すみません、、、
アニィさんは(判ればよろしい♪)という風の悪魔な笑顔で頷く。

君は【-200】のダメージを負った。
さて、この本を読み進めていく際には、君は手持ちのチェックシート
(メモ用紙で構わない。パソコンのメモ帳でもOKだ)に
現状を示すパラメータを忘れないよう自分で書き込んでいく必要があるのだ。
まぁそれなりに書き込む内容はいろいろと出てくるのだが
それらの手順は、今後読み進めていくうちに順を追って説明していこう。

君の精神的な耐久力を示すSP値(Soul Power)の初期値は【1500】だ。
SP値の欄にはこの1500を書き込むはずだったのだが、
今負ったダメージにより【-200】減らした1300と書き込むこと。

この値がいわゆる体力値、別の言い方をすればHPである。
しかし、本作では仮にこの値がゼロ以下になったとしても
必ず問答無用の即死でゲームオーバーというルールは特にない。
大抵は「君のSP値が【0】になった」という選択肢があれば
それに従わなければならないが、その指示がない場面もまれに出てくる。
その際はそのままの値でゲームを続けてもらって全く結構だ。
大の大人が歩き疲れたり、軽く肘鉄を食らったぐらいで
あっさりその場で死んでしまうなんてありえないだろう?

ちなみに、既に大きなお友達の皆さまは
「マイナスをマイナスしたらプラスだろう」とかの余計なツッコミは謹んでくれたまえ。
この本はあくまでも、小さな子供達にも広く楽しんでもらえるように
足すのか引くのかの表記はなるべく視覚的な判りやすさで伝えられるよう、
そちらを優先させてもらっているので。

7へ

 

 

 

 

 

 

緊張で体がこわばる。
もしや、、、、、本当に本物のテロリストか?
もしそうならば、これが宇宙警備隊員になって最初の実戦というやつになる。
君は乱れる呼吸を懸命に整え、自分の体、そして精神状態を改めて確認した。

君は【-100】の精神的ダメージを負った。
さて、この本を読み進めていく際には、君は手持ちのチェックシート
(メモ用紙で構わない。パソコンのメモ帳でもOKだ)に
現状を示すパラメータを忘れないよう自分で書き込んでいく必要があるのだ。
まぁそれなりに書き込む内容はいろいろと出てくるのだが
それらの手順は、今後読み進めていくうちに順を追って説明しよう。

君の精神的な耐久力を示すSP値(Soul Power)の初期値は【1500】だ。
SP値の欄にはこの1500を書き込むはずだったのだが、
今負ったダメージにより【-100】減らした1400と書き込むこと。

この値がいわゆる体力値、別の言い方をすればHPである。
しかし、本作では仮にこの値がゼロ以下になったとしても
必ず問答無用の即死でゲームオーバーというルールは特にない。
大抵は「君のSP値が【0】になった」という選択肢があれば
それに従わなければならないが、その指示がない場面もまれに出てくる。
その際はそのままの値でゲームを続けてもらって全く結構だ。
大の大人が歩き疲れたり、軽く肘鉄を食らったぐらいで
あっさりその場で死んでしまうなんてありえないだろう?

ちなみに、既に大きなお友達の皆さまは
「マイナスをマイナスしたらプラスだろう」とかの余計なツッコミは謹んでくれたまえ。
この本はあくまでも、小さな子供達にも広く楽しんでもらえるように
足すのか引くのかの表記はなるべく視覚的な判りやすさで伝えられるよう、
そちらを優先させてもらっているので。

7へ

 

 

 

 

 

 

隊長は、さっきまでとは打って変わった繊細な足取りで
その物影に隠れた誰かに近づいていく。
覗き込み、しばしの間固まって動かない隊長。
どうしたんですか?やっぱりテロリストですか?

「やられた、、、、そっち系だったか、、、、、」

戻ってきた隊長が、君に向かって吐き捨てるようにつぶやく。

「テロリストでも爆弾でもねぇ。ありゃもっとヤバいやつだ」

アニィさんも確認に向かう。そして同じような驚きの顔で帰ってきた。

「どうしますか」

「ちっ、まさかバケモノ相手になるとはな。ロクな装備持ってこなかったぜ。
最近トンとご無沙汰だったからなあ。。。。。。」

何ですか?向こうに何がいるっていうんですか?
隊長はアゴをくいと動かして(自分で見てみろ)の合図を送る。
君も覗いてみた。固まった。声もでなかった。
奥でガサゴソ動いていたのは人じゃない。コガネムシだった。
いや、君が知っているような小さい奴じゃない。その大きさは大人の腰の高さぐらい、
それくらい巨大なバケモノ昆虫が1匹でなく、2匹、3匹、、、
確かにそこに蠢いていたのだった。

あ、あれが本物のミュータントか。。。。。。
君も実物は初めて見る。
生物の体組織を意図的に変化・増強させて造られた、人工生物兵器。
それらはこの時代では総じてバイオミュータントと呼ばれ、恐れられていた。
機械科学文明の発展を悪とし、地球は原始の世界に変えるべきだと唱える
狂信的な某テロリスト集団が、最近好んで使いだした新手のテロ行為である。
そのバケモノを生み出す技術もまた、しっかりと機械科学文明の産物であることを
どうしてあの手の連中はこうも都合よく無視できるのだろうか。

隊長は奴らにまったく怯まず、どうやらここで始末してしまう気らしい。
やれやれ、腹を括って付いていくしかなさそうだ。

「あいつらをヤるぞ。だがいいか手前ェら、
あれくらいの敵、武器はまだナイフだけでやれ。銃声は外のお客様にご迷惑だ」

りょ、、、了解!
君は、腰に下げたアーミーナイフを手に持った。
そして初めての実戦相手が人ではなくミュータントだったことが
果たして運が良かったのか悪かったのかと考えあぐねるのだった。

8へ

 

 

 

 

 

 

隊長とアニィさんに続いて君も倉庫内に飛び込んでいく。
そこには黒か深緑か、いまいち判別がつかない不気味な色の外皮に身を包んだ
巨大コガネムシがガサゴソと蠢いていた。その数、5匹。
隊長たちは既に敵対象と格闘戦の真っ最中だ。君も早く加勢せねば!
君はその内の1匹に向かって突き進む。

アーミーナイフによるバイオビートルとの戦闘だ!
ナイフの攻撃力【100】命中率【4】をチェックシートに記入すること。

≪バイオビートル≫ SP値【300】
S武器【噛み付き】攻撃力【100】命中率【3】

さて、君の初戦闘となるここでは、
詳しい戦闘チュートリアル(説明)を行いながら順を追って進めていく。
ここで、本作における基本的な戦い方のルールを一通り覚えていって欲しい。

戦闘では、指示されたいくつかの戦闘パラメータを
君の手元にあるチェックシートに書き込んでいきながら行う必要がある。
これらの数値は何度も書いたり消したりするので
使う筆記用具は消しゴムで消せる鉛筆やシャープペンシルが望ましい。

まずは、君の戦闘パラメータをチェックシートに書き込もう。
「君のSP値」は現在チェックシートにあるSP値の数値をそのまま使えばよい。
そして「君の攻撃力」と「君の命中率」は
その時に使う武器と敵との相性、または距離などによって毎回変わってくるので
その都度、指示される数値を書き込んでいくことになる。
ここでの戦闘での君の武器【アーミーナイフ】のパラメータは
「攻撃力」は【100】「命中率」は【4】だ。この数値を書き込むこと。

次に、相対する敵であるバイオビートルの戦闘パラメータも同じく書き込む。
ここでは指示通りに「敵のSP値」の欄には【300】を、
「敵の攻撃力」には【100】を、
「敵の命中率」には【3】を、それぞれ書き込めばOKだ。

以上で準備は完了。それではいよいよ戦闘開始だ!
君はしっかと身構えた。
バイオビートルが君に向かって一直線に這いよって来る!
まずは君の攻撃からだ。
君はとっさにナイフを逆手に持ち替えると
瓦割りのようにバイオビートルの背中目掛けてナイフを突き下ろす!

今の君の武器の命中率は【4】だ。
果たして攻撃はヒットするだろうか?

戦闘では、攻撃する側が成功判定としてサイコロをひとつ振る。
その出た目の結果が、攻撃が有効にヒットしたかどうかの判定となるのだ。
攻撃成功の判定基準は「命中値を上回らないサイコロの目を出すこと」。
つまりは、自分の攻撃の際はなるべく小さい「1」を出したいということだ。
ここが普通のスゴロクの時とは違う所だ。よく注意すること。
さぁ、まずは君がサイコロをひとつ振ってみよう。
君が出したサイコロの目は、いくつだっただろうか。

→「1、2、3、4」のどれかだった 9へ
→「5、6」のどちらかだった 10へ

 

 

 

 

 

 

君は君の命中率【4】を「上回る」サイコロの目を出さずに済んだ。
「4」だったとしても、命中率と同値で上回ってはいないのでセーフだ。
つまり君の攻撃判定は無事にヒット!
これで君の武器であるアーミーナイフの攻撃力【100】を
「敵のSP値」から引くことができる。
これで敵のSP値が【200】になったはずだ。
消しゴムで消して書き換えるか、空白に新たな数値を書き込むかすること。

もちろん攻撃ができるのは君だけではない。
さぁ今度はバイオビートルの攻撃が来るぞ!
敵の武器の命中率には【3】と書いてあるはず。
今度の君は【3】を上回るサイコロの目を出して、敵の攻撃を回避したい所だ。
さっきとは逆になるべく大きい「6」を出してぜひとも失敗させたい。
さぁて、出た目はいくつだっただろうか。

→「1~3」だった 11へ
→「4~6」だった 12へ

 

 

 

 

 

 

10

君は君の命中率【4】を「上回る」サイコロの目を出してしまった。
残念ながら君の攻撃は失敗だ!
「敵のSP値」はそのままで君の攻撃は終了。次のチャンスを待つしかない。

もちろん攻撃ができるのは君だけではない。
さぁ今度はバイオビートルの攻撃が来るぞ!
敵の武器の命中率には【3】と書いてあるはず。
今度の君は【3】を上回るサイコロの目を出して、敵の攻撃を回避したい所だ。
さっきとは逆になるべく大きい「6」を出してぜひとも失敗させたい。
さぁて、出た目はいくつだっただろうか。

→「1~3」だった 11へ
→「4~6」だった 12へ

 

 

 

 

 

 

11

君は敵の命中率【3】を上回るサイコロの目を出せなかった。
「3」だったとしても命中率と同値で上回ってはいないので残念ながらダメだ。
君の回避は失敗!よって敵の攻撃がヒット判定になってしまう。
敵の攻撃力は【100】と書いてあるはずだ。
よって「君のSP値」から【-100】減らすこと。
1400だったら1300に、1300だったら1200という具合だ。

さて、以上で双方が一回ずつ攻撃を行ったわけだが
まだまだ戦闘は終わらない。気を引き締めて次へ進め。

13へ

 

 

 

 

 

 

12

君は敵の命中率【3】を上回るサイコロの目を出せた。
君の回避は成功!君は敵の攻撃を無事かわしたことになる。
「君のSP値」はそのままで敵の攻撃は終了する。

さて、以上で双方が一回ずつ攻撃を行ったわけだが
まだまだ戦闘は終わらない。気を引き締めて次へ進め。

13へ

 

 

 

 

13

ここまでの、君と敵とが交互に1度ずつ攻撃を行った
一連の動作をまとめて「1ターン」と呼ぶ。
命中率の判定は、要領が掴めただろうか?
君が攻撃する場合ならサイコロの目は小さいものが、
君が攻撃を受ける場合はサイコロの目は大きいものが、
それぞれ出るとラッキーというわけだ。
ちなみに攻撃が失敗してしまうのは、命中率より「大きい数の目」が出た時だけだ。
同じ値では攻撃側のヒット成功扱いとなる。その点だけはくれぐれも間違えないように。

以上でここでの基本的な戦闘チュートリアルは終わる。
以降は、君自身でこれと同じようにターンの手順を処理して
どちらかのSP値が、パラグラフ最後の選択肢に示された数値に達するまで
戦闘ターンを交互に繰り返していくことになる。
ここのページにはしおりか何かを挟んでおいて
やり方が分からなくなったら、いつでも戻ってきて上記の文をチェックしてみるといい。
それでは、君の初陣の健闘を祈る!

≪君の戦闘パラメータ≫初期のSP値【1500】
S武器【アーミーナイフ】攻撃力【100】命中率【4】

≪バイオビートルの戦闘パラメータ≫ 初期のSP値【300】
S武器【噛み付き】攻撃力【100】命中率【3】

→敵のSP値が【0】になった 14へ
→君のSP値が【0】になった 15へ

 

※ゲームブック初体験の君へ

さぁお待ちかね。これがゲームブック名物の通称サイコロバトルってやつだ。
勝つも負けるもサイコロの出目次第!ドキドキの名勝負を楽しんでくれたまえ。
ナヌ?! サイコロなんて持ってないって? そんなのは、、ほら、、あれだ、、、
そう!君の筆ばこに六角形のエンピツがあるだろう。それを転がせばいいじゃないか。
丸いシャーペンしかない? ぐぬぬ、、だったら近所の100均でも
スマホのサイコロアプリでも、今の時代なら何でもあるんだろう?
だからさ、頼むよ~。遊んでくれよ~。
えっ!?! 『なら面倒くさいからやめちゃおッっかなー』だって!?
わかったわかった!オジサンが悪かった!
ならば君だけにこれを授けよう。ホラ、これだ!

テッテレ~~~~♪ ≪魔法のサイコロ~~~!≫

これは君の脳内だけで存在する特別なサイコロだ。
これを使えば君は「6」でも「1」でも、好きな出目を自由に出すことができる。
どんな強敵でもこれなら楽勝だ。どうだい? これなら難しくないだろう?
慣れないうちはこれを使って遊んでくれればいいから。ねっ!お願いっ!
でも、、慣れてきたら本物のサイコロでちゃんと遊んでくれるとオジサン嬉しいな(ボソッ

 

 

 

 

 

 

14

ブブ、ブブブシューーーッッ!

君の三度目のナイフの一撃が致命傷となり、
緑色の体液を吹き上げながらバイオビートルがのた打ち回る。
君が勝ったのだ!
戦意を失ったミュータントは弱々しくその場を逃げ出そうとしたが
やがて動かなくなり、そのまま息絶えた。

ハァ、ハァ、ハァ、、、、、、
君は息も荒く、その場に立ちすくむ。

16へ

 

 

 

 

 

 

15

君は力及ばず、バイオビートルの怪力に押し負けていた。
手が震える。脚がすくむ。
もうダメだと思ったその時、

「しっかりしなさいっ!」

凛とした声が響いた。
目を開くと君を襲っていたミュータントは
横から風のように飛んできた
アニィさんのするどい一撃により、的確に急所を射抜かれていた。
助かった。。。。君は先輩に助けられたのだ。
命拾いをした君は、改めて生きてる実感を味わう。
君のSP値を【500】まで回復させること。

16へ

 

 

 

 

 

 

16

倉庫内のミュータントを片づけた君らは
一旦自分たちの乗ってきたスペースシップに戻ると
ミュータント殲滅のための本格的な装備に切り換えた。
格闘戦用のプロテクテッドアーマーを上から着込み、
非常食や飲み水、救急キットに予備の弾薬など
必要な補給物資をバックパックに背負い込む。
そして最後、右左両腕のアーマーに内蔵された武器の動作を君は確認していった。

現在、君の右腕に装着されているのが超振動で対象を切断するパルシングナイフ。
そして反対の左腕にあるのが、離れた敵を狙い撃てる銃、ハンドバルカンだ。
どちらも普段はアーマー内に収納されている内蔵式なのは、
手から取り落としたり敵に奪われたりする危険を避けるためだ。
一応はシップに積んできた武器の中で最も強力なものを選んだつもりだが、
果たしてこれでもバケモノ相手にどこまで通用するだろうか。

17へ

 

 

 

 

 

 

17

ガガガガガガッッ!!

「危ない戻れっ!」

生存者の捜索のため、通路を進んでいた君ら。
その通路の先から突然銃声が響いてきたのと、
先頭を歩いていた隊長がとっさの声を上げたのはほぼ同時だった。
T字路の曲がり角に身を隠し、慌てて体制を立て直す。

「この先の通路に、ガードロボがいやがった。
ご丁寧にマシンガン装備付きだ。あんな物騒なのが通常配備のはずがねぇ。
さっきのミュータントといい、こりゃ確実に外部からの持ち込み品に違いねぇな」

ブーツの中の足の裏が汗でじっとりと気持ち悪くなってくるのが自分でも分かる。
さっき飲んだばかりなのに、ずっと口の中が乾いて仕方がない。
やがてさっきの銃声を聞きつけたのか、
後ろからもまた何匹ものミュータントの群れが迫ってくる。挟み撃ちのピンチだ!

「チッ!仕方ねぇ、アニィ!あっちやるぞ!」

「了解!」

「おい新入り!あの入り口のロボな、手前ェがヤれ!」

えぇっ?!僕がですかァ!?
突然の命令にドクン!と心臓が大きく震える。

「あれくらいのポンコツなら手前ェ一人で十分ヤれんだろ!
こっちの虫どもは俺らで食い止めてやるから、
ちったぁ役に立つとこ見せてみやがれ!」

君の返事も聞かずに、隊長とアニィさんは勇ましく通路を引き返していった。
くっ?!や、、、、やるしかない!

ガードロボットMとの戦闘だ!
両腕の武器のどちらを使って戦うか、君が自分で選ぶこと。

→パルシングナイフで戦う 18へ
→ハンドバルカンで戦う 19へ

 

 

 

 

 

 

18

君はナイフを構えて曲がり角を飛び出すと、
通路突き当りに構えるガードロボ目掛けてがむしゃらに突っ込んでいった。

ガガガガガガッ!!

すかさず敵の放ったマシンガンの弾が君に命中!
君はもんどりうってふっ飛ばされ、元の曲がり角まで転がり出てきてしまった。

「バカ野郎!!もう銃使っていいんだよ!敵も撃ってきてんだろうがぁ!」

君の失態に気付いた隊長が、通路の遠くから激を飛ばしてくる。
そ、そうだったのか、先に言ってくださいよ、、、、、、、

君は慌てて立ち上がると曲がり角の陰へ再び身を隠す。
そして自分がたった今、重火器で撃たれてしまったことを慌てて思い出し
体のあちこちを確かめたのだが、
さすがは防弾・防刃の実戦用プロテクテッドスペーススーツ。
装甲が少しへこんだくらいで、特に生身に損傷はなかった。
しかし、それでも自分が撃たれたというショックは大きい。
頭部のメットにも派手に1発食らったせいで、まだ頭もクラクラしている。
君のSP値を【-200】減らすこと。
スーツの装甲がいくら堅くても、そう何度も食らっては堪らない。
君は武器をハンドバルカンに切り替えると、遠距離戦の基本を思い起こした。

19へ

 

 

 

 

 

 

19

君は曲がり角を盾に、敵との銃撃戦に移行した。
バルカンの攻撃力【200】命中率【3】をチェックシートに書き込むこと。

今回の戦闘は遠距離武器による射撃戦となる。
とはいえ、戦闘の進め方は先ほどのナイフの時とほとんどが同じだ。
君の攻撃時にはサイコロをひとつ振って、敵に命中したか外れたかを比べる。
敵の攻撃時にもサイコロをひとつ振って、君が避けられたか当たったかを比べる。
今回はどちらの命中率も【3】なので
3以下だったら攻撃成功、4以上だったら回避成功と覚えておけばよい。

準備はいいか?さぁそれでは戦闘開始だ!
君からの攻撃ターンで戦闘を開始せよ!
互いのSP値がどちらかの選択肢の条件を満たすまで続けること。

≪君の戦闘パラメータ≫
L武器【ハンドバルカン】攻撃力【200】命中率【3】

≪ガードロボットMの戦闘パラメータ≫ SP値【600】
L武器【マシンガン】攻撃力【200】命中率【3】

→敵のSP値が【0】になった 20へ
→君のSP値が【200】以下になった 21へ

 

 

 

 

 

 

20

ガガガガガガッ!ガシャンッ!!

君はやっとの事で敵であるガードロボットを破壊できた。
スクラップと化したロボットは完全に機能を停止している。

「隊長!進路、確保しました!」

「よくやった!俺らも向かう!」

メット無線での報告に隊長が答える。
すぐさま曲がり角の向こうから隊長とアニィさんが戻ってきた。
隊長が敵の守っていたドアを開け、銃を構えつつ素早く中を確認する。

「よし、大丈夫だ!生存者もいる!入るぞ!」

迫るミュータントの群れ。
だが間一髪のところで君らを招き入れた部屋のドアは無事、閉じられた。
ここは宇宙ステーション最上階1Fの居住モジュール。
そこはその階層でも最も広い部屋である、中央ホールであった。

22へ

 

 

 

 

 

 

21

「大丈夫?!加勢するわよ!」

豹のようにしなやかな飛び込み前転で
アニィさんが君の反対側の角へと転がり込んでいった。
敵の弾が途切れた一瞬のタイミングを突き、猛烈なバルカン掃射。
君が苦戦していたガードロボットはあっという間にスクラップと化した。
ベテランの経験からくる、大胆な戦い方だ。とても真似できそうにない。

「、、、、なぁに?見とれちゃってるの?
君も早くこれくらいはできるようになんなさいね♪」

アニィさんが隊長とメット無線で連絡を取り、再び全員が集まる。
隊長が敵の守っていたドアを開け、銃を構えつつ素早く中を確認する。

「よし、大丈夫だ!生存者もいる!入るぞ!」

迫るミュータントの群れ。
だが間一髪のところで君らを招き入れた部屋のドアは無事、閉じられた。
ここは宇宙ステーション最上階1Fの居住モジュール。
そこはその階層でも最も広い部屋である、中央ホールであった。

22へ

 

 

 

 

 

 

22

「、、、、つまり、何の前触れもなく気が付いたら通路に怪物が溢れていて
あなた方はそのままここから出られなくなっていた、というわけですね。
衛星ネット通信機器も全てが使えず、
かろうじて生きていた緊急用無線でSOSを発したと」

隊長が一人の女性研究員から話を聞いている。
いつもの怒鳴り声が嘘のように、実に落ち着いた紳士的態度で接している。
ただの横暴ゴリラじゃ、なかったんだなぁ。

聞けば皆での定時の食事を終えてこのホールから出ようとしたら
既に通路はミュータントやガードロボに固められており、
出るに出られなかったのだそうだ。
なんとか逃げ戻ってきた者も含めて、この宇宙ステーションに滞在する研究員の
ほぼ全員が既にこのホールに集まっているとのこと。
だがしかし、依然誘拐犯とかテロリストとか、そういった犯行グループからの
連絡や接触なども一切ないままに、ずっとここに閉じ込められていたままらしい。
研究員たちが生きていたのは幸いだったが
これでは誰が、何のためにこんな事態を引き起こしたのかが未だ不明のままだ。

「よし、そういうことなら仕方がない。
俺らの仕事はここの人たちをすぐにポートまで誘導して、全員退避させるだけだ。
何が起こったかなんてのの原因究明は、おエラさん方に丸投げしちまえばいいさ」

隊長はすぐにそう判断を下すと、退避の計画をアニィさんと相談し始めた。

「あの、、、、、、その、まだ全員がここに揃ってるわけじゃないんです」

ひとりの研究員がおもむろに声をあげた。
聞けば、まだ戻らずにおそらくは取り残されてる人がかなりの人数いるらしい。
複数階層に連なる、ここの各研究モジュールの主要責任者全員と、
その他一般職員も数名ほど。そしてなにより、
B5Fの動植物遺伝子研究モジュールとかいうセクションの研究職員は
なんと誰ひとりとして、ここに戻って来てはいないのだという。
この宇宙ステーション、シュヴァルツシルドの最高責任者も兼任する
遺伝子工学の世界的権威、ランドルフ博士も。

「なんだよ逃げ遅れかよ。ったく子供じゃあるめぇしメンドくせぇな。
しゃあねぇ!じゃあここの人達の避難を終えたら
残りの不明者の捜索にも向かうぞ!」

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23

「、、、、、おーっし、これでとりあえずは全員だな!
んじゃあ、とっととこっから追い出しちまえ!」

ここはB1F、この宇宙ステーションの玄関口。
君らのスペースシップも寄港させている
物資搬入用のドックモジュールだ。
多くの研究者たちを乗せた自動操縦の脱出艇が
無事にステーションを出港したのを見届けると、
君ら3人は残された研究職員の捜索に向かうことになった。

「手分けして一気に終わらせるぞ。
ホントは3人バラして回らせたいんだが、、、、、なっ!」

お荷物である、新入りの君を見る隊長の目が、異常に冷たい。

「アニィ!こいつのお守りは任せたぞ!」

「えーっ?!またですかぁ。勘弁してくださいよぉ!」

「うるせぇ!誰が好き好んで男同士でムサいお散歩なんかするかってんだ!」

発言権のない君はただ黙って二人のやり取りを見ているしかない。
結果、隊長のいうとおりに2手に分かれることとなり、
隊長が1Fの残りと、B2F、B3Fを捜索、
アニィさんと君とでそれ以降の
B4F、B5F、B6F階層を見て回るという分担に決まった。

「そーんじゃ、あたしたちもボチボチ行きますかね」

アニィさんが付いて来るように君に促す。
さっきまで隊長と激しく怒鳴り合ってた彼女だが、君と2人の時は普通に優しい。
悪い人じゃないし、さっきの戦いでも分かるように腕も確かなんだけど、
それ以外では実にいい加減な面が多くて
振り回されることもしょっちゅうある、困った人でもある。
まぁそれ以上に今はまだ、こうして自分の方が迷惑かけっぱなしなんだけど。

アニィさんと君はエレベータに乗り、
宇宙ステーションB4F階層の環境実験モジュールへと到着した。
ここは大きく右半分と左半分にモジュールが分かれた構造になっている。
アニィさんはその右側部分へと続く中継通路へと足を向けた。
君もアニィさんの後ろに続いて、その長い通路を歩いていく。

「しっかり付いてきなさいよ。はぐれちゃ、ダ・メ・よ♪」

彼女にしてみれば、きっと君の緊張をほぐそうとしてワザとふざけて言ったんだろう。
だがそんな気遣いも、初の実戦で心に余裕のなかった君には正しく伝わらなかった。
その妙に子ども扱いする言い方に、逆にカチンと来てしまったのだ。

「こっからはもう大丈夫ですよ!僕は反対側の方を見てきますから!」

ムキになった君はアニィさんの返事も聞かず、反転して走り出してしまった。
果たしてあの時、彼女はいったいどんな顔をしていたんだろう。

24へ

 

 

 

 

 

 

24

長い通路を引き返していった君が、アニィさんとは反対側のモジュール内へと
その緊張の一歩を踏み入れようとしたまさにその刹那だった。

ドゴォォォオォォンンン!!!!!

背後から響くものすごい爆音。
!?なんだっ??
慌てて君は振り返る。その直後、君の背後から猛烈な突風が吹き荒れた。
違う!?風じゃない!これは減圧だ!
アニィさんが向かったはずのあの右側のモジュール。
まっすぐ伸びた通路のその先にあるはずのものが、そっくりそのままない。
今や目の前の通路のその先は、単に太いパイプの先のようにポッカリと穴が開いているだけ。
その外には、どこまでも深く暗い、漆黒の宇宙空間が広がっていたのだ。

『エマージェンシー!エマージェンシー!
外壁破損ニヨル減圧ヲ確認。タダチニ区画ヲ閉鎖シマス!
速ヤカニ退避シテクダサイ!繰リ返シマス!速ヤカニ退避シテクダサイ!』

鳴り響く機械音声の非常警報。なおも背中を押しつけてくる減圧強風。
君はただただ周囲の壁にしがみつきながら
外の宇宙空間を見ているしかできなかった。
おそらくは右側モジュールだったであろう、そこに浮かぶ建造物だったものが、
真っ黒な宇宙を背景にゆっくりと、そしてだんだんと小さく遠くなっていく。

そのあちこちで起こっているのがかろうじて見える、数々の爆発。
宇宙空間で起こる独特の形状の炎が、方々から上がっては一瞬で消えていく。
それらの爆発音は、音の伝わらない真空に間を遮断された君には全く感じることはできない。
まるで音を消したテレビのような、そんなどこか嘘っぽい光景。
現実として未だまったく認識できないままに
そのうちモジュールは、、、、、爆発!四散!
花火のように粉々の小さな炎と化しながら、
なおもゆっくりとステーションから離れ消えていくだけ。。。。。。

25へ

 

 

 

 

 

 

 

25

どれくらいの時間が経ったのだろうか。
既に緊急時用の外壁は閉じられ、元の静けさを取り戻した通路。
君はがっくりと膝を着き、いまだ虚ろな目で思考の海を彷徨っていた。

 今のは、、、、、現実?

                 モジュールが、壊れて、離れて、、、、、

     事故? 爆発? そんな、、、、

                     嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ、、、、、、?!

           あの中にいた人は、もう、、、、、、

!!!!!
そうだ! アニィさんは???

君はガバッと立ち上がると、周囲を見回した。
いるはずなんだ!まだここに!
まだあの中には入ってなかったはずなんだ!
だって僕だってまだ入ってなかったのに!
そんなに早く、、、、、、、いや、、、、そんなはずは、、、、、
まさか、、、、、、でも、、、そんなことって、、、、、、

君の他には誰もいなくなった通路だけが、悲しくもその全てを物語っていた。

26へ

 

 

 

 

 

 

26

君はひとり、ぼんやりと誰もいなくなった中央ホールの隅に座り込んでいた。
どうやってここまで戻ってきたのか、まるで覚えていない。
君のSP値を【100】まで減らすこと。

隊長からの連絡は、ない。
もちろん君からも何度も無線を入れているのだが、未だ全く返答がないままだ。
もしかして、隊長も、、、、、、、、、
そんな最悪の状況から目を背けるように、君はかぶりを振る。
ただただ、辛く苦しい現実から逃げることだけに君は必死だった。

→隊長の帰りを待つ 27へ
→スペースシップにひとり乗って逃げ出す 28へ

 

 

 

 

 

 

27

そうだ、僕みたいな新入りは余計なことはせずに助けを待つのが一番だ。
君は小さくうずくまり目を伏せる。夢なら覚めろとつぶやき続ける。
だが、いくら待っても誰も来ず、何も起こりはしなかった。
どうする?君は本当にこのまま何もしないのか?

→隊長の帰りを待つ 27へ
→スペースシップにひとり乗って逃げ出す 28へ
→逃げずに気力を奮い立たせる 29へ

 

 

 

 

 

 

28

そうか、お疲れ様。いや大丈夫、君はここまで充分よくやった。
いろいろ心残りはあるだろうが、現実的な決断を下した君は、
無事に地球への帰還を果たし、その貴重な命を長らえることができた。

しかしもし、君が宇宙の戦士として、またひとりの人間として、
もっと強く成長したいと再びその気力を奮い立たせてくれるのならば。
もしくは自分の命よりも大切なものがこの世にはあるとに気付いてくれたのならば。
どうかもう一度この本を手に取り、納得のいく結末まで頑張って読み進めてもらいたい。

君が私を本棚に残しておいてくれる限り、
私はいつまでも、君の復帰をこのまま待ち続けることにしよう。(END)

 

 

 

 

 

 

29

「ちっっくしょぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

どうしていいか判らなかった。だからただ腹の底から大声を出し続けていた。
何もできない自分への苛立ち。
情けないほどの無力感。
どうして誰も助けてくれないんだとの他人への勝手な甘えも少しはあった。
それらがグチャグチャに入り混じり、ドロドロに溶けた感情の塊を
ドロリと全部口から吐き出した瞬間、君の中ですっきりとした一つの答えが見えた。
そうだ。自分がやるしかないんだ。
隊長を探す。生存者も探す。そして、自分も絶対ここから生きて帰る!
今、自分が出来ることを、ほんの少しだけでもいいから、
自分自身でやってみるしかないんだ!!

君は目を強く見開く。二本の脚で力強く立ち上がる。
その虚ろだった瞳には、使命の炎が小さくとも確かに激しく吹き返していた。
今、ここにひとりの宇宙の戦士が、多くの大切なものを取り戻すミッションに、挑む!

 

→ ~Act.2 黒衣の自動人形~ に続く

 

 

 

 

【あとがきみたいなもの】
ども、作者です。お読み下さりありがとうございます。
本作は酒井さんとこのコンテストに応募したくてコツコツ書き溜めていたものです。
そしたらいつの間にやら出版社移っちゃったらしく、ハラホロヒレハレw
そんなこんなで完成半ばでほったらかしておりましたが、
せっかくなんでこの場を借りて発表させて頂こうかと。
ところどころにおかしな駄文が入ってるのは
書籍化した際にお子様層にも裾野を広げられたらいいなと思っての小細工です。
お遊びですのであんま気にしないでw 学校の朝読なんかで流行ったらいいなぁ、
なーんて。
まず初回はプロローグということで、舞台紹介と主人公の動機づけ、
そして戦闘システムの基本的なチュートリアルなどを詰め込んでみました。
ここまでだと、なーんか暗くてただ重苦しいだけになってしまいましたが、
次回からはもう死人も出ない明るく楽しい本格的な冒険活劇がスタートですよと。
構成も単純な一本道ルートでなく
いよいよ自由に行先を選べる双方向システムでお届けしますんで、乞うご期待。
サイコロバトルなんて、時代に逆行してますかねぇ?
でも好きなんですよねぇやっぱ。
そんなに複雑なものにしたつもりもないんですが、
でもやっぱり面倒!という方は出目フリーで遊んで頂いても全然OKでーす。
どうか今後ともお付き合いくださいませ。それではまた次回作でお会いしましょう。