Wizardry風の4人制パーティダンジョンRPGものに真っ向挑戦です。ドルアーガやブラックオニキスファンにぜひプレイしていただきたい意欲作に仕上げました。
主人公から仲間3人まで、すべてのメンバーの職業を自由に組み替えて遊べるように作ってあります。君だけのオリジナルパーティでプレイできるぞ!ってやつですね。
総パラグラフ数は470以上の長編になりますが、まずはその序盤、練習ダンジョン章をお楽しみください。
難しいっちゃムズカシイですが未経験の初心者様でも臆するなかれ。なにせ面倒な冒頭ルールの羅列はざっくりと省きまして、代わりに作中にてキャラクターから受けられる詳細なチュートリアルパートがご用意してありますから。
戦闘の進め方からマッピングのコツ、はたまたインチキの仕方までまで、ゲームブックのイロハを懇切丁寧に手ほどきいたしますですよ。これを機にぜひチャレンジしてみてくださいね。

 

 

 

 

 

俺らダンジョンハッカーズ!! ~序章、名も無き廃窟~

作:緒方直人

 

 

 

 

 

 

A1-1

……ズザッ! バシュッ!
大剣グレートソードを掲げた戦士の斬撃が、パーティに群がるゴブリンらを次々と薙ぎ払う。

……ピカァッ!
聖職者が放った聖術ホーリーレイの浄化の光が、スケルトンの再生能力を抑え込む。仲間のトドメの追撃を受けてその骨は粉々に砕け散っていった。

……バリバリバリィッ!
最後に残ったボストロールには、魔術師が必殺の魔術ライトニングプラズマですさまじい雷撃を浴びせた。
こうして魔物の群れを撃退した冒険家パーティの一行は、再びダンジョンの最深部を目指して歩みを進める。まだ見ぬ財宝と、血沸き肉躍る冒険を求めて……。

A1-2へ

 

 

 

 

 

 

A1-2

ここは我々の世界よりもほんの少しだけ、神や悪魔による干渉が絶えることなく続いてきた別世界。いわゆる剣と魔法のファンタジー異世界である。とはいえ小難しい世界設定やら専門用語などは特に出てはこない。これを読む君がイメージする、ごくごく普通のファンタジー異世界を想像してもらえればそれで充分だ。
今は最後の魔王も滅び去ってからすでに何十年もが経つ、比較的穏やかで平和な時代。魔物もめっきり地上へとその姿を現さなくなり、戦いに長けた腕自慢の多くは暇を持て余していた。
ほとんどの者は武器を捨てて地道に働く道を選んだが、中にはまだ手つかずのお宝を求めて自ら危険な魔物の潜む地下巣窟、通称ダンジョンへと徒党を組んで腕試しに挑むような、そんな酔狂者も決して少なくはなかった。この平和になった時代に背を向けるかのように死をも恐れずに突き進むそんな彼らを、人々は尊敬と憧れ、そして若干の皮肉を込めてこう呼んでいた。『冒険家』と。

さて、これから君にこの本を通じて体験してもらうのは、その冒険家を生業として目指す1人の青年の短い成長譚である。
君の意識はこれからその青年の中に乗り移り、青年の意識と一体化して1つとなる。そこから先は君がその青年、つまりはこの本の主人公となってその行動を決めていくのだ。
これは本の中で行われる、小さな小さなRPG(ロールプレイングゲーム)である。さぁ心の準備が出来たなら、その手で冒険へのページをめくろう。

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A1-3

ここは大陸の辺境でも特に土地の痩せた小さな寒村。君はこの地で生まれ、そして育った。よくある子だくさんな貧乏農家の末っ子。名をバルディンといった。
そんな君が14歳になって少しが過ぎた頃、働き盛りの父親が死んだ。畑も家畜も住む家も、その遺産のほとんどは年上の兄達に根こそぎ持っていかれてしまった。何も残されなかった君は今、着の身着のままで木枯らしが吹きすさぶ秋の道を1人歩いている。だが、そんな君の顔は暗く落ち込むどころか、他人が見たら驚くほどに実に明るく晴れやかだった。
君は思う。これでやっと、俺は長年迷っていた踏ん切りをつけることができる。俺は、俺は……、ずっとずっと憧れだった、冒険家になるんだ!

「俺を……、叔父さんの弟子にしてくださいっ!」

家を追い出された君は、その日のうちに村はずれの林の奥に暮らす叔父、グラムの小屋を訪ねていた。今は隠居の木こりの身ながらも、若い頃はそこそこ名の通った冒険家だったという父の兄、グラム。君は小さいころから暇を見つけては、しょっちゅうこの叔父の元へと遊びに来ていた。きらびやかな財宝。魔物との血沸き肉躍る戦い。そんな話をせがんでは、いつも夢中で聞き入っていた。自分もいつか、そんなカッコいい冒険家になりたいとの思いをずっと長い間、温め続けてきたのだ。
そんな目を輝かせて頼み込む君を前にしたグラムは、諦めにも似た深い大きなため息をつくのだった。

「……こうなるんじゃないかと、ワシも薄々思っとったよ。まぁ他に行く当てもないならば仕方あるまい。こんな掘っ立て小屋でよければ、勝手にするがいいさ」

A1-4へ

 

 

 

 

 

 

A1-4

「いょうバルディン! 案外元気そうだなァ。聞いたぜ親父さんのこと。オマエこれからどーすんだよ」

小屋に鼻歌まじりで1人の青年が入ってきた。君よりも1つ年上の男、リカルドだ。数ヶ月前にどこからともなくこの村へと流れ着いた彼は、半ば押しかけ同然でグラムの弟子となり、この小屋へと住み着いていた。
だが、弟子とはいえその性根はとことんグウタラ。冒険家としての修行はおろか、グラムに命じられる日々の雑用すらもいつもサボってばかり。おまけに村の若い娘らにもちょっかいを出しまくるという女好きまで兼ね備えた、典型的なダメ男であった。人の良いグラムでなければ、2日と持たずに叩き出されていただろう。君は自分も今日から正式に弟子入りした事を話すと、リカルドはニンマリと人懐っこい笑みを浮かべた。

「ほほぅ、そいつぁ結構。ンならオレ様は今日からオマエの兄弟子って訳だな。先輩としてこれから炊事、洗濯、薪割りと、みっちり手ほどきしてやるぜ。もちろん冒険家としてのイロハに関してもなッ」

そう言ってリカルドは腰に差していた武器を自慢げに掲げた。さて、彼の掲げた武器とは次のうちどれだろうか。

→ショートソードなら A1-5へ
→メイスなら A1-6へ
→炎のワンドなら A1-7へ

 

 

 

 

 

 

A1-5

戦士の証であるショートソードを掲げたリカルド。修行嫌いの怠け者だが、剣の才能には意外と飛びぬけたものがあるのを君はよく知っている。あの細身の体格でよくも重厚な剣と盾を軽々と振るって戦えるものだ。

「いくら戦士っつっても筋肉ダルマじゃなあ、今ドキの女の子にゃモテねーからよッ♪」

チェックシートの【リカルド】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@リカルド
職業:戦士
装備:ショートソード(武器攻撃力+3)
   スモールシールド(守備力+2)
体力:8

A1-8へ

 

 

 

 

 

 

A1-6

リカルドが掲げたのは槌状の打撃系武器、メイスだった。あの軽い性格からは信じられないが、これでも彼は神の教えを広めんとする聖職者志望なのだった。とんだ生臭坊主もいたもんだ、と君はいつも不思議に思う。こんなチャラい男が将来エラそうに人々に説教たれてる姿なんて、とても想像できない。

「ナ~ニ言ってやがる。世界中の女の子の悩みを解決する、これぞオレ様にピッタリの天職だろォが?」

チェックシートの【リカルド】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@リカルド
職業:聖職者
装備:メイス(武器攻撃力+1)
    ☆ヒーリング
    (消費聖力:1 パーティ体力+10)
    (※敵の前では使用不可)
体力:5
聖力:3

A1-8へ

 

 

 

 

 

 

A1-7

魔術師をこころざすリカルドは、君の顔面に向かってずいと炎のワンドを突きつけた。冗談にしても笑えない。君は怒ってワンドを押しのける。なにせ奴がひとたび呪文を唱えただけで、あのワンドの先からは燃えさかる火球が次々と飛び出してくるのだから。

「心配すんなって。オレ様がヤケドさせるのは魔物とカワイコちゃんのハートだけだからよッ♪」

チェックシートの【リカルド】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@リカルド
職業:魔術師
装備:炎のワンド(武器攻撃力+0)
    ★ファイアボール
    (消費魔力:1 魔術攻撃力+5)
体力:3
魔力:3

A1-8へ

 

 

 

 

 

 

A1-8

「先生、洗濯終わりましたぁ……ってあらバルディン来てたの、いらっしゃい」

リカルドに続いて小屋に戻ってきた女性が、君に明るい声をかけた。彼女もグラムの元で冒険家の修行に励んでいる弟子のひとり、ミランダだ。歳はリカルドと同じ。君にとっては1つ年上になる。彼女は数年前に、旅の途中だったグラムにその命を助けられたという境遇を持つ。両親はその時に殺されてしまったので、他に身寄りのなかった彼女をグラムが引き取ったのだ。
君はミランダにも自分が弟子入りした事を伝える。目を丸くした彼女はすぐに歓迎の笑顔を見せてくれた。

「そっか! じゃ、今日から一緒に頑張ろうね!」

ミランダが差し出した手を、君も笑顔で握り返す。腰に下げた彼女の武器が大きく揺れていた。さて、そんな彼女が持つ武器は次のうちどれだろうか。

→ショートソードなら A1-9へ
→メイスなら A1-10へ
→炎のワンドなら A1-11へ

 

 

 

 

 

 

A1-9

ミランダのショートソードが鞘の中でカチャカチャと金属音を立てていた。服の上からは判らないが、彼女はそこらの男にもまったく引けを取らない強靭な筋肉を鍛え上げた、立派な戦士見習いだ。イタタタタ……。こちらの手を握る握力も相当なもの。君はその痛みを顔に出すまいと必死だった。

「あっゴメン。でもバルディンも冒険家を目指すんなら、これからはそれなりに鍛えとかないとね」

チェックシートの【ミランダ】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@ミランダ
職業:戦士
装備:ショートソード(武器攻撃力+3)
   スモールシールド(守備力+2)
体力:8

A1-12へ

 

 

 

 

 

 

A1-10

ミランダが下げていたのは刃物部分のない打撃武器、メイスだった。彼女ら聖職者はこれに埋め込まれた宝珠を触媒とし、神の奇跡である聖術を発動させるのである。君の手を握ったミランダの手からは、人を教え導く職業らしい信頼と優しさが伝わってくる気がした。

「先生の教えはぶっきらぼうだけど確かよ。判らないところがあったらいつでもアタシに聞いてね」

チェックシートの【ミランダ】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@ミランダ
職業:聖職者
装備:メイス(武器攻撃力+1)
    ☆ヒーリング
    (消費聖力:1 パーティ体力+10)
    (※敵の前では使用不可)
体力:5
聖力:3

A1-12へ

 

 

 

 

 

 

A1-11

炎のワンドを下げたミランダは、高い知性を必要とする魔術師志望であった。頭の回転が早いのはもちろんだが、素早く呪文を詠唱するためか、口も非常に達者だ。決して気が強いというわけでもないのに、一緒に暮らす男2人はいつもに彼女に上手く言いくるめられていた。果たして新たに加わる君の場合はどうだろう。それとも、喜んで丸め込まれてみる?

「失礼ねぇ。アタシとしては別にそんなつもりはまったくないんですけど」

チェックシートの【ミランダ】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@ミランダ
職業:魔術師
装備:炎のワンド(武器攻撃力+0)
    ★ファイアボール
    (消費魔力:1 魔術攻撃力+5)
体力:3
魔力:3

A1-12へ

 

 

 

 

 

 

A1-12

「どれ、冒険家になるならまずはお前の素質を見てやろう」

ささやかな歓迎の夕食会が開かれたその日の夜。君はグラムに呼ばれた。素質とは、戦士や聖職者、魔術師などいった冒険家としての職業に対しての向き不向きを示す、適性の事だ。グラムは特殊な水晶を通して君の瞳の奥を覗き込む。君は椅子に座ったまま、祈るような気持ちで大きくその目を開いた。だが、見終わったグラムから帰ってきた返事は、実にそっけないものだった。

「ほぅ、特に際立った素質はなしか」

素質なし。そう聞いた君はガックリと肩を落とした。だがグラムは言葉を続ける。

「勘違いするな。別に何の見込みもないとは言っとらん。むしろ逆だ。どの素質もきれいに平均以上になれるものを万遍なくそなえとる。これは非常に珍しい事なんだぞ」

ひょっとして褒められてるのだろうか。一転やる気が沸いてきた君に、グラムは更に続ける。

「普通ならその1つあるかないかの素質によってそいつの職業はほぼ選択の余地なく決まってしまうところだが、お前は運がいい。なんせ戦士、聖職者、魔術師、どの道でも自分の意志で自由に選べるのだからな」

そう言ってグラムは小屋の奥に引っ込むと、やがて3本の武器を持って出てきた。ショートソード、メイス、炎のワンドだ。

「さぁ、どれでも好きなのを選べ。選んだ武器が、これからのお前が進むべき道だ」

→ショートソードを手に取るなら A1-13へ
→メイスを手に取るなら A1-14へ
→炎のワンドを手に取るなら A1-15へ

 

 

 

 

 

 

A1-13

君は自らの意志で、純粋な強さを求める剣の道に進む事を選んだ。
それから数年の月日が流れた。体を鍛え、ひたすらに剣を振るい続けた君は、やがてメキメキとその腕を上げていった。

チェックシートの【バルディン】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@バルディン
職業:戦士
装備:ショートソード(武器攻撃力+3)
   スモールシールド(守備力+2)
体力:8

A1-16へ

 

 

 

 

 

 

A1-14

君は自らの意志で、神の教えにその身を捧げる道を選んだ。
それから数年の月日が流れた。聖書の暗唱や飲まず食わずの瞑想といった厳しい精神修行にも耐え、君はその力を徐々に開花させていった。

チェックシートの【バルディン】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@バルディン
職業:聖職者
装備:メイス(武器攻撃力+1)
    ☆ヒーリング
    (消費聖力:1 パーティ体力+10)
    (※敵の前では使用不可)
体力:5
聖力:3

A1-16へ

 

 

 

 

 

 

A1-15

君は自らの意志で、大いなる魔術の真髄を極める道を選んだ。
それから数年の月日が流れた。難解な魔術書とひたすら格闘し続ける毎日は予想以上に辛かったが、冒険家への憧れを胸に君はなんとか頑張った。

チェックシートの【バルディン】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@バルディン
職業:魔術師
装備:炎のワンド(武器攻撃力+0)
    ★ファイアボール
    (消費魔力:1 魔術攻撃力+5)
体力:3
魔力:3

A1-16へ

 

 

 

 

 

 

A1-16

「どれ、お前もリカルドやミランダと大差ない力を着けてきたようだし、そろそろ実戦を積ませてやってもいい頃合いだな」

ある日の夕食時、グラムが唐突に君にそう告げた。そう、いよいよ旅立ちの時だ。ずっと遠出する3人を小屋から見送るばかりだった君は、この初めての誘いを大いに喜んだ。これで君も、冒険家パーティの一員として本格的なダンジョンの探索に連れて行ってもらえるのだ。
興奮で眠れない夜が過ぎ、そして朝が来た。君は旅の荷造りを再確認していく。何日か分の食料、水筒代わりの皮袋、傷薬に包帯、充分な量の松明油に火打石、フック付きロープに東西南北を調べるコンパスなどなど。最後に君は、いつも日課でピカピカに磨いているグラム愛用の武器を師匠へと差し出す。
さて、君が手渡すグラムの武器とは次のうちどれだろうか。

→グレートソードなら A1-17へ
→破邪のメイスなら A1-18へ
→雷神のワンドなら A1-19へ

 

 

 

 

 

 

A1-17

君はグラム愛用の大剣、グレートソードを差し出した。対となるグレートシールドも一緒にだ。だがグラムは首を大きく横に振った。

「ワシがそんなモンを振り回して全力で戦っては、お前らの訓練にならんだろうが。ワシは常にこっちの方で手加減するから、置いておけ」

そう言うとグラムは使い古したショートソードとラージシールドの方を手に取ったのだった。

チェックシートの【グラム】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@グラム 
職業:戦士
装備:ショートソード(武器攻撃力+3)
   ラージシールド(守備力+4)
体力:20
 
君ら若者3人組とは違い、このグラムだけに関してはプレイ上の制約がある。
この冒険は君ら弟子の訓練が目的なので、グラム自身が装備品を変えて強くなるような真似はしない。逆にグラムが持っている武器を他の仲間に譲るのもダメだ。要するに、グラムの装備品に限っては一切変更を加えずにこのままの状態でプレイを続けること。

A1-20へ

 

 

 

 

 

 

A1-18

君はグラム愛用の破邪のメイスを差し出した。受け取ったグラムはもう1本、体力回復用の普通のメイスも腰に下げるとおもむろに君に付け加えた。

「こいつで回復してやるから戦闘で減った後の体力については心配せんでいい。お前らは一戦一戦、全力で戦って腕を磨くんだぞ」

チェックシートの【グラム】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@グラム
職業:聖職者
装備:破邪のメイス(武器攻撃力+1)
    ☆ホーリー
    (消費聖力:1 アンデッドの回復体力-3)
   ヒーリングメイス(武器攻撃力+1)
    ☆ヒーリング
    (消費聖力:1 パーティ体力+10)
    (※敵の前では使用不可)
    ☆☆ハイヒーリング
    (消費聖力:2 パーティ体力+30)
    (※敵の前では使用不可)
体力:12
聖力:10
 
君ら若者3人組とは違い、このグラムだけに関してはプレイ上の制約がある。
この冒険は君ら弟子の訓練が目的なので、グラム自身が装備品を変えて強くなるような真似はしない。逆にグラムが持っている武器を他の仲間に譲るのもダメだ。要するに、グラムの装備品に限っては一切変更を加えずにこのままの状態でプレイを続けること。

A1-20へ

 

 

 

 

 

 

A1-19

君はグラム愛用の雷神のワンドを差し出した。グラムは受け取った後、思い出したように君にこう付け加えた。

「ワシは出すぎんよう初歩の術以外は一時封印としておこう。魔力の最大値も抑え目にしておくから、あまり頼りにするんじゃないぞ」

チェックシートの【グラム】の欄に以下のパラメータを書き込むこと。

@グラム
職業:魔術師
装備:雷神のワンド(武器攻撃力+0)
    ★サンダーボルト
    (消費魔力:1 魔術攻撃力+7)
体力:8
魔力:5
 
君ら若者3人組とは違い、このグラムだけに関してはプレイ上の制約がある。
この冒険は君ら弟子の訓練が目的なので、グラム自身が装備品を変えて強くなるような真似はしない。逆にグラムが持っている武器を他の仲間に譲るのもダメだ。要するに、グラムの装備品に限っては一切変更を加えずにこのままの状態でプレイを続けること。

A1-20へ

 

 

 

 

 

 

A1-20

こうしてリカルド、ミランダ、君、グラムの4人はパーティを組み、冒険の旅へと出発した。目指すはひと山越えた先の森のそのまた奥深くにある、小さな地下5階構造のダンジョンだ。もう随分と昔にダンジョンの主である魔王は倒されていて、今ではそこは統率するボスもいない低級な野良魔物が徘徊するだけの魔巣になっているらしい。道すがら、グラムが君に言う。

「何度も行ったことがあるワシは当然、中のマップも全部知りつくしている。だがお前らに一切は教えんぞ。これも訓練だ。お前らだけで道を選び、しっかりとマッピングしながらダンジョンを進むんだ」

師匠の苦言に対し、緊張感のないあくび声で返すリカルド。

「アイアイサ~師匠。それじゃとりあえずさー、その最深部地下5階まで行けたらクリアってコトで、今回はOK?」

「そうだな……。まぁそれだけじゃツマランから、そこにある魔王の玉座の欠片でも拾ってこれたら合格としておくかな」

ダンジョンの主、魔王。その恐ろしげな言葉を聞いた君は、ゴクリと唾を飲み込んだ。そんな君の様子を心配してか、肩をポンと叩くミランダ。

「大丈夫だって、そんなのもうこの世のどこにもいないんだから。もし出たってアタシや先生もいるし、心配ないない♪」

「おいおいミランダちゃんよォ、この頼もし~いリカルド様の事、お忘れでないの?」

「べーだ。誰もアンタなんか当てにしてないよーだ。バルディンの方がよっぽど頼りになるし。ねっ先生」

「そうだな、いつも少しでも強い魔物が出たら真っ先にビビッて逃げ出すお前が言えたセリフではないわな」

「ちぇーっ、後輩の前でヒデえ言われようだぜ、マッタク」

そんなのんびりとした会話をかわしつつ、数日の旅を経て君らは目的のダンジョンにほど近い、小さな村へとたどり着く。村の宿屋で一晩休んだ後、不要な旅の荷物を預けると君らは郊外の森へと分け入っていった。そして今、君らはダンジョンの入口である洞窟の前に立っている。これより松明に炎を灯し、パーティの先頭に立って奥へと進んでいくのは、他ならぬ君自身だ。
君らパーティはこのダンジョンを出たり入ったりを繰り返しつつ、最下層への踏破を目指さねばならない。果たして君らを待つのはあっけない死か。それとも夢かロマンか財宝か。不安と期待に入り混じった君は、ここにその記念すべき一歩を踏み出したのだ。

C1-1へ

 

 

 

 

 

 

B1-1

君らパーティは冒険を一時切り上げとし、地上へと帰還した。村まで戻ると、怪我の治療や術力の回復のため1週間ほどの休息に努める。ちなみにその間の宿代についてはグラムが自身のポケットマネーから出してくれるそうだ。

「その分、お前らの武器、防具の強化はあの洞窟内で手に入れた金貨だけでしっかりやりくりしてみせろよ。それもまた冒険家として必要なノウハウの訓練なんだからな」

ここではパーティの体力、術力をすべて最大値まで回復させること。
そしてチェックシートにチェックフラグ【A】があれば、ここで消していくこと。
更には今のチェックシートの内容を他の紙に書き写すか、コピーを取って≪セーブ内容≫としておく事をお勧めする。体力が尽きてゲームオーバーになっても、このパラグラフに戻りそのセーブ内容を引き継げば冒険を何度でもやり直してよいからだ。

さて、1週間が過ぎて充分に傷も癒えた。明日はまたあのダンジョンへと再挑戦する日である。その前に、この村の中で必要な買い物を済ませておくとしよう。パーティの攻撃力を上げるなら武器屋、防御力なら防具屋だ。情報が欲しいのならば、酒場へ行ってみるのもいいだろう。もちろん何も買わずに今すぐダンジョンへと向かっても構わない。

→武器屋へ行くなら B1-2へ
→防具屋へ行くなら B1-3へ
→酒場へ行くなら B1-4へ
→買い物はせずにすぐにダンジョンへ向かうなら C1-1へ

 

 

 

 

 

 

B1-2

村の武器屋へとやってきた。小さな田舎村なので、商品はそれほど充実してはいない。並んでいたのはどれも基礎的なものばかりだった。

≪装備可能:戦士≫
@ロングソード(武器攻撃力+5)金貨【6枚】
 
≪装備可能:聖職者≫
@ホーリーメイス(武器攻撃力+1)金貨【6枚】
  ☆ホーリー
  (消費聖力:1 アンデッドの回復体力-3)

@ヒーリングメイス(武器攻撃力+1)金貨【10枚】
  ☆ヒーリング
  (消費聖力:1 パーティ体力+10)
  (※敵の前では使用不可)
  ☆☆ハイヒーリング
  (消費聖力:2 パーティ体力+30)
  (※敵の前では使用不可)
 
≪装備可能:魔術師≫
@氷のワンド(武器攻撃力+0)金貨【6枚】
  ★アイスアロー
  (消費魔力:1 魔術攻撃力+6)

@光のワンド(武器攻撃力+0)金貨【10枚】
  ★サンダーボルト
  (消費魔力:1 魔術攻撃力+7)

武器は戦闘中、1人1つまでしか装備できない。戦士であっても剣を両手で2本持つなどの曲芸は不可能だ。ただしアイテムとして予備の装備品を冒険に持っていくのは構わない。持ち物の数についても特に制限はない。戦闘の直前であっても予備の装備と交換するのは自由だが、あくまでも1人1つを守ること。
買い替えた古い武器は別の仲間に装備させても良いし、ここで売ってしまっても構わない。先に装備している武器を下取りに出してから、新しい武器の購入資金とするのももちろん自由だ。ただし残念ながらここのオヤジは目利きに乏しいのかケチなのか、どんなに良い業物であってもすべて金貨【1枚】でしか買い取ってはくれない。

→防具屋へ行くなら B1-3へ
→酒場へ行くなら B1-4へ
→買い物を終え、再びダンジョンへ向かうなら C1-1へ

 

 

 

 

 

 

B1-3

防具屋へとやってきた。ほとんど雑貨屋と化した商品棚には、冒険家用の品は数えるほどしかなった。ちなみにロザリオやアミュレットは盾の使えない聖職者や魔術師用の、特殊な防具である。持ち主の術力を増幅させて、微弱なバリアを張ってくれるのだ。

≪装備可能:戦士≫
@ラージシールド(守備力+4)金貨【8枚】

≪装備可能:聖職者≫
@真鍮のロザリオ(守備力+1)金貨【6枚】

≪装備可能:魔術師≫
@水晶のアミュレット(守備力+1)金貨【6枚】

防具は戦闘中、1人1つまでしか装備できない。戦士であっても盾を両手で2枚持つなどの曲芸は不可能だ。聖職者や魔術師のアクセサリー類も、首からいくつもぶら下げたところで効果は倍増したりはしない。これらも同様に1人1つまでだ。ただしアイテムとして予備の装備品を冒険に持っていくのは構わない。持ち物の数についても特に制限はない。戦闘の直前であっても予備の装備と交換するのは自由だが、あくまでも1人1つを守ること。
買い替えた古い防具は別の仲間に装備させても良いし、ここで売ってしまっても構わない。先に装備している防具を下取りに出してから、新しい防具の購入資金とするのももちろん自由だ。ただし残念ながらここのオヤジは目利きに乏しいのかケチなのか、どんなに良い業物であってもどれも金貨【1枚】でしか買い取ってはくれない。

→武器屋へ行くなら B1-2へ
→酒場へ行くなら B1-4へ
→買い物を終え、再びダンジョンへ向かうなら C1-1へ

 

 

 

 

 

 

B1-4

村の酒場へとやってきた。賑やかな街とは違い静かな田舎村なので、客の数はまばらだ。店の主人に、ダンジョンに詳しい冒険家が来ていないかを聞いてみた。すると向こうにいるヒゲの戦士か、あっちにいるメガネの学者がそうらしい。
情報収集だ。さっそく話を聞いてみる事にしよう。

→ヒゲの戦士に声をかけるなら B1-5へ
→メガネの学者に声をかけるなら B1-10へ

 

 

 

 

 

 

B1-5

君はベテラン風の貫録を蓄えた、ヒゲの戦士に声をかけてみた。戦士は初対面の君にも気さくに応じ、話し相手になってくれる。彼は長年この村で剣術を教えたり、魔物退治の仕事を請け負っているらしい。もちろん近場のあのダンジョンについても詳しいとの事だった。師匠であるグラムが目を光らせているのでさすがに直接マッピングの答えなどは聞けないが、それ以外ならいいだろう。いろいろ水を向けて聞き込んでみよう。

→マッピングのコツについて聞くなら B1-6へ
→村への帰還時について聞くなら B1-7へ
→戦闘のコツについて聞くなら B1-8へ
→パーティ編成について聞くなら B1-9へ

 

 

 

 

 

 

B1-6

その戦士が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。酔っ払いの話なんてのはいつもそんなもんだ。

「マッピングか……。俺らが若い頃はなぁボウズ、どんなに複雑でややこしいマップでもよぉ、そりゃあ嬉々として紙に鉛筆でコツコツと書き込んでったもんよ。酷いのになると東西南北に加え更にナナメ四方の最大八叉路なんてイカれた三連ピラミッドマップなんてのもあったんだぜ。それがどうだ! 今じゃヤレ面倒くさいだのアプリでやればいいだの時代遅れだの古臭いだのとヨォ! ……おおっとすまねぇ、愚痴っちまったな勘弁してくれ。マッピングのコツだったな。いいだろう、俺がじっくり教えてやるぜ」

「よーしまずは紙と鉛筆と消しゴムだ。それからボールペンも用意しな。でまずはだな、最初に紙にでっかい四角形をボールペンで書いとくんだ。ダンジョンの1フロアが8×8の正方形ブロック構造だってのはもう聞いてるんだろう? この四角をでっかい外壁とするのさ」

「で、この四角の中にだな、縦横真ん中ぐらいでこう十字に線を引っ張って、四分割してアタリをつけるんだ。更にそれら4つの四角にもきっちり半々に線を引いてって、全部で4×4の16分割のマス目に分ける。いいか、縦4マス横4マスだぞ。8×8の64分割までギッチリ線を引くのはやり過ぎだ。見た目もごちゃごちゃして却って書き込みづらくなる」

「そこまでが1フロアをマッピングするためのボールペンでのベース線だ。こっから先は鉛筆に持ち替えて、壁や扉、階段といった目にした情報をどんどん書き込んでいけばいい。間違えても気にするな。消しゴムで消せばベースの基本線だけが残るから、書き直しの面倒は少ないはずだ」

「そうそう、壁の厚さは特に距離の勘定に加えなくていいんだぞ。8×8の境目の線の上にキュキュッとこう、鉛筆で太い線を引いていけばOKだ。1ブロック分丸々壁なんて場所はない。マップ上に埋まってない空間があれば、そこには必ず何かある。今はまだ行けなくとも、いつか行ける日を信じて明日も潜れ! いいな!」

→村への帰還時について聞くなら B1-7へ
→戦闘のコツについて聞くなら B1-8へ
→パーティ編成について聞くなら B1-9へ
→眼鏡をかけた学者風の若い男にも声をかけるなら B1-10へ
→酒場を出て武器屋へ行くなら B1-2へ
→酒場を出て防具屋へ行くなら B1-3へ
→買い物を終え、再びダンジョンへ向かうなら C1-1へ

 

 

 

 

 

 

B1-7

その戦士が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。酔っ払いの話なんてのはいつもそんなもんだ。

「一応聞いとくがまさかテメェ、体力が少なくなったら律儀にパラグラフを順々に後戻りして村まで戻ったりしてねぇだろうな? ナニぃしてるだァ? ガッハッハ! これは融通の利かねぇコンピュータゲームじゃねぇんだぜ。なーに言われるままにお利口サンしちまってんだよ!」

「いいかぁ、ゲームブックのイイところはな、好きなように自己流で手順を端折って楽にゲームを進める工夫ができる点よ。よっく思い返してみろ。あそこのダンジョンでの帰り道で、何か戦わなきゃいけねぇ魔物とか出てきたか? どこかで運試しクリアしなきゃなんねぇトラップとかあったか? なーんもねぇだろ? そーいう事が判りゃぁな、もう次からはテメェで勝手に途中の手順をポーンと省略しちまえばいいのさ。具体的にどうすりゃいいのかだって? そんなん決まってらぁ! 目次の直リンを開いて村の入口、B1-1に一発ジャンプすんだよ。ガハハハ!」

「反則だぁ? こんなのまだカワイイ方さ。手癖の悪いヤツなんかな、体力足んねぇなと思ったらそのまま村へ『帰った事』にして、その場で体力も術力も即全回復の無限エリクサー方式で、そのままシレッと探索を続けちまうらしいぜ。効率化もそこまでいくと呆れるしかねーよな、ガハハハ!」

→マッピングのコツについて聞くなら B1-6へ
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B1-8

その戦士が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。酔っ払いの話なんてのはいつもそんなもんだ。

「戦闘なぁ……、これでもかなりシンプルにまとめたつもりらしいんだが、それでもまだ複雑だー、メンドイー、なんて言うヤツがいたらな、どうぞ戦闘はフリー完勝にして勝手に遊んでくださいませってんだチキショーめ! ウィ~、ヒック!」

「おっと飲み過ぎたかな。気を取り直してここからは真面目に教えてやろう。いいか、このゲームでの戦闘は知ってのとおりお互いパーティの総力戦だ。両方の攻撃力守備力を比べ合って、ターンごとに決まった体力を削り続けてって、先に落ちた方が負け。それだけだ。サイコロ次第な運要素なんかは一切ネェ。裏を返せば、事前の初期設定だけで勝つか負けるかの結果は自動的に先読みできるとも言える」

「だから戦い始めてダメージ食らって、あぁやっぱ勝てねぇや逃げよう、なーんて真似はド素人よ。冒険家たるもの、相手の力量は戦う前にちゃんと正確に見極めなきゃ、ムダに命を削ってくだけってモンだぜ。先の展開をしっかり読み、勝てるなら戦う、負けるならとっとと逃げる、一にも二にもこれに尽きるぜ。どうしても勝ちたきゃ、その敵に勝てる装備や戦術は何かをよーく考えて作戦を練るんだな」

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B1-9

その戦士が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。酔っ払いの話なんてのはいつもそんなもんだ。

「今更パーティ編成について聞きてぇだって? ったく人が1度決めた職業なんてそうそう変えられる訳ねぇだろうが。でもまぁ、いわゆる『来世』ってヤツもあるだろうしな……。よし、一応聞かせるだけは聞かせといてやる。次に人生やり直す時の参考にでもしとけよ」

「知っての通り、このゲームのキャラクター4人の職業は、テメェが選ぶ選択肢によって自由にいじくりまわす事が可能だ。やりたきゃ全員戦士とか、全員魔術師とかの変則パーティで挑戦するのも面白いかもしれん。クリアできるかは知らねぇぞ? さすがに全員聖職者ってぇのは火力が低すぎてお勧めしねぇけどな」

「決め方のコツを教えてくれだって? そうだなぁ、なんつっても4人中唯一のアドバンテージがあるグラムの職業をどれに選ぶかがカギだろう。戦士にすりゃ鉄壁な体力とラージシールドが初期から手に入り、敵の攻撃も相当防げるからな。魔術師にしてもいい。雷神のワンドによるライトニングプラズマが要所要所で強力だ。聖職者も悪くないぞ。序盤は決め手がなくて苦労するかもしれんが、体力の回復量が多いのが強みだし3階のゾンビどもをホーリーで一掃できるのも楽チンだ。意外なショートカットもできるかもしれんしな」

「グラムが決まったら、あとはそっから足りない職業をテメェら若けぇのドングリ3人組が補ってくんだ。戦士グラムの場合はそうだな、戦士・聖職者・魔術師の普通のバランス型でいいんじゃねぇか。逆に魔術師グラムなら、戦士・戦士・聖職者ってトコか。聖職者グラムだと戦士・戦士・魔術師……うーん、あるいは戦士・魔術師・魔術師ってのも意外とアリかもしれんな」

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B1-10

君は大量の金貨を勘定していた眼鏡の青年に声をかけた。どうやらさっきまでやっていたギャンブル勝負に大勝ちしたらしい。君が駆け出しの冒険家であると告げると、青年は自分を聖魔術研究家だと名乗った。
セイマジュツケンキュウカ? 君の頭にハテナマークが浮かぶ。聞けば彼自身に術を使う才能はないが、基本的な術のノウハウや様々な術の効果についての研究を進めているらしい。まだまだ術についての知識が乏しい君。ここはぜひともいろいろ聞いておきたいところだ。

→聖職者について聞くなら B1-11へ
→魔術師について聞くなら B1-12へ
→聖術系の効果について聞くなら B1-13へ
→魔術系の効果について聞くなら B1-14へ

 

 

 

 

 

 

B1-11

その青年が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。学者様の小難しいお話なんてのはいつもそんなもんだ。

「回復聖術を使う聖職者は、言ってしまえばパーティのエネルギータンク役です。戦闘で減ったパーティの体力を回復させ、ダンジョン探索をできるだけ長く継続できるようにすることにあります。ですから純粋な戦力としてはとても期待すべきではないと割り切ってください。持てる武器の攻撃力も低く、盾も装備できないのですから」

「でも聖職者が1人もいないパーティで冒険に挑むなんて無謀もいいトコですね。単発の戦闘力は強くても、その後の体力回復がまるでできないんですからすぐに地上に戻らなきゃならないハメになる。まるでお腹を壊した人が何度もおトイレに駆け込むみたいに……ってオット、周りの皆さんはお食事中でしたね。私としたことがこれは失敬♪」

「まとめると聖職者はパーティには1人いれば充分。2人も3人も重複させる必要はナシ。でも1人もいないのも厳禁。そんなカンジの立ち位置になりますかね」

「ちなみにヒーリング系の回復聖術は≪※敵の前では使用不可≫という特殊な制限がありますからお忘れなく。これは詠唱とその効果には非常に長い時間を要するから、という設定としてご理解くださいね。ですので戦闘中はもちろん、敵に遭遇した直後ももう使えません。あくまで体力の回復は戦闘が終わって静かになった平常時のみです。ですから、まだ大丈夫だと回復をケチッてたら急に強敵に出くわしてギャー! なんて危険もありますから、あなた方初心者は何はなくとも戦闘終了後はヒーリングで完全回復を徹底すべし、ですよ」

→魔術師について聞くなら B1-12へ
→聖術系の効果について聞くなら B1-13へ
→魔術系の効果について聞くなら B1-14へ
→ベテラン戦士風のヒゲ男にも声をかけるなら B1-5へ
→酒場を出て武器屋へ行くなら B1-2へ
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B1-12

その青年が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。学者様の小難しいお話なんてのはいつもそんなもんだ。

「攻撃魔術を使う魔術師は、主にパーティの攻撃力を押し上げて戦闘を有利にするのが仕事です。ずっと剣が使える戦士とは違い、魔力が尽きてしまえば途端に役立たずと化すのが欠点ですがね」

「でもその分、魔術を使った際の攻撃力の増加は戦士のそれよりも断然上です。防御も担う戦士に比べると、完全に攻撃役に特化した職業と言えますね」

「で、繰り返しの説明になりますがあくまで本作での術の使用は、戦闘前の準備フェーズにて1回分の消費術力を減らしておくだけでOKですよ。単発っぽい攻撃魔術であっても、永続っぽい補助聖術であってもどれも同じです。くれぐれもかかったターンの回数分、術力を減らしていくなんて余計な手間はなさらないように。例えば消費魔力:1のファイアボールの場合なら、その戦闘中のパーティ攻撃力は戦いが終わるまでずうっと+5のまま、そして減らす魔力はかかったターン数に関係なく-1だけになります」

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B1-13

その青年が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。学者様の小難しいお話なんてのはいつもそんなもんだ。

「聖術の効果一覧をアナタにお教えしましょう。このパラグラフには画面左上のブックマークをつけておいて、戦闘中に迷ったら頻繁に見返すといいですよ」

 ☆ヒーリング
 (消費聖力:1 パーティ体力+10)
 (※敵の前では使用不可)
 ☆☆ハイヒーリング
 (消費聖力:2 パーティ体力+30)
 (※敵の前では使用不可)

「回復系の聖術です。使えば魔物との戦いなどで減ったパーティ体力を復活させる事ができます。ただし決められている最大パーティ体力の上限は超えられませんよ。後もう1つの戦闘途中では使えないというルールもお忘れなきよう。敵はあくまで現存体力の範囲内だけで打ち倒さなければならないのです」

 ☆ホーリー
 (消費聖力:1 アンデッドの回復体力-3)
 ☆☆ハイホーリー
 (消費聖力:2 アンデッドの回復体力-10)
 ☆☆☆ホーリーレイ
 (消費聖力:3 アンデッドの回復体力-40)

「アンデッドの超回復を抑えるのに有効な浄化系の聖術です。超回復の手順は大丈夫ですか? 通常のターン終了後に敵の体力が残っていれば、次のターンが始まる前に敵の減った体力が回復するんですよ? この時の回復量を抑えてしまえるのが、これらの浄化の聖術の効果です」

「超回復の数値分こちらの攻撃力がさっ引かれる、ではないことに注意してくださいね。あくまで攻撃後に減った敵体力の回復ですよ。例えば敵の体力が10で、こちらが与えるダメージも10だった場合、攻撃が通った時点で敵パーティの体力はゼロとなり、そこで戦闘は終了します。だから敵の回復力が+50とか100とかだったとしても、全く勝機がないわけではないのです。アンデッドが死んだという表現も変ですが、とにかく死んだ敵までは超回復はしませんから、その点はお間違えなく」

→聖職者について聞くなら B1-11へ
→魔術師について聞くなら B1-12へ
→魔術系の効果について聞くなら B1-14へ
→ベテラン戦士風のヒゲ男にも声をかけるなら B1-5へ
→酒場を出て武器屋へ行くなら B1-2へ
→酒場を出て防具屋へ行くなら B1-3へ
→買い物を終え、再びダンジョンへ向かうなら C1-1へ

 

 

 

 

 

 

B1-14

その青年が話す端々には聞いた事もない妙な単語が混じっていたが、君は黙って聞き流す事にした。学者様の小難しいお話なんてのはいつもそんなもんだ。

「魔術の効果一覧をアナタにお教えしましょう。このパラグラフには画面左上のブックマークをつけておいて、戦闘中に迷ったら頻繁に見返すといいですよ」

 ★ファイアボール
 (消費魔力:1 魔術攻撃力+5)
 ★★★メルトストーム
 (消費魔力:3 魔術攻撃力+10)

「最も初歩的な炎系の攻撃魔術ですね。魔術の中では攻撃力は最下級です」

 ★アイスアロー
 (消費魔力:1 魔術攻撃力+6)
 ★★★ダイヤモンドダスト
 (消費魔力:3 魔術攻撃力+12)

「炎系より少し強い、氷系の攻撃魔術です。ちなみに本作には炎の魔人には氷系が効果バツグンだとかのいわゆる属性効果までは残念ですが盛り込まれてはおりませんのであしからず。どの魔物が相手でも魔術攻撃力は同じ値を扱います。少々雰囲気に欠ける話ですが、そこはどうかご勘弁を」

 ★サンダーボルト
 (消費魔力:1 魔術攻撃力+7)
 ★★★ライトニングプラズマ
 (消費魔力:3 魔術攻撃力+14)

「更に強力な雷系の攻撃魔術です。ライトニングプラズマは雷神のワンドがあれば使えますが如何せんお高いのであなた方のような貧乏……いや失礼、稼ぎ初めの初心者さんにはまず手が出せないかと。まぁ今日のところは参考程度に……って、え、持ってらっしゃる?」

→聖職者について聞くなら B1-11へ
→魔術師について聞くなら B1-12へ
→聖術系の効果について聞くなら B1-13へ
→ベテラン戦士風のヒゲ男にも声をかけるなら B1-5へ
→酒場を出て武器屋へ行くなら B1-2へ
→酒場を出て防具屋へ行くなら B1-3へ
→買い物を終え、再びダンジョンへ向かうなら C1-1へ

 

 

 

 

 

 

C1-1

君らパーティは斜め下に長く続く坑道を奥まで進み、やがて地下1階となるダンジョンのフロアへと足を踏み入れた。カビ臭くてよどんだ空気が、ツンと君の鼻の奥を突く。これが長年憧れてきた冒険家の活躍の場、ダンジョンなのか……。
だがそんな君の初めての感動を余所に、先輩であるリカルドとミランダの2人は慣れた様子で通路を奥に手前にと行ったり来たりしつつ、何やら調べものを始めだした。

「行ってきたぜミランダ。真っ直ぐ一本道、向こうの突き当たりまでは、7ブロックだ」

「オッケー、じゃ西と南が岩盤だから、ここがフロアの南西端って事で通路は東に7ブロック……ね」

「木の扉が通路の西から3ブロックめと6ブロックめの北壁にそれぞれ1つずつ。それと突き当たりの東には鉄の扉だ。当然鍵付き」

「うーん、最初っから結構分かれてるのね。とりあえずは木の方から順に調べていきましょうか」

ブロック? 突き当たり? 木の扉? あのぅ……、えーっと……??
2人の話している内容がさっぱり判らない。君が困っていると、グラムが説明してくれた。

「あれはマッピングのための情報を集めているところだ。ダンジョン攻略には一にも二にもマッピング。勘だけで適当に進んでいては、進むどころか無事に地上へ帰る事すらも適わんからな」

なるほど。これが噂のダンジョン攻略のための地図作り、いわゆるマッピングってやつか。グラムはこのまま君にマッピングの基礎を教えてくれると言うが、どうする?

→素直にグラムの教えを聞くなら C1-2へ
→もう知っているので先を急ぐなら C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C1-2

グラムは懐からコンパスを取り出すと手の平に乗せ、君に見せた。コンパスが指し示した先を北に合わせると、今、君らがいる通路は東側と西側に向かって一直線に伸びているものだと判る。という事は通路の左右にある壁は南側と北側なわけだが、その材質は南北でまったく異なっていた。北側の方は、大小の石が隙間なく積み上げられた人工的な石造りの壁だった。だが南側のそれは、地下の土をそのまま掘ったきりといった、むき出しの岩盤のままになっていたのだ。

「この岩盤が、ここがフロアの一番外側だという印だ」

ぺたぺたと、その南側に位置する岩盤を叩きながらグラムが言う。

「いいか良く覚えておけ。魔物が作ったこういう地下ダンジョンには、なぜか必ず一定の決まりがあるのだ。それが……」

「1フロアが決まって東西8ブロック、南北8ブロックの正方形の構造をしてるって事よ。あ、ちなみに1ブロックってのはこの通路の横幅いっぱい、だいたい5メートルの長さの事ね」

ひょいと横から顔を出したミランダが、君らの会話に割って入ってきた。真上から見た地図を書くと、ちょうど縦と横がどちらも8ブロックの長さの真四角の形になるのだそうだ。

「これはどこのダンジョンでも大概いっしょ。魔物も結構几帳面なトコあるみたいね。で、その8×8ブロックの一番外周がいつもこんな感じのゴツゴツの岩盤のままになってるから、それでここがフロアの端っこだってすぐ見分けがつくワケ」

ミランダの言葉に何となくうなずく君。とそこへリカルドも加わってきた。ミランダの手書きのマップを手に取ると、ひらひらと君の目の前でちらつかせてくる。

「まだイマイチ判ってねぇって顔だな。ほらコレ、ともかく見た方が早いだろ?」

                  北
    1   2   3   4   5   6   7   8
  ┏ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┓
 1┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
  ┣   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ┫
 2┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
  ┣   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ┫
 3┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
  ┣   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ┫
 4┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
西 ┣   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ┫東
 5┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
  ┣   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ┫
 6┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
  ┣   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ╋   ┫
 7┃ ?   ?   ?   ?   ?   ?   ?   ? ┃
  ┣ ━ ┻ ━ ┻ ◇ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ◇ ┻ ━ ╋   ┫
 8┃ ↑                         ◆ ? ┃
  ┗ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┛
                  南
 (↑:上の階へ ◇:扉 ◆:鍵付き扉 ?:未踏部分)

「この?マーク以外の部分が、今んとこのオレらが判ってる範囲さ。ほらココ、マップの左下に上向きの矢印が書いてあんだろ? ここが今のオレらがいる場所だ。この上向き矢印が、上の階へ行ける場所ってマークになってるからな。それと壁の途中に挟まってるこの白黒のひし形が扉を示してるんだ。白いのが普通の木の扉で、黒いのが鍵が必要な鉄の扉だ」

ふぅん。リカルドでも一応知ってる事は知ってるんだな。

「でもとは何だ……ってまぁいいや。でだ、ついでにどうしてすぐにここがフロア南西の端っこだと判ったかも教えてやろうか? それはだな、ここの西側の壁と南側の壁が両方とも岩盤だっていうからだよ。そういう場所はココ、マップの左下角の1ヶ所しかない。そうだろ?」

なるほど、それでここがフロアの南西端だってすぐに判ったのか。うなずき納得した君に、ミランダがよくできましたと手を叩く。

「こんな感じでね、マッピングっていうのは得られた情報から自分らのいる座標を推理して埋めていく作業なのよ。パズルみたいで楽しいでしょ?」

座標かぁ……。なんだか難しそうな響きだけど、俺にもできるかな。

「不安? じゃあこうしましょう。アタシとバルディンとでそれぞれ自分でマッピングを進めてくの。フロアを1階降りていく度に、お互いできたマップを見せあって答え合わせをしていきましょ。そうやって段々とバルディンもコツをつかんでいくといいよ」

それはありがたいです。ぜひよろしくお願いします。

「おいおーい、オレ様の指導の時とずいぶん態度が違うんでないの? バルディンちゃんよ~」

ほっとけ。俺は頼れる先輩にはきちんと敬意を払う主義なんだよーだ。

「よし、そろそろレクチャーは済んだか? じゃ先を急ぐとするぞ」

グラムの一声で皆はダンジョンの探索に戻る。君はもう1度改めて、周囲から見て取れる情報を確認してみる事にした。
君らパーティは今、東西に伸びる7ブロックの通路にいる。通路の東側と北側の壁が人工的な石壁、西側と南側の壁が一面の岩盤になっている。通路の一番西端のブロックには、地上へと帰れる上りの坑道がある。通路の一番東端の突き当たり、東側の石壁には鍵の掛かった鉄の扉がある。通路の西から3ブロックめに当たる北側の石壁には、木の扉がある。同じく通路の西から6ブロックめの北側の石壁には、同じような木の扉がある。

「さぁてどうするバルディン。どの扉を開けて入ってみるか、まずはお前が決めてみろ」

→西から3ブロックめ、北側の木の扉を開けてみるなら C1-3へ
→西から6ブロックめ、北側の木の扉を開けてみるなら C1-4へ
→一番東側にある鉄の扉を開けてみるなら C1-15へ
→上りの坑道からダンジョンを出て、一旦村まで戻るなら B1-1へ

 

 

 

 

 

 

C1-3

君はその扉に手をかけた。キィィィ。乾いた音をたててゆっくりと扉が開く。何か月も、何年もそのままだったのだろう淀んだ空気をかき分けて、君は慎重に中へと入ってみた。松明の炎を掲げて奥の様子をうかがうも、そこはかなり広めの部屋のようだった。コンパスで方角を確認しつつ、君は恐る恐るに部屋の外壁を一回りして広さを目算してみる。
東西の壁の長さは4ブロック、南北の長さは7ブロックといったところだろうか。西側と北側の壁が一面の岩盤になっているので、ここがフロアの北西端に位置している部屋だと判る。君らが入ってきた木の扉は、部屋の南壁の西から3ブロックめの場所にあった。
部屋にはいくつかの宝箱が転がってはいたが、そのほとんどがすでに開けられ中身はカラッポのままだった。だが君は、かろうじてまだ蓋が閉じたままだった宝箱を部屋の真ん中に1つ見つける。君は後ろにいたグラムを振り返ったが、彼は何も言わずに黙って君を見つめるのみ。リカルドとミランダも同じく手を出そうとはしない。どうやらここは君に任せるという判断らしい。

→宝箱を開けてみるなら C1-6へ
→開けずに部屋を出るなら C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C1-4

こっちの扉の向こうには、いったい何が……。君は扉を開け、恐る恐るに奥を覗きこむ。静かだ。動くものの気配はまったくない。左手に持った松明の炎を掲げて様子をうかがう。かなり広めの部屋のようだ。コンパスで確認しつつざっと広さを目算してみる。
東西の長さは4ブロック、南北の長さは7ブロックといったところだろうか。東側と北側の壁が一面の岩盤になっているので、ここがフロアの北東端に位置している部屋と判る。君が今入ってきた木の扉は、部屋の南壁の西から2ブロックめの場所にあった。
部屋は中央に小さな祭壇があるだけで他には何もなかった。その上には宝箱が1つ置かれている。祭壇の方はボロボロに壊れかけていたが、上の宝箱はと言うとこちらはボロどころか今朝磨かれたばかりのようにピカピカに光り輝いていた。君は中身の豪華さに思いをはせる。これは開けてみるしかないだろう。

→宝箱を開けてみるなら C1-7へ
→開けずに部屋を出るなら C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C1-5

君らパーティは今、地下1階の通路にいる。東西に伸びる7ブロックの通路で、西側と南側が岩盤だ。一番西側のブロックには外へと戻れる上への坑道。一番東側の壁には鍵の掛かった鉄の扉。西から3ブロックめの北壁には木の扉。西から6ブロックめの北壁にも、同じような木の扉がある。

→西から3ブロックめの木の扉へ入ってみるなら C1-3へ
→西から6ブロックめの木の扉へ入ってみるなら C1-4へ
→東の鉄の扉まで行ってみるなら C1-15へ
→上りの坑道からダンジョンを出て、一旦村まで戻るなら B1-1へ

 

 

 

 

 

 

C1-6

君は慎重に宝箱を開けてみた。罠の類は特になかった。しかし中身もまたカラッポだった。なーんだ、こんな思わせぶりに置いとかれてたのにスカか。つまんねぇの。

「寂れて随分と久しいダンジョンだ。こんな低階層の宝箱など、とっくの昔にコソ泥が漁り尽したに決まっとろうが」

言われてみればそうか。君はなおも部屋を見回したが、やっぱり他に未開の宝箱は見当たらない。どうやら無駄足だったようだ。君らパーティは部屋を出て、外の通路へと戻っていく。

C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C1-7

「よーし、こいつはオレに開けさせてくれよっ♪」

横からリカルドが割り込んできた。よくよく確かめもせずに乱暴に宝箱を開けようとする。

「ギャー!! 痛ててイテテ痛てぇーッッ!!」

リカルドの手が宝箱にガブリと噛み付かれた。あいつは宝箱に擬態した魔物、ミミックだったのだ。これにより君らパーティは敵からの先制攻撃を受けた。

現在のパーティ体力から【体力ダメージ:2】を減らすこと。

「アンタってホンっと、期待を裏切らない性格してるよねー」

大騒ぎするリカルドにミランダが呆れた顔で言い放つ。

「まったくだ。悪い見本としてこれほど役立つ奴もおらんな」

グラムも同じく、どこ吹く風だ。慌ててリカルドを助けようと駆け寄ったのは、君1人だけ。

「痛てて! イテーよバルディンもっと優しく取れよ!」

「さぁてと、では都合よく魔物も現れた事だし、ワシらはここで基本的な戦闘の手順について説明しておくか」

「一応アタシは知ってますけど、初めてのバルディンと読者の皆さんのためにも先生ひとつよろしく♪」

あっけに取られる君とリカルド。この状況でいったい何が始まるというのだろうか。

→このまま戦闘手順についての説明を聞くなら C1-8へ
→すでに知っているので飛ばしてミミックと戦うなら C1-14へ

 

 

 

 

 

 

C1-8

「ではちょうど先制ダメージも受けた事だし、まずはもっとも重要なパーティ体力の扱いについてから始めるぞ。本作は複数メンバーによるパーティRPGものの体を成しているが、体力、いわゆるHPの値はパーティの全員分を足し合わせた総合値【パーティ体力】1つで常に一括管理していくようになっている」

「誰が何ダメージ受けた、誰の残り体力はいくつ、とかの面倒な個別管理はしなくていいって事ですよね」

「そうだ。魔物からの攻撃はもちろん、トラップや先ほどのような奇襲の場合でも、パーティ内の余裕のある者から率先してダメージを受けていくからな」

「全員でかばい合い、全員で耐え抜くっていう設定ですね」

「設定って……。まぁ故にだ、本作では途中で誰かが1人死ぬという事態は決して起こらん。それが例えパーティ体力が残り1の危機的状態だったとしてもだ。最後の最後でパーティ体力がゼロになった時、それがワシら全員が同時にアウトでゲームオーバーとなってしまう瞬間となる」

「ちょっと不自然かもしれないけど、これもアナログなゲームブックの性質がゆえの処置ですよね。キャラを個別に死亡か生存かをいちいちチェックしてたら要所要所の会話シーンの処理がメンドいし、何より読み進めるテンポが乱されちゃうし」

「またキャラとかメンドいとかそういう……ってゴホン、つまり体力については何をどうすればいいかと言うとだな。最初にワシら4人の職業を決めて各自のパラメータをそれぞれチェックシートに書いておいただろう。そこにある【体力】の数値、これを4人分全部を足し合わせるんだ。これが自分の組んだパーティが回復できる限界の体力値、すなわち【最大パーティ体力】となる。まずはこれを計算してチェックシートにメモっておく事だ」

「えーっと、アタシのパーティは戦士、戦士、聖職者に先生が魔術師ですから……、8、8、5、8で合計【29】になりました」

「よろしい、それがお前の最大パーティ体力だ。中には全員を戦士で固めた体力44の強者パーティもあるかもしれんな。まぁ、そんな極端な構成でクリアできるように作ってあるかまではワシも保証しかねるぞ。では次だ。先ほどリカルドがマヌケにもミミックに噛まれた分、【体力ダメージ:2】というのがあっただろう。あれが敵の先制攻撃やトラップなどといったイベントで主に発生する体力ダメージの値だ。これを敵との戦闘前に忘れずに引いておかなければならない」

「【最大パーティ体力:29】から2を引いて【パーティ体力:27】っと……。コレでいいんですよね?」

「うむ。ちなみに繰り返すが、このパーティ体力がゼロになった時点が問答無用のゲームオーバーだ。コンピュータゲームのような便利なセーブ機能などはついとらんから、本来ならば本を閉じて最初からやり直してもらうのが通例ではあるのだが……」

「今ドキそんな堅苦しい事言ってたら、せっかくのお客さんに逃げられますよ。ただでさえ娯楽過多で競争も激しい時代なのに」

「判っとるわい。だからこそ、村への帰還時などの適切なタイミングでチェックシートのデータを丸々コピーしておき、それを再開時にセーブデータとして使ってもよいと、わざわざ現代読者向けに明言しているんじゃあないか。今なら便利なスマホのカメラ機能とかいうのもあるんだろう? そんな感じで各々が工夫を凝らし、挫けずに最後まで遊んでくれる事を切に願うぞ。ではこの次のパラグラフでは、このまま実戦処理の解説へと移ろう」

「まだやるのー! 師匠ォー、それ必要? それイマ必要ォ?!」

C1-9へ

 

 

 

 

 

 

C1-9

「ここでは具体的な敵との戦闘の手順について説明するぞ」

「また無駄に複雑なサイコロバトルですか?」

「いいや、サイコロは一切使わんでも遊べるようにした。ゲームの主軸はあくまで2Dマッピングの探索遊びに絞りたかったんでな。オマケである戦闘要素はなるべくシンプルに片づけられるよう心掛けてみた、つもりだ」

「つもりねぇ……。その割には攻撃力に守備力、魔術使用によるMPリソースの管理なんかも漏らさず盛り込んでありますけど」

「シンプルとはいえ、やはり一通りのパーティRPGのお約束事は外したくはなかったのでな。ではさっさと解説いくぞ。戦闘進行の処理そのものは極めて単純だ。敵味方がお互いに毎ターン同時に殴り合って、どちらかのパーティ体力がゼロになるまで削り進めていくだけで終わり。最初に戦術を決めたら、あとは決着までずっとオートバトルのままだ」

「『危ないからここでホイミ!』とか『このタイミングで防御を!』とかのマニュアル操作は一切ナシなんですね」

「ない。読者の処理が面倒になるだけなのでバッサリやめた」

「それでその、さっき言ってたターンごとの削り合うダメージ値の算出方法は?」

「ただの引き算だ。≪攻めるパーティの総攻撃力-守るパーティの総守備力≫この値だけで決まる」

「確かに単純ですね。じゃ例えば、味方の攻撃力が【7】で敵の守備力が【3】だったとしますよね。すると≪7-3≫で【4】。1ターンで削れる敵の体力は【4】で合ってますか?」

「その通りだ、合ってるぞ。だがその際、敵側も同じくこちらへ攻撃を仕掛けてくるから、同様に敵側のダメージ値も算出して自分パーティの体力も削っていかねばならんのを忘れるなよ」

「ところで攻撃を仕掛ける順番は? いつも自分側が先攻扱いって事でいいんですか?」

「違う違う、さっき同時と言っただろう。本作ではターン制とはいえ先攻とか後攻とかの概念はないんだ。敵味方の攻撃はすべて同時の一斉処理でやってもらう」

「つまり敵にトドメを刺すラストターンでもきっちりこちらもダメージを受けるから、いわゆるダブルノックダウンもありえるって事ですね」

「そうだ、最後まで油断するんじゃあないぞ」

「じゃもう1つ質問いいですか? 敵の守備力の方がこちらの攻撃力を上回ってた場合は?」

「ノーダメージだ。最低1ダメージ扱いとかもナシ。攻撃は一切通らん事になる」

「厳しいですねー」

「そんな状況では勝てる見込みはゼロだから、諦めて逃げる他はないぞ。そういった場面はこの先思いの外多く出てくるから覚えておくようにな」

「でもこれも裏を返せば、弱い敵が相手ならこちらは一切ノーダメージで完勝できるって事ですもんね。まぁ良し悪しかも」

「あのーミランダさァーん? オレーいま腕からすげー血がドクドク出てんですけどぉー? ねぇー気づいてる? 気づいてるよねぇ?」

C1-10へ

 

 

 

 

 

 

C1-10

「では次は総攻撃力・総守備力の出し方について説明しようか。ワシら4人は今、様々な職業についており、銘々に武器、そして防具を身に着けているはずだな」

「はい。まずはそこから全員の武器や防具の強さを見るんですね。アタシが決めたパーティは、戦士・戦士・聖職者・魔術師だから……」

「ショートソードが2本、メイスが1本、雷神のワンドが1本とあるな」

「ショートソードは+3、メイスは+1、雷神のワンドは+0か。これが武器の強さですね」

「そう、これらの数値を武器攻撃力と呼ぶ。まずはその値を合計し、チェックシートに【パーティ武器攻撃力:〇〇】とあらかじめ書き込んでおくんだ。魔術師のワンドはゼロだから加算はされんぞ」

「判ってますって。アタシの例でいうと3+3+1=【7】だから、パーティ武器攻撃力は【7】になりました」

「この武器攻撃力の値はパーティの装備が変わらん限りずっと同じだから、いちいち計算せずともここからパッと持って来ればいい」

「これだけで攻撃力は終わりでしたっけ?」

「パーティが戦士系だけで固めてあればそうだが、魔術師がその魔術を使って攻撃に加わる場合にはここにもう1ステップ、使用する魔術の攻撃力の算出が入るな」

「魔力を消費して強力な魔術を発動! 魔術師の見せ場ですよね」

「魔術師や聖職者らが持つ魔力や聖力、これらを総じて術力と呼ぶのだがこの術力が残っている場合に限り、魔術師は自分の魔術を使える。その際さっきの武器攻撃力に新たに付加できるのが、【魔術攻撃力】だ」

「使えると言っても敵が弱かったら、術力温存のため使わなくてもいいんですよね」

「もちろんだ。武器攻撃力だけで敵を倒せるならそれに越した事はない。しかし魔術を使った場合の処理についてを次のパラグラフで教えておくぞ」

「師~匠ォ~? あのオレ~、貧血で段々気が遠くなってきてェ、すんげぇヤバい状態でェ……」

C1-11へ

 

 

 

 

 

 

C1-11

「魔術師や聖職者が使える術は、その者が戦闘中に装備している武器の種類で変わってくる」

「術者個人が術を習得するんじゃなくて、あくまで手にした武器で決まるって事ですよね」

「本作では簡略化のため、キャラクターの経験値やレベルの概念は取っ払ってしまっとるからな」

「魔物ならまだしも、普通の人間じゃ特定の媒介を通してでないと術は使えないっていう設定ですもんね」

「高価な上級武器でも持てば選べる術は2種3種と増えていくんだが、まだそれは先の話。という事でここでは初歩である炎のワンドを持って戦う場合で説明していくぞ」

「魔術師が攻撃魔術を使ってパーティの総攻撃力を上げようとするシーンですね」

「炎のワンドを持った魔術師が使えるのは、消費魔力:1の★ファイアボール。これを使うとさっきのパーティ武器攻撃力【7】にこのファイアボールの魔術攻撃力【5】を加算して、パーティ総攻撃力を【12】にできる」

「攻撃力アップ! これで倒せなかった敵にも勝てるようになります」

「1ターンごとに敵パーティに与えられるダメージ量も上がるから、当然、戦闘終了までにかかるターン数も減少するし、結果こちらが受けるダメージ量も抑えられる」

「いい事ずくめですね。でも、その分デメリットもあるんでしょう?」

「無論、戦闘で術を使用したならば、必ずその分の消費術力は使用者の現術力から引かねばならん。この値だけは体力とは違って術者ごとの個別管理になるから、そこは間違わんようにな」

「体力とは違って、術力の仲間同士での融通は利かないって事ですね。了解です」

「別に術使い放題の無双プレイといった自由な遊び方もワシとしては決して否定はせんのだが、ここはできればMPリソースの管理ゲームとしての醍醐味をぜひとも楽しんでもらいたいものだな」

「それでこれも一応聞いとくんですけど、術力に余裕があったら1回の戦闘で術者1人が同時に2つも3つも術を重ね掛けしていいんでしたっけ?」

「イカンイカン。それではとても戦闘のバランスが保てん。敵が襲い掛かってくるまでの詠唱時間は、常にどれか1つ分しかないと心得よ」

「はーい。だからみんなもサンダーボルトとライトニングプラズマのダブル掛けで一気に術攻+21だぜ~、なんてのは反則よっ♪ そうそう、ターン制の術使用っていうともう1つ重要な点がありますよね?」

「そうだな、そこが一番勘違いしやすいので特に念を押しておかんといかんだろうな。バルディンもよく聞いておけ。他の世界ではどうだか知らんが、この世界での鉄則は『1回分の術力を消費すれば、それだけでどんな術でもその効果は戦闘終了までの間、永続する』だ」

「1ターンですぐに消えたりしないの。つまり魔術攻撃力はずっと上げたままで戦ってていいって意味よ」

「長期戦になったとしても、必ずしもコンピュータゲームのように毎ターンかかったごとにMPを減らし続けていく必要はないんだ。イメージで言うとそうだな……、こう、1回分の詠唱を終えれば敵が全滅するまでの間は、ずっとファイアボールがワンドの先から連発され続けると、まぁそんな感じに捕えておいてくれ」

「実際にテストプレイしてみたら、想像以上に煩わしい作業でイヤになったんですってね」

「まったくだ。途中のターンでもう術力切れてたけど、あ~攻撃力戻し忘れてた~、とかが頻発したんでな。これも思い切ってヤメた。ま、おかげで他に例を見ない形になってしまったがワシはシンプルで気に入っとる」

「あの~、師匠ぉ? オ、オレ、向こうにお花畑が見えま~~っす……。あ、死んだバアちゃんだぁ……。わぁ~い……」

C1-12へ

 

 

 

 

 

 

C1-12

「これでやっと終わりですか?」

「いいやまだだ。反対の守備力の概念も忘れてはいかん」

「そっか、そっちもありましたね」

「せっかくの装備品ありありのRPGだ。強力な防具をゲットして、あの強敵の猛攻をがっつり防ぎきってリベンジする、そんな快感も味わいたかろうて」

「ですね」

「さて、攻撃力に関しては武器だの魔術だのと何かと要素が多かったが、こと守備力に至っては極々シンプルだ。パーティ全員分の防具の守備力の値を足し合わせる、これしかない」

「じゃ、守備力でもアタシのパーティの実例を出しときますね。アタシのパーティ、戦士・戦士・聖職者・魔術師だと……」

「スモールシールドの守備力+2が2つ、で合計【4】だな」

「これだけ? 意外と少ないですね。鎧とかないんですか?」

「ない。ヤメた。ヨロイ・タテ・カブト・コテと防具が3つも4つもなんてコンピュータゲームじゃあるまいしマジ勘弁。1人1つぐらいに絞っとかんと、とても管理しきれんわい」

「ですよねぇ。その辺がゲームブック作成上のジレンマでもあります」

「よって本作では体に身に着けるものについては、どんな職業であろうと一切変わりはナシだ。冒険家は誰もが標準的な動きやすい旅用の皮鎧に簡素な靴と籠手、それら一式をずっと変わらず愛用し続ける事とする」

「魔術師や聖職者であっても、みんながみんな同じ皮鎧姿なのはなんか絵的にムードない気もしますけどね」

「マンガやアニメじゃあるまいし、ここは大真面目にリアリティを追及した結果だと断言させてもらおうか。それに実際、挿絵を入れるともなると絵師さんが大層困るじゃあないか。こいつはゴテゴテな鎧戦士の姿で描くのか、それとも魔術師風なローブを着させとくのかと……」

「先生こそまたそんな昔からの業界事情を……、ってコホン。じゃあ最初の守備力の話に戻しますけど、例えば戦士が1人もいない聖職者や魔術師だらけのパーティだとしたら、パーティ守備力はゼロになるわけですか?」

「当然そうなるな」

「キツイですねー。そんなんで本当にクリアできるように作ってあります?」

「ウッ。ま、まぁそれで詰まったとしても、それはそういう極端なパーティにした読者の選択ミスであってだな……」

C1-13へ

 

 

 

 

 

 

C1-13

「ずいぶんと長くなってしまったが、ここらで基本的な戦闘処理についての説明は一旦区切りとするぞ。とにかく、敵味方の攻撃力・守備力のパラメータが決まれば、あとはターン制のぶつかり合い、体力の削り合いだ。参考資料として戦闘のデモプレイも載せておくから、ここで具体的な流れを確認してみるといい」

@@@デモプレイ@@@@@@@@@@@

◆ミミック 1体
【攻撃力:6 守備力:3 体力:10】

対武器、対魔術補正、回復能力はない。そのままのパーティ総力で戦え。

◇テストパーティ:戦士・戦士・魔術師・聖職者
 ※魔術師、★ファイアボールを使用【魔術師魔力:3→2】
 【パーティ武器攻撃力:7 術攻撃力:5 総合攻撃力:12】
 【パーティ守備力:4】
 【パーティ体力:27】

※テストパーティの攻撃ダメージ値算出:
 (パーティ攻撃力12)-(ミミック守備力3)=【9】
※ミミックの攻撃ダメージ値算出:
 (ミミック攻撃力6)-(パーティ守備力4)=【2】

⇒1ターンめ処理
  パーティ攻撃(ミミック体力10-9=1)
  ミミック攻撃(パーティ体力27-2=25)

⇒2ターンめ処理
  パーティ攻撃(ミミック体力1-9=ゼロ)≪戦闘終了!≫
  ミミック攻撃(パーティ体力25-2=23)

◇テストパーティ戦闘結果:
 【パーティ体力:27→23】
 【魔術師魔力:3→2】

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

「これでバッチリですね。でも先生、あそこの『対武器、対魔術補正、回復能力はない』って書いてある部分、アレがまだ……」

「アレはお前も知ってる通り、いわゆる敵の種類によってはというやつなんだが……、さすがにそこまでを1度で詰め込むと長くなり過ぎるので、残りは後回しだ」

「だと思った」

「いずれその様な魔物に出くわした時に改めて教えてやろう。よーし、ではそろそろリカルドの奴を助けてやるか。おーい、まだ生きとるかー、バカ弟子よーい」

「や、やっとですか師匠……。オレあの世で、バアちゃんの特製パンケーキ食ってましたよ……。美味かったな。ハハ……」

「あらゴメンなさい。それは起こさない方が良かったかしらね」

長々と続いたチュートリアルもこれにて以上である。ここから先は、読者の君が実際に戦闘処理を行っていってほしい。それでは改めて、先ほどのミミックとの戦闘シーンへと戻ろう。

C1-14へ

 

 

 

 

 

 

C1-14

君はリカルドの腕に食い付いたミミックを何とか引きはがすと、思いっきり遠くへと蹴飛ばした。ゴロンゴロンと床を転がっていくミミック。だがすぐにピョコンと起き上がると、鋭い牙が並んだ口をガバガバと開閉させつつこちらへ飛び掛かってきた。

◆ミミック 1体
【攻撃力:6 守備力:3 体力:10】

それでは戦闘を開始せよ。
対武器、対魔術補正、回復能力はない。そのままのパーティ総力で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:2】を減らした上で、南の扉から(C1-5)へ戻ること。

倒せたらパーティは、ミミックが吐き出した1つの鍵を手に入れる。それは星の紋章と数字の【1】が刻まれた、小さな鍵だった。

「このフロアの鍵を見つけたようだな」

拾い上げた君にグラムが言う。

「今後、同じ紋章の鍵穴を見つけたら、パラグラフジャンプをする事でその鍵を開けられるぞ」

え? ぱ、パラ……えぇっと?

「パラグラフジャンプ。今読んでいるパラグラフの番号に、特定の数字を足したり引いたりした新たな番号に、自分で移動して読み進めるという特別なアクションの事だ。文章の内容が無理なくつながっていればジャンプは成功としていい。くれぐれも意味がつながらないような、まったく別のパラグラフにジャンプして本の中を迷子になったりなどはするなよ」

え~、それってもしかして、自分で探して飛ばなきゃならないんですか~? メンドくさいなぁ。そっちもポチっとリンクボタンとかつけといてくれればいいのに。

「そんなモンがあったら、鍵のない連中でもすぐポチポチと先へと進んでしまうだろうが。それくらいの労はせんか。昔はみんなこうだったんだぞ」

出た出た、俺の時はこうだった自慢……。ハイハイ判りましたよっと。ま、kindleには便利な≪目次≫ページがあるんだもんね。それを開いて飛べばいっか。

【1と刻まれた星の鍵】を手に入れた。チェックシートに記入しておくこと。繰り返すが今後同じ紋章を見つけたら、その時いるパラグラフ番号にこの数字を足した先へパラグラフジャンプすることでその鍵を開けることができる。その際には手動でページをめくってもよいし、kindleの≪目次ページ≫を開けばそこから直接番号を選んで飛べるページにも行けるので、それを活用してもよい。

こうして部屋には他に何もないことを確認すると、君らパーティは外の通路へと出た。

C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C1-15

通路の東端、鉄の扉の前まで来た。だがその扉にはしっかりと鍵が掛かっており、どうやっても開かない。鍵穴の上には小さく【星の紋章】が刻まれていた。合う鍵を持っていれば、この項目からのパラグラフジャンプで開けることができる。まだ持っていなければこの扉は開けられない。どこかで鍵を探してこなければならないのだ。

「このように、鉄製の扉はだいたいが鍵付きだ。ダンジョン内をくまなく調べれば、きっと合う鍵は見つかるだろう」

「しっかし師匠~、なんでそんなモンがいつも都合よく用意してあるのかね~。敵さんも追い返したいんだか歓迎してくれてんだか」

「それを言うなリカルド。魔物にも鍵をなくして入れなくなるお前みたいなマヌケが多いからじゃあないのか、多分」

C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C1-16

ようし、コレはこうやって使うんだな。君は先ほど手に入れたばかりの、星の鍵を鍵穴に差して回してみた。
カチャリ。小気味良い音をたてて扉の鍵が外れる。やったぞ、成功だ。君はそのまま、重い鉄の扉をゆっくりと開けてみた。
バサバサバサッ! 途端に扉の隙間から何かが羽ばたき飛び出してきた。吸血コウモリの群れだ。1匹1匹は大した敵ではないが、数で襲われると厄介な事この上ない。

◆吸血コウモリ 7体
【攻撃力:7 守備力:3 体力:6】

それでは戦闘を開始せよ。
対武器、対術補正、回復能力はない。そのままのパーティ総力で戦え。
すでに囲まれてしまっているのでここでは逃げる事はできない。

倒せたらパーティは改めて扉の奥へと入ってみる。
中は1ブロック四方の狭い空間で、下へと降りる螺旋階段があった。東側と南側の壁が岩盤になっている。

「よし、これでこのフロアはクリアだな。この螺旋階段で次の地下2階へと進めるぞ」

まずはおめでとう。君はここに第一関門を突破したのだ。この調子でフロアを下へ下へと進んでいこう。繰り返すがこのダンジョンのクリア目標は、地下5階の魔王の玉座までたどり着く事である。

→螺旋階段を降りて下階まで行ってみるなら C2-1へ
→外の通路へと戻るなら C1-5へ
→降りる前にミランダとマッピングの答え合わせをするなら C1-17へ

 

 

 

 

 

 

C1-17

「初めてのマッピングどうだったかな、上手く書けた? ちなみにアタシのはこんな感じになったけどね」

                  北
    1   2   3   4   5   6   7   8
  ┏ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┓
 1┃               ┃               ┃
  ┣               ┃               ┫
 2┃               ┃               ┃
  ┣               ┃               ┫
 3┃               ┃               ┃
  ┣               ┃               ┫
 4┃               ┃       E       ┃
西 ┣               ┃               ┫ 東
 5┃               ┃               ┃
  ┣               ┃               ┫
 6┃               ┃               ┃
  ┣               ┃               ┫
 7┃               ┃               ┃
  ┣ ━ ━ ━ ━ ◇ ━ ━ ┻ ━ ━ ◇ ━ ━ ┳ ━ ┫
 8┃ ↑                         ◆ ↓ ┃
  ┗ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┛
                  南
 (↑:上の階へ ↓:下の階へ ◇:扉 ◆:鍵付き扉 E:敵)

「扉の向こうの部屋の広さ、きちんと把握できたかな? まさかスペースが余ったなんて事ないよね? それじゃ次の階も張り切っていってみよっか♪」

C2-1へ

 

 

 

 

 

 

C2-1

螺旋階段を降りた君らパーティは、地下2階へとやってきた。着いた先は部屋ではなく、西と北の方向に通路が伸びるL字路のちょうど角だった。通路の東側と南側の壁は、どちらもが一面の岩盤になっている。君は松明を掲げて通路の奥を覗き込む。
ここから西へ4ブロック進んだ先は、突き当たりで北へ折れるL字路になっているようだ。その突き当たり、西側の壁には木の扉があるのが見える。一方で、ここから北へ4ブロック進んだ先も突き当たりが西へと折れるL字路になっている。そこも同じく、その突き当たり北側の壁には木の扉が見えていた。
と、そこへ何やらぬちゃっと足元から伝わってくる、嫌な感触。水たまりのようだが、何やらジュゥジュゥと靴底からは変な音がする。慌てて飛びのいてみて驚いた。なんと靴底が軽く焼けただれているではないか。

「スライムの粘液だ。この階は、剣の効かない軟体生物のたまり場になっているらしいな」

勿体ぶった口調でつぶやくグラム。らしいなって、どうせ知ってたんでしょうが師匠、シラジラしいなぁ。

「ホレ、よそ見をするな、さっそくお出迎えだぞ」

見れば水色のブヨブヨした小さな塊が、通路の西からも北からも、両方からこちらへと近づいてくる。挟み討ちされた格好だ。逃げるなら今降りてきた階段を駆け登るしかない。

◆ブルースライム 4体
【攻撃力:7 守備力:2 体力:8】
≪対武器補正:-2≫

「まさかあんなので逃げたりしないでしょ? あれはブルースライム、スライムの中じゃ最下級の魔物よ。ああいう軟体生物との特殊戦闘ルール。まだよく知らないんならアタシが教えてあげよっか?」

武器を構えつつミランダが君に言った。

→まだ知らないのでぜひお願いします C2-2へ
→もう知ってるので丁重にお断りいたします C2-3へ

 

 

 

 

 

 

C2-2

「そうそう、素直が一番。先輩の言うことは大人しく聞いておきなさい」

◆ブルースライム 4体
【攻撃力:7 守備力:2 体力:8】
≪対武器補正:-2≫

ブルースライムの動きは遅い。まだしばらくはミランダからの説明を聞く余裕はありそうだ。

「いい? あそこにある≪対武器補正:-2≫っていうのが、軟体生物の特殊能力よ。ああいったブニョブニョの柔らかい体にはね、剣やメイスなんかの武器では大きく効き目が鈍っちゃうの。ゲーム用語で言うところの物理攻撃系のダメージが落ちるってやつね」

敵との距離に注意を払いつつ、ミランダはなおも続ける。

「ルールとしては戦闘の前に自分のパーティの武器攻撃力から、あそこにある対武器補正の数値分を減らさなきゃならないの。ちなみにこれは武器が錆びちゃったとかの永続的なペナルティとは違うから、この戦闘が終われば元の値に戻していいのよ。間違っても減らしたままなんかにしとかないでよ」

そうか、あくまでその場限りの特殊条件というやつですね。

「力自慢の戦士系パーティにもそれなりの弱点はあるってコトね。逆に魔術師系で固めたパーティならこういった敵には強いの。魔術による攻撃はこの補正の影響を受けないからね。例えば敵に≪対武器補正:-7≫があった場合、パーティの総合攻撃力が同じでも修正にはこんな差が出たりするのよ」

@例:≪対武器補正:-7≫を持つ敵と戦う場合

・武器攻撃力8+魔術攻撃力5=総合攻撃力【13】の戦士系パーティ
 ⇒武器の分が1にまで減って、総合攻撃力は【6】まで落ちる

・武器攻撃力3+魔術攻撃力10=総合攻撃力【13】の魔術師系パーティ
 ⇒武器の分がゼロになっても魔術攻撃力は影響を受けないので、総合攻撃力は【10】をキープ

なるほど。魔術師系のパーティは元々の武器攻撃力が弱いからそれほど落ちないのか。

「武器攻撃力がマイナスになることはないからね」

「へぇ、んじゃ戦士ばっかりのパーティじゃああいう奴らにはカラッキシ弱いって事かね、ミランダ先生?」

おどけた調子でリカルドが割って入ってきた。

「全然勝てないってわけじゃないかな、戦士1人1人の武器攻撃力が軒並みマイナス2されちゃうんじゃないから。要はトータルであの補正も軽く押し切れるほどのパワーがあればいいわけ。でも中には補正が10とか20とかの物理攻撃を全く受け付けないタイプの魔物もいたりするから、そいつらが出たら魔術に頼るほかないでしょうけど」

「ふーん。だったらオレ様は魔術師系でパーティ作り直そっかな~」

「別にいいけどその分守備力が落ちたり、逆に対魔術補正がある敵の時には苦労したりもするんだけど……ま、アンタでもすぐに判るでしょ」

C2-3へ

 

 

 

 

 

 

C2-3

「じゃ対武器補正の戦い方はOK? 魔術が使えるならくれぐれも出し惜しみはしない方がいいからね」

ブルースライムが目の前まで迫ってきた。君らパーティは銘々が武器を構えて戦闘に備える。

◆ブルースライム 4体
【攻撃力:7 守備力:2 体力:8】
≪対武器補正:-2≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対武器補正がある。パーティの武器攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:4】を減らした上で、螺旋階段を駆け登り(C1-5)まで戻ること。

倒せたらパーティはダンジョンの探索を再開する。
西と北、どちらの通路も今はシンと静まり返っている。とりあえずはどちらかのL字路まで行ってみよう。

→西のL字路まで行ってみるなら C2-4へ
→北のL字路まで行ってみるなら C2-5へ
→螺旋階段を登って上の階へ行くなら C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C2-4

ここは東と北の方向に伸びるL字路の角だ。南側の壁は一面の岩盤になっている。西側の壁には先ほど見えていた木の扉がある。さて何の部屋だろうか。耳を当てても中からは特に物音などは聞こえてこない。
通路はここから北へ4ブロック進んだ先で東西南北に分かれる十字路になっているのが見える。松明の灯が届くのはそこまでで、それ以降は暗くてよく見通せない。一方で、東へ4ブロック進んだ先には上りの螺旋階段があり、北へと折れるL字路になっている。あれは君らがこの階へと降りてきた階段だ。
東と北、今のところはまだどちらの通路も静かなままだ。通路を先へと進むか。それとも目の前の扉を開けて中へ入ってみるかを選んで進もう。

→西の扉を開けて中へ入ってみるなら C2-11へ
→東のL字路まで行ってみるなら C2-9へ
→北の十字路まで行ってみるなら C2-6へ

 

 

 

 

 

 

C2-5

ここは西と南の方向に伸びるL字路の角だ。東側の壁は一面の岩盤になっている。北側の壁には先ほど見えていた木の扉がある。さて何の部屋だろうか。耳を当てても中からは特に物音などは聞こえてこない。
通路はここから西へ4ブロック進んだ先で東西南北に分かれる十字路になっているのが見える。松明の灯が届くのはそこまでで、それ以降は暗くてよく見通せない。一方で、南へ4ブロック進んだ先には上りの螺旋階段があり、西へと折れるL字路になっている。あれは君らがこの階へと降りてきた階段だ。
西と南、今のところはまだどちらの通路も静かなままだ。通路を先へと進むか。それとも目の前の扉を開けて中へ入ってみるかを選んで進もう。

→北の扉を開けて中へ入ってみるなら C2-10へ
→西の十字路まで行ってみるなら C2-6へ
→南のL字路まで行ってみるなら C2-9へ

 

 

 

 

 

 

C2-6

東西南北、四方へと通路が伸びる十字路に来た。周囲はすべて石壁だ。東へ4ブロック進んだ先は南へ折れるL字路になっていて、北側の壁には木の扉が見える。突き当たりとなる東側の壁は岩盤だ。また、南へ4ブロック進んだ先も東へ折れるL字路になっており、西側の壁に木の扉がある。突き当たりとなる南側の壁は同じく岩盤だ。君が上り階段の場所まで戻りたいのであれば、このどちらかへ進むべきだろう。
一方で西と北の先はと言うと、その両方ともが3ブロック先で行き止まりとなっていた。突き当たりとなる壁は、そのどちらもが岩盤になっている。北の行き止まりには、通路を一杯に塞ぐほどの大きな岩がある。西の行き止まりには、北側の壁に頑丈そうな鉄の扉があるのが見えた。あれが次の階への階段がある部屋だろうか。

→東のL字路まで行ってみるなら C2-5へ
→西の鉄の扉まで行ってみるなら C2-7へ
→南のL字路まで行ってみるなら C2-4へ
→北の行き止まりまで行ってみるなら C2-8へ

 

 

 

 

 

 

C2-7

東に伸びるだけの行き止まりに君らは来ている。突き当たりとなる西側の壁は岩盤だ。しかしここの北側の壁には、鍵の掛かった鉄の扉があった。鍵穴の上には【月の紋章】が刻まれている。合う鍵を持っていれば、この項目からのパラグラフジャンプで開けることができる。まだ持っていないならば、ここから通路を東へと戻るしかない。その先は十字路だ。

C2-6へ

 

 

 

 

 

 

C2-8

※ここでのアイテムをすでに手に入れていれば、もうここには何もない。南の十字路(C2-6)まで戻ること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

北の行き止まりまで来てみた。突き当たりとなる北の壁だけが岩盤だ。先ほど見えていた岩に寄ってみる。それは上から鎖でつながれた吊り天井であった。おそらくは侵入者を撃退するためのトラップだったのだろう。しかし今は再び巻き上げてくれる者もなく、天井はただ落とされたままになっていた。そしてその石の下からにょっきりと突き出していたのが、すでに白骨化した人の腕の骨。

「あーあ、ドジって潰されちまったんだなァ。ナマンダブ、ナマンダブっと」

死体を前にしてもリカルドはいつもの調子で飄々としていた。そして更に不謹慎なセリフをさらっと言ってのける。

「で、どうする? この天井がひっくり返せりゃコイツの荷物から何か手に入るかもな」

ここではパーティ体力の値をチェックせよ。体力が≪26以下≫しかない非力なパーティならば、力が足りずにこのまま諦めて去るしかない。だが体力が≪27以上≫ある体力自慢のパーティならば、重い吊り天井でもなんとか全員で持ち上げて君らは死体の遺品である【ラージシールド】を手に入れる。

@ラージシールド(守備力+4)装備可能:戦士

パーティに戦士がいればここで装備していく事もできる(グラムは除く)。その場合は上記のデータでパラメータを書き換えること。特に必要ない場合でも、売却用のアイテムとして資金の足しにするといいだろう。

いずれにせよ、他に進む扉もなかったので君らは元来た通路を南へと戻っていく。

C2-6へ

 

 

 

 

 

 

C2-9

上の地下1階へと戻れる螺旋階段がある場所、西と北の方向に通路が伸びるL字路に君らは戻ってきた。東側と南側の壁は一面の岩盤だ。床には先ほど君らが倒したスライムの欠片がまだ残っている。しばらく警戒してはみたが、次なる新手が来る様子もない。早く次へと進もう。

→西のL字路まで行ってみるなら C2-4へ
→北のL字路まで行ってみるなら C2-5へ
→螺旋階段を登って上の階へ戻るなら C1-5へ

 

 

 

 

 

 

C2-10

※この部屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。南の扉から外の(C2-5)まで戻ること。 まだの場合に限り、このまま読み進めること。

扉を開けると、鼻をツンと突く酸の臭いが漂ってきた。その中はなんとブルースライムのたまり場になっていたのだ。床だけでなく壁からも天井からも、青い塊がずりずりとこちらへにじり寄ってくる。

◆ブルースライム 7体
【攻撃力:8 守備力:3 体力:11】
≪対武器補正:-4≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対武器補正がある。パーティの武器攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:4】を減らした上で、外の通路(C2-5)まで戻ること。

倒せたら君らパーティは探索を再開する。
ブルースライムの1匹が、体内に小さな鍵を取り込んでいた。君はそれを掴み出してみる。特殊な金属なのか錆びもなく普通に使えそうだ。鍵の柄の部分には数字の【7】、そして月の紋章が刻まれていた。

【7が刻まれた月の鍵】を手に入れた。チェックシートに記入すること。今後同じ紋章を見つけたら、その時いるパラグラフ番号にこの数字を足した先へパラグラフジャンプすることでその鍵を開けることができる。

戦いを終えた君は改めて部屋を見回す。ここは東西4ブロック、南北3ブロックの広さの長方形の部屋だ。東側と北側の壁が一面の岩盤になっている。出口は南壁の東端にある扉、つまりは今君らが通ってきたもの以外にはなかった。君らはそのまま南の扉から外の通路へと戻っていく。

C2-5へ

 

 

 

 

 

 

C2-11

※この部屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。東の扉から外の(C2-4)まで戻ること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

扉を開けたその先の部屋には、巨大なスライムが1匹だけいた。しかしその大きさや色は、通路で倒した青いヤツとは全くの別物であった。背の高さは君の胸くらいまでもあり、緑色に透き通ったゼリー状の体をフルフルと震わせている。ここまでデカいと、並の武器ではほとんど通用しないだろう。

◆グリーンスライム 1体
【攻撃力:10 守備力:4 体力:10】
≪対武器補正:-7≫

ここで職業チェックだ。今のグラムの職業は、次のうちどれだろうか。

→魔術師なら C2-13へ
→それ以外の戦士、聖職者なら C2-12へ

 

 

 

 

 

 

C2-12

その巨大スライムを前に、グラムが少しだけ眉を吊り上げた。

「ほぅ、ここも緑までが出るようになったか。こいつは見ての通り一筋縄ではいかん強敵だからな、自信がなければ潔く撤退するのも手だぞ」

◆グリーンスライム 1体
【攻撃力:10 守備力:4 体力:10】
≪対武器補正:-7≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対武器補正がある。パーティの武器攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:5】を減らした上で、外の通路(C2-4)まで戻ること。

倒せたらパーティは探索を再開する。
グリーンスライムの崩れた体内からは、ヤツが呑み込んだであろう様々な物が出てきた。ほとんどが酸でボロボロになったガラクタだったが、その中でキラリと輝きを放つ物もあった。金貨だ。

金貨【6枚】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

戦いを終えた君は改めて部屋を見回す。ここは東西3ブロック、南北4ブロックの広さの長方形の部屋だ。西側と南側の壁が一面の岩盤になっている。出口は東壁の南端にある扉、つまりは今君らが通ってきたもの以外にはなかった。君らはそのまま東の扉から外の通路へと戻っていく。

C2-4へ

 

 

 

 

 

 

C2-13

「どれ、こいつはさすがにお前らだけでは荷が重かろう。ワシの魔術の出番だな」

魔術師であるグラムが愛用の雷神のワンドを握り、大きく深呼吸をした。目の奥に少しだけ戦意の炎が宿る。ワンドの先から一瞬、また一瞬と強烈な閃光がほとばしっていく。強敵を前にどうやらグラムも久々に本気を出すつもりらしい。

魔術師であるグラムは今回の戦闘に限り、特別に下記の魔術が使えるようになる。使用する場合は消費術力の多さとその効果の違いに注意すること。

@グラム
職業:魔術師
装備:雷神のワンド(武器攻撃力+0)
    ★サンダーボルト
    (消費魔力:1 魔術攻撃力+7)
    ★★★ライトニングプラズマ
    (消費魔力:3 魔術攻撃力+14)

◆グリーンスライム 1体
【攻撃力:10 守備力:4 体力:10】
≪対武器補正:-7≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対武器補正がある。パーティの武器攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:5】を減らした上で、外の通路(C2-4)まで戻ること。

倒せたらパーティは探索を再開する。
グリーンスライムの崩れた体内からは、ヤツが呑み込んだであろう様々な物が出てきた。ほとんどが酸でボロボロになったガラクタだったが、その中でキラリと輝きを放つ物もあった。金貨だ。

金貨【6枚】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

戦いを終えた君は改めて部屋を見回す。そこは東西3ブロック、南北4ブロックの広さの長方形の部屋だった。西側と南側の壁が一面の岩盤になっている。出口は東壁の南端にある扉、つまりは今君らが通ってきたもの以外にはなかった。君らはそのまま東の扉から外の通路へと戻っていく。

C2-4へ

 

 

 

 

 

 

C2-14

ここは地下2階。東西、南北が共に3ブロック四方の広さをした正方形の部屋に来た。西側と北側の壁は一面の岩盤だ。
ここには特に敵の姿はない。いたって静かだ。
部屋の北西の隅には、下階へと降りられる螺旋階段があった。他には南壁の西端に鍵の掛かった鉄の扉があるが、ここへ来られたのなら君は合う鍵をすでに持っているはずだ。出たいのならばここではパラグラフジャンプは使わずに、下の選択肢からそのまま外へ出ること。

→螺旋階段を降りて下階まで行ってみるなら C3-1へ
→南の鉄の扉から外へ出るなら C2-7へ
→降りる前にミランダとマッピングの答え合わせをするなら C2-16へ

 

 

 

 

 

 

C2-15

着いた先は地下2階。東西、南北が共に3ブロック四方の広さをした正方形の部屋だった。周囲はすべて石壁で、扉は一切見当たらない。出口は部屋の南東の隅に開いている、大きな床穴だけだ。
部屋の北西の角には、壁にもたれて座った格好をした冒険家の死体があった。すでに白骨化したその手には、古びてはいるが豪華な細工の施された大きめのワンドが握られていた。魔術師だったのだろうか。それにしても立派なワンドだ。さぞ強力なものに違いない。君らはありがたくその遺品のワンドを拝借する事にした。
【灼熱のワンド】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

@灼熱のワンド(武器攻撃力+0)装備可能:魔術師
  ★ファイアボール
  (消費魔力:1 魔術攻撃力+5)
  ★★★メルトストーム
  (消費魔力:3 魔術攻撃力+10)

パーティに魔術師がいればここで装備していく事もできる(グラムは除く)。その場合は上記のデータでパラメータを書き換えること。特に必要ない場合でも、売却用のアイテムとして資金の足しにするといいだろう。

他には何もない事を確認すると、君らは元来た道を戻っていった。

C3-11へ

 

 

 

 

 

 

C2-16

「L字路とか十字路とか出てきたけどちゃんと書けた? それじゃ地下2階の答え合わせいくよー」

                  北
    1   2   3   4   5   6   7   8
  ┏ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┓
 1┃ ↓         ┃ 罠 ┃               ┃
  ┣           ┃   ┃               ┫
 2┃           ┃   ┃       E       ┃
  ┣           ┃   ┃               ┫
 3┃           ┃   ┃               ┃
  ┣ ◆ ━ ━ ━ ━ ┛   ┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ◇ ┫
 4┃                               ┃
西 ┣ ━ ━ ━ ━ ━ ┓   ┏ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┓   ┫ 東
 5┃           ┃   ┃ ?   ?   ? ┃   ┃
  ┣           ┃   ┣   ╋   ╋   ┫   ┫
 6┃           ┃   ┃ ?   ?   ? ┃   ┃
  ┣     E     ┃   ┣   ╋   ╋   ┫   ┫
 7┃           ┃   ┃ ?   ?   ? ┃   ┃
  ┣           ┃   ┗ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┛   ┫
 8┃           ◇                 ↑ ┃
  ┗ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┛
                  南
 (↑:上の階へ ↓:下の階へ ◇:扉 ◆:鍵付き扉 E:敵 罠:トラップ ?:未踏部分)

「このフロアでは説明文に『西へ4ブロック進んだ先に……』とかいう新しい表現が出てきたでしょ。前の地下1階の時とは違ってたからね、マッピングで戸惑ったりしなかった?」

そうですね。あっちは西から3ブロックめに……、とかいう表現でしたから。

「これからもこういう表現は色々出てくるから注意が必要よ。今回のような『○ブロック進んだ先に……』ってあったらね、今自分が立っているブロックはゼロ、数に数えちゃダメなの。間違えないでね。自分の場所はゼロから始めて1歩、2歩、3歩と指定された数だけ先へ進んでいくのよ」

なるほど判りました。ところやっぱりミランダさんもこの右下の未踏部分はまだでしたか。

「あそこへ直接入れる入口はこのフロアのどこにも見つからなかったからねー。ダンジョンではよくある事よ。どうやって入れるかは後のお楽しみってトコね♪」

C3-1へ

 

 

 

 

 

 

C3-1

ここは地下3階。螺旋階段を降りた先は、南へと伸びる通路の北端の位置であった。
着いてすぐに全員が顔をしかめる。耐え難いほどの腐った臭いだ。それに加えて通路の奥からは、くぐもった不気味なうめき声も聞こえてきていた。ミランダとリカルドはどちらともなく頷きあう。

「アレね」「あぁ、アレだな」

何だろうと君が思っていると、通路の奥から複数の人影がにじり寄ってきた。他の冒険家だろうか? いや、あれは……動く死体、ゾンビだ!

◆ゾンビ 3体
【攻撃力:6 守備力:1 体力:14】
≪ターン終了後回復体力:+5≫

→ゾンビとの戦いが初めてなら C3-2へ
→すでに戦い方は心得ているなら C3-3へ

 

 

 

 

 

 

C3-2

「どれ、今度はあいつらゾンビのような不死生物、アンデッドとの戦い方について教えてやろう」

グラムがずいとパーティの前に出た。

「アンデッドが持つ特殊能力は超回復だ。斬っても焼いても、すぐに体が再生していくのでキリがない。具体的に言うと、毎ターンの終了後には敵の体力が一定値、自動で回復していってしまうんだ」

そんな卑怯な。俺らだって戦闘中はヒーリングできないようになってるってのに。

「それが魔物の理不尽さというもんだ。黙って呑み込め」

ゾンビの歩くスピードは思った以上に遅い。まだ敵との距離が充分な事を確認すると、グラムはなおも続ける。

「この特殊能力にも対抗策はちゃんとある。それが聖職者が使う浄化系の聖術だ。例えば初歩的なもので言えばホーリー。この聖術を使えばアンデッドが1ターンに回復する体力を、現状の値から3ポイント分マイナスできる」

たったそれだけ? 案外しょぼいですね。

「初歩も初歩ならこの程度だ、ガマンしろ。ついでにこのような敵味方のパラメータに変化を与える系統の術でも、複数人がいれば重ね掛けは可能だからよく覚えておけ。弱いホーリーでも聖職者2人が同時に使えば【-3】×2で【-6】まで敵の回復体力を減らせる。塵も積もればって奴だな」

聖職者が2人ですか。そんなパーティそういないと思いますけど。

「まぁ例えばの話だ。では次に具体例な戦闘シミュレーション行くぞ。今回は聖職者1人がホーリーメイスを手に入れ、ホーリーが使えるようになった場合の例だ」

@@@デモプレイ@@@@@@@@@@@

◆ゾンビ 3体
【攻撃力:6 守備力:1 体力:14】
≪ターン終了後回復体力:+5≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。

◇テストパーティ:戦士・戦士・聖職者・魔術師
※聖職者、☆ホーリー使用【聖職者聖力:3→2】
【パーティ武器攻撃力:7 総合攻撃力:7】
【パーティ守備力:4】
【パーティ体力:29】

※テストパーティの攻撃ダメージ値算出:
 (パーティ攻撃力7)-(ゾンビ守備力1)=【6】
※ゾンビの攻撃ダメージ値算出:
 (ゾンビ攻撃力6)-(パーティ守備力4)=【2】
☆ホーリーの効果で敵の回復体力が減少
 (ゾンビ回復体力+5)-(ホーリー効果3)=【+2】

⇒1ターンめ処理
  パーティ攻撃(ゾンビ体力14-6=8)
  ゾンビ攻撃 (パーティ体力29-2=27)
  ゾンビ超回復(ゾンビ体力8+2=10に回復)

⇒2ターンめ処理
  パーティ攻撃(ゾンビ体力10-6=4)
  ゾンビ攻撃 (パーティ体力27-2=25)
  ゾンビ超回復(ゾンビ体力4+2=6に回復)

⇒3ターンめ処理
  パーティ攻撃(ゾンビ体力6-6=ゼロ)≪戦闘終了!≫
  ゾンビ攻撃 (パーティ体力25-2=23)

◇戦闘結果:
 【パーティ体力:29→23】
 【聖職者聖力:3→2】

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

「こんな感じだな。敵の回復体力が+5のままだったならターンがかなり長引いていたと考えれば、その効果のほどが判るだろう」

ゾンビの動きはまだまだ遅い。暇を持て余したミランダとリカルドも会話に加わってきた。

「でもこんな雑魚に3ターンなんて時間の無駄ですよ。アタシならガツンと先生のサンダーボルト、使っちゃいますね」

「もちろんそれも良い判断だ。そうすれば攻撃力が14に上がって、ホーリーを使わずとも2ターンで決着がつけられるからな」

「にしてもターン内で味方攻撃・敵攻撃・敵回復の3ステップが必要なんてナァ。多分この辺で大半の読者がメンドくさがって逃げ出す気がするぜ」

「……シャレになっとらんからやめんかリカルド。ま、まぁ確かにアンデッドはこうやってどうしても長期戦となる難敵だから、ホーリーで回復体力を削って戦うのが基本だ。しかし時には今ミランダが言ったように、パーティの攻撃力を上げて回復させる隙を与えずに一気にパワーで押し切る力技が有効な場合もある。いずれにせよ先の展開を読んでの見極めが重要だぞ」

C3-3へ

 

 

 

 

 

 

C3-3

「ではゾンビ退治といくか。誰か肝心のホーリーは使えたかな。まだならば少々苦戦するやもしれんぞ」

◆ゾンビ 3体
【攻撃力:6 守備力:1 体力:14】
≪ターン終了後回復体力:+5≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:3】を減らした上で、螺旋階段を駆け登り(C2-14)まで戻ること。

倒せたらパーティは探索を再開する。
螺旋階段から南へ真っ直ぐ伸びていた通路を、君らは道なりに進んでいく。その間の通路の西側と北側は一面の岩盤であった。そのまま南へ4ブロック進むと東へ折れるL字路になっていたので、道なりに曲がる。その先もまた、東へと真っ直ぐ伸びる直線通路になっていた。
その東西に長い通路の両脇、つまり南側と北側には鉄格子で仕切られた牢屋が並んでいた。腐敗臭が一段と強くなってきた。うめき声もそこかしこから響いてくる。君らは慎重に通路を東へと進んでいく。途中、恐る恐るに牢屋の中を覗いてみれば、予想通りにいくつかは閉じ込められたゾンビの群れで一杯だった。
たっぷりと8ブロック分はあったその通路を進みきると、北へと折れるL字路に出た。突き当たりとなる東側の壁は岩盤だ。数えたところ、通路左右にあった牢屋は南側に3つ、北側に2つであった。南側の真ん中の牢屋だけが幅2ブロック分と少し狭かったが、他の4つはどこも均等に幅3ブロック分の広さだった。ここでグラムが君に問う。

「さて、この階ではどうするかな。このL字路から北へ4ブロック進んだ先の行き止まりにはホレ、見ての通り次の下階への螺旋階段がすでに口を開けて待っているぞ。こんな気味の悪いフロアはさっさと通り過ぎるも良し。危険を覚悟で何かないかと牢屋の中をしらみ潰しに回ってみるもまた良しだ」

→南側、西から1つめの牢屋を覗いてみるなら C3-4へ
→南側、西から2つめの牢屋を覗いてみるなら C3-6へ
→南側、西から3つめの牢屋を覗いてみるなら C3-5へ
→北側、西から1つめの牢屋を覗いてみるなら C3-8へ
→北側、西から2つめの牢屋を覗いてみるなら C3-7へ
→このまま北へ進み、フロア北東端の螺旋階段を降りて下階へ行ってみるなら C4-1へ
→通路を戻り、フロア北西端の螺旋階段を登って上階へ戻るなら C2-14へ

 

 

 

 

 

 

C3-4

※この牢屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。牢屋を離れ(C3-17)まで戻ること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

南側、西から1つめの牢屋を覗いてみる。広さは東西、南北が共に3ブロック四方。西側と南側の壁が一面の岩盤になっていた。鉄格子の扉に鍵は特に掛けられてはいないようである。
中には7匹ものゾンビがいて、のそのそと動き回っていた。君らが近づくと、一斉に鉄格子そばまで群がって来る。うっぷ、これ以上ないほどの強烈な悪臭だ。

◆ゾンビ 7体
【攻撃力:7 守備力:2 体力:22】
≪ターン終了後回復体力:+8≫

すぐに離れたかったが、ミランダが何かを目ざとく見つけたようだ。

「ホラあの奥、あそこに金貨が何枚か落ちてるじゃない。取りに行きましょうよ」

→中に入ってゾンビと戦うなら C3-10へ
→このまま牢屋から離れるなら C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-5

南側、西から3つめの牢屋を覗いてみた。広さは東西、南北が共に3ブロック四方。東側と南側の壁が一面の岩盤になっている。
中にゾンビは1匹もいなかったが、床と天井にそれぞれ人が通れそうなほどの大きな穴が空いていた。閉じ込められた冒険家が、苦労の末にあそこから脱出でもしたのだろうか。入って確かめてみたいところだが、目の前の鉄格子の扉には頑丈そうな錠前が掛けられていた。
錠前には不気味な【ドクロの紋章】が刻まれている。合う鍵を持っていれば、この項目からのパラグラフジャンプで開けることができる。持っていない、もしくは開ける気がないのであれば、君はこの牢屋から離れて通路に戻る。

C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-6

※この牢屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。牢屋を離れ(C3-17)まで戻ること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

南側、西から2つめの牢屋を覗いてみた。東西が2ブロックに、南北が3ブロックの広さだ。南側の壁だけが一面の岩盤になっている。
中にはマントと深いフードで全身を隠した大柄の男が、奥の壁際でじっとうずくまっていた。顔は見えないし、動く気配もまったくない。生きているのか、すでに白骨化した死体なのかも、ここからではどうも判らない。恐る恐るに声をかけてみたものの、何の反応も示さなかった。これ以上は外からでは埒があかなそうだ。鉄格子の扉は幸いというか何というか、特に鍵は掛かっていないようである。

「どうする? 恐かったら無視してもいいんだぞ」

グラムが意地悪く問いかけてきた。

→勇気を出して入ってみるなら C3-9へ
→このまま牢屋から離れるなら C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-7

※この牢屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。牢屋を離れ(C3-17)まで戻ること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

北側、西から2つめの牢屋を覗いてみる。広さは東西、南北が共に3ブロック四方。北側の壁だけが一面の岩盤になっている。鉄格子の扉は特に鍵も掛けられていないようだ。
中には合計5匹ものゾンビがいた。まだこのくらいなら何とか戦える数だ。

◆ゾンビ 5体
【攻撃力:6 守備力:2 体力:18】
≪ターン終了後回復体力:+6≫

牢屋の奥はどうやら拷問部屋だったらしく、いかにもな恐ろしい機具が所狭しと並べられていた。犠牲者らしき頭蓋骨もいくつか散らばっており、よく調べれば何か使える遺品が見つかりそうだ。

→中に入ってゾンビと戦うなら C3-15へ
→このまま牢屋から離れるなら C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-8

※この牢屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。牢屋を離れ(C3-17)まで戻ること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

北側、西から1つめの牢屋を覗いてみた。広さは東西、南北が共に3ブロック四方。北側の壁だけが一面の岩盤になっている。鉄格子の扉は特に鍵も掛けられてはいないようだ。
中でうろついていたのはたった2匹のゾンビだった。フロアの入口で遭遇した奴らよりも数は少ない。これなら楽勝のはずだ。

◆ゾンビ 2体
【攻撃力:5 守備力:1 体力:10】
≪ターン終了後回復体力:+4≫

牢屋の奥にはまだ数匹のゾンビらしき物もいるようだが、なぜかそいつらは壁際で固まったままで動こうとしない。とりあえず外からでは他に目ぼしいものは見当たらないようだが、どうするか。

→中に入ってゾンビと戦うなら C3-16へ
→このまま牢屋から離れるなら C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-9

君らが牢屋の中に入ると、それまでうずくまっていたフードの男は突然ゆらりと立ち上がった。やはり生きていたのか。

「お、おい見ろッ! アイツ……、骨だ!」

震えるリカルドが指差すフードの奥から覗いたその顔は、なんと青白いドクロ。ひるがえったマントの下にあった体も、同じく全身骨だけの骸骨だった。
スケルトンだ。カタカタと不気味に顎を鳴らしながら、その骸骨男はゆっくりと腕を振り上げる。初めて実物を見た君は心臓が縮み上がりそうだったが、グラムは平気でスケルトンに近づくとそのどてっ腹に蹴りを1発!
ガッシャンッ! 意外なほどにあっけなく、スケルトンはバラバラになってその場に崩れ落ちた。だがその散らばった骨は、ふわりと浮き上がるとすぐに元の姿へと組み上がっていく。

◆スケルトン 1体
【攻撃力:2 守備力:0 体力:30】
≪ターン終了後回復体力:+18≫

「見ての通り、こいつの再生能力はゾンビの比じゃない。力なんぞは大した事はないんだが、倒すとなると強力な浄化の聖術か、圧倒的な火力で一気に焼き尽くすしか倒す手はないぞ」

ここで職業チェックだ。今のグラムの職業は、次のうちどれだろうか。

→聖職者なら C3-13へ
→それ以外の戦士、魔術師なら C3-12へ

 

 

 

 

 

 

C3-10

待ってましたとばかりに一斉に襲い掛かってくるゾンビども。判っていた事だが、この数のアンデッドを相手にするとなると相当にキツい。果たして今のパーティに、有効な策はあるだろうか。

◆ゾンビ 7体
【攻撃力:7 守備力:2 体力:22】
≪ターン終了後回復体力:+8≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:4】を減らした上で、外の通路(C3-17)まで戻ること。

倒せたらパーティは目的の金貨奪取に成功する。

金貨【4枚】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

「これだけかよ。なんか数が多かった割には実入りがショボイなぁ」

「別に強い奴が必ずいいお宝を持っとるとは限らんもんさ。逆もまた然り、運次第だな」

こうして割に合わないわずかな戦利品を獲たパーティは牢屋を離れ、他へと目を移した。

C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-11

君らパーティは今、地下3階のとある牢屋の中にいる。君らの他には誰もいないし、何もない。部屋の広さは東西、南北が共に3ブロック四方。東側と南側の壁が一面の岩盤になっている。北側の壁は鉄格子で仕切られており、その扉は外側から頑丈な錠前で施錠されていた。だが鉄格子であるお陰で、こちら側からでも余裕で錠前まで手が届く。鍵さえあれば開錠は充分に可能だ。錠前には不気味な【ドクロの紋章】が刻まれていた。合う鍵を持っていれば、この項目からのパラグラフジャンプで開けることができる。
それ以外の出口となると、やはり床と天井にぽっかりと開いた穴だろう。下と上、どちらも人が余裕で通れる大きさがある。場所的にいうと、床にある穴の方が部屋の南東端の一番角、天井の方がちょうど牢屋全体の真ん中の位置にあった。

「よーし、んじゃコイツでいってみようぜ。下か? それとも上か?」

リカルドはすでに持参のフック付きロープを手にしている。これを淵に引っ掛けて、上か下どちらかの穴を通って別の階へ行こうというつもりらしい。

→天井の穴から上階へ登ってみるなら C2-15へ
→床の穴から下階へ降りてみるなら C4-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-12

元の体に組み上がったスケルトンが再びこちらへ歩いてくる。ほとんど無力だとは言われても、やはり不気味なものは不気味だ。

「相手にするだけ無駄だ。こういうクセのある魔物もいると判れば今はそれでいい。とっとと退散するぞ」

◆スケルトン 1体
【攻撃力:2 守備力:0 体力:30】
≪ターン終了後回復体力:+18≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:1】を減らした上で、外の通路(C3-17)まで戻ること。

→倒せたら C3-14へ

 

 

 

 

 

 

C3-13

「ふむ、あくまで戦うか。ならばこのワシもたまには弟子への威厳ってやつを見せておくかな」

熟練の聖職者であるグラム。不死のアンデッドを前に、愛用の破邪のメイスに聖力を込め始めた。難敵を前にどうやら彼も久々に本気を出すらしい。

聖職者であるグラムは今回の戦いに限り、特別に下記の聖術が使えるようになる。使用する場合は消費術力の大きさとその効果の違いに注意すること。

@グラム
職業:聖職者
装備:破邪のメイス(武器攻撃力+1)
    ☆ホーリー
    (消費聖力:1 アンデッドの回復体力-3)
    ☆☆ハイホーリー
    (消費聖力:2 アンデッドの回復体力-10)
    ☆☆☆ホーリーレイ
    (消費聖力:3 アンデッドの回復体力-40)

◆スケルトン 1体
【攻撃力:2 守備力:0 体力:30】
≪ターン終了後回復体力:+18≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:1】を減らした上で、外の通路(C3-17)まで戻ること。

→倒せたら C3-14へ

 

 

 

 

 

 

C3-14

キエェェェェェ! 倒されたスケルトンは断末魔の叫びと共に、煙のごとくに消え失せていった。
キンッ! 小さな金属音が牢屋に響いた。君は床に目を落とす。そこにはドクロの紋章を形取った不気味な鍵が落ちていた。拾ってみるとドクロの口の中には小さく数字の【6】が刻まれていた。

【6が刻まれたドクロの紋章の鍵】を手に入れた。チェックシートに記入すること。今後同じ紋章を見つけたら、その時いるパラグラフ番号にこの数字を足した先へパラグラフジャンプすることでその鍵を開ける事ができる。

他に何もない事を確認すると、君らパーティは牢屋を離れて他へと目を移した。

C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-15

牢屋に入り込んだ君らパーティにゾンビが群がってくる。まずは邪魔なコイツらを片づけなければ落ち着いて中を調べる事はできない。

◆ゾンビ 5体
【攻撃力:6 守備力:2 体力:18】
≪ターン終了後回復体力:+6≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:3】を減らした上で、外の通路(C3-17)まで戻ること。

倒せたらパーティは探索を再開する。
君らは手分けして牢屋の奥にあった拷問道具の数々を調べてみた。その中でも君は、左右から押し潰す形の巨大なトゲ付き万力を覗き込む。するとそのトゲの奥に1本の剣と荷物袋が引っかかっているのを見つけた。しかし手を伸ばしてもギリギリで届かない。これはどうにかして万力を開かせなければダメなようだ。

「うーん、でもコレ、両側から2人でハンドル回すタイプのヤツだぜ。歯車もずいぶん錆びついてるみてェだし、大丈夫かぁ?」

ここではパーティ内にいる戦士の人数をチェックせよ。パーティ内の戦士が≪1人、もしくはゼロ≫ならば万力は開けずにアイテムの回収は不可能だ。このまま諦めて去るしかない。だが戦士が≪2人以上≫いるパーティならば、君らは万力を開かせる事に成功し【ロングソード】と金貨【5枚】を手に入れる。

@ロングソード(武器攻撃力+5)装備可能:戦士

パーティに戦士がいればここで装備していく事もできる(グラムは除く)。その場合は上記のデータでパラメータを書き換えること。特に必要ない場合でも、売却用のアイテムとして資金の足しにするといいだろう。

いずれにせよ、君らパーティは調べた牢屋を離れ、他へと目を移した。

C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-16

君らに気づいたゾンビがゆっくりと近づいてきた。だがこの程度の数なら造作もないはずだ。軽く蹴散らしてやろう。

◆ゾンビ 2体
【攻撃力:5 守備力:1 体力:10】
≪ターン終了後回復体力:+4≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵はアンデッドなのでターン終了後の超回復がある。
対武器、対魔術補正はない。そのままの値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:2】を減らした上で、外の通路(C3-17)まで戻ること。

倒せたらパーティは探索を再開する。
牢屋の奥まで来た君らは、そこで動かなかったゾンビの正体を知った。そいつらは岩盤から生えた何本もの太いツタによって、雁字がらめに縛り付けられていたのだ。どいつもシナシナに干からびている。まるで養分を吸い取られてしまったかのようだ。興味本位でフラフラと手を伸ばそうとする君を、グラムがぴしゃりと制止した。

「迂闊に触れるんじゃない。そいつは触ったものに反応して瞬時に取り込む食虫植物の類だぞ」

そう言われても食虫というよりは完全に食人サイズである。そんなお化けツタの中に、ゾンビどもに混じって道具袋が絡まっていたのを君は見つけた。手に入れたいところだが、ヘタに触れてはいけないとなるとどうすればいいのだろう。

「上下から魔力を当てて、そのツタの部分の触覚を一時的に麻痺させられればいいんだがな。しかしそれには上と下とで最低2人の魔術師が必要になるぞ」

ここではパーティ内にいる魔術師の人数をチェックせよ。パーティ内の魔術師が≪1人、もしくはゼロ≫ならば道具袋の回収は不可能だ。このまま諦めて去るしかない。だが魔術師が≪2人以上≫いるパーティならば、無事にツタを無力化して君らは【トパーズのアミュレット】と金貨【2枚】を手に入れる。

@トパーズのアミュレット(守備力+2)装備可能:魔術師

パーティに魔術師がいればここで装備していく事もできる(グラムは除く)。その場合は上記のデータでパラメータを書き換えること。特に必要ない場合でも、売却用のアイテムとして資金の足しにするといいだろう。

いずれにせよ、その後ツタから離れた君らは再び外の通路へと戻っていった。

C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C3-17

君らパーティは地下3階の外の通路に戻ってきた。ここは引き続き、腐敗臭が漂うゾンビ牢屋のフロアだ。まだやり残したことがあるなら好きな牢屋を覗いてもいいし、無視して先へ進んでもいい。

→南側、西から1つめの牢屋を覗いてみるなら C3-4へ
→南側、西から2つめの牢屋を覗いてみるなら C3-6へ
→南側、西から3つめの牢屋を覗いてみるなら C3-5へ
→北側、西から1つめの牢屋を覗いてみるなら C3-8へ
→北側、西から2つめの牢屋を覗いてみるなら C3-7へ
→フロア北東端の螺旋階段を降りて下階へ行ってみるなら C4-1へ
→フロア北西端の螺旋階段を登って上階へ戻るなら C2-14へ
→降りる前にミランダとマッピングの答え合わせをするなら C3-18へ

 

 

 

 

 

 

C3-18

「ホントに全部調べてから見てる? いーい、ズルは絶対ダメだからね。じゃあハイ、地下3階のマップよ」

                  北
    1   2   3   4   5   6   7   8
  ┏ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┓
 1┃ ↑ ┃           ┃           ┃ ↓ ┃
  ┣   ┃           ┃           ┃   ┫
 2┃   ┃           ┃           ┃   ┃
  ┣   ┃     E     ┃     E     ┃   ┫
 3┃   ┃           ┃           ┃   ┃
  ┣   ┃           ┃           ┃   ┫
 4┃   ┃           ┃           ┃   ┃
西 ┣   ┗ ━ ━ ◇ ━ ━ ┻ ━ ━ ◇ ━ ━ ┛   ┫ 東
 5┃                               ┃
  ┣ ━ ━ ◇ ━ ━ ┳ ━ ◇ ━ ┳ ━ ━ ◆ ━ ━ ┫
 6┃           ┃       ┃ ?   ?   ? ┃
  ┣           ┃       ┃   ╋   ╋   ┫
 7┃     E     ┃   E   ┃ ?   ?   ? ┃
  ┣           ┃       ┃   ╋   ╋   ┫
 8┃           ┃       ┃ ?   ?   ? ┃
  ┗ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┛
                  南
 (↑:上の階へ ↓:下の階へ ◇:扉 ◆:鍵付き扉 E:敵 ?:未踏部分)

「ここは迷路らしい迷路もなかったからね。どこの牢屋に何があったかがぐらいが判ればオッケーかな。でも南東の牢屋は鍵で入れなかったから、ここでも後回し。次の階ではそろそろ判るといいんだけどね」

C4-1へ

 

 

 

 

 

 

C4-1

螺旋階段を降りて、君らパーティはとうとう地下4階までやってきた。通路ではなく、どこかの部屋だ。先ほどまでの死臭とはまた違った、不快なカビ臭さで溢れている。壁には錆びた剣や槍がかかっており、床には壊れたテーブルに椅子、ひしゃげた鎧などが無造作に転がっていた。想像するに、ここは魔物の兵の詰所か何かだったのではないだろうか。
ガチャッ! ガシャンガシャン!
急な音に驚いて君が振り返ると、そこでは床に落ちていたはずの鎧が空中に浮かび上がり、ゆらゆらと人の形となった。で、で、出た!? 幽霊だ~!

「落ち着け。こいつはダンジョンに残留する魔力だけで動いている魔動系の魔物、リビングアーマーだ」

◆リビングアーマー 2体
【攻撃力:6 守備力:4 体力:11】
≪対魔術補正:-5≫

→リビングアーマーとの戦いが初めてなら C4-2へ
→魔動系との戦いはすでに心得ているなら C4-3へ

 

 

 

 

 

 

C4-2

「よーっし、今度はオレ様に任せな。ばっちし魔動系について解説してやるぜッ」

何か言おうとしたグラムを押しのけ、リカルドがしゃしゃり出てきた。大丈夫かなぁ。じゃあ聞くけど、こいつもひょっとしてアンデッドなわけ?

「ノンノン、アンデッドとはまた違う。元から生も死もないただの無機物だからな。その辺の石っころが浮いて動いてるのと大して変わんねえ」

なーんだ、じゃああの厄介な超回復はナシなんだな。

「まぁ待てって。こういった魔動系の敵にも厄介な特殊能力はあんだからよ。今からそいつを教えてやっから」

◆リビングアーマー 2体
【攻撃力:6 守備力:4 体力:11】
≪対魔術補正:-5≫

えぇっと今度は対武器……じゃなくて『対魔術補正』?

「魔動系の特徴は、軟体系のスライムとは真逆だ。コッチは魔術攻撃の方が通りにくくなっちまう」

へぇー、そりゃまたなんで?

「たぶんアイツらを動かしてるエネルギー源が魔力そのものだからなんじゃねぇの? カエルの面に何とやらってな」

「ずいぶんといい加減なご教授ねー。じゃアンタが前に言ってた魔術師系パーティーってのはさぞご苦労なさるんでしょうね。ほら、こんな感じで」

@例:≪対魔術補正:-8≫を持つ敵と戦う場合

・武器攻撃力3+魔術攻撃力10=総合攻撃力【13】の魔術師系パーティ
 ⇒魔術の分が2にまで減って、総合攻撃力は【5】まで落ちる

・武器攻撃力8+魔術攻撃力5=総合攻撃力【13】の戦士系パーティ
 ⇒魔術の分がゼロになっても武器攻撃力は影響を受けないので、総合攻撃力は【8】をキープ

「ゲエェ、オ、オレ様自慢の最強魔術師パーティがぁぁ……」

「どんな職業にも得手不得手はあるという事よね。もっともスライムの時と同じく、対魔術補正の限界を越えた火力で一気に倒すという力技も、もちろんアリよ」

「はぁあ~、あーヤメヤメ! やっぱ男は黙って戦士系だよなッ!」

「リカルド……、アンタのそれ、堂々巡りのパターンだってば」

C4-3へ

 

 

 

 

 

 

C4-3

ガシャガシャとけたたましい音を立てて、鎧の塊が近づいて来る。君らパーティは銘々に武器を構えてこれに備えた。

◆リビングアーマー 2体
【攻撃力:6 守備力:4 体力:11】
≪対魔術補正:-5≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対魔術補正がある。パーティの魔術攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:3】を減らした上で、螺旋階段を駆け登り(C3-17)まで戻ること。

倒せたらパーティは探索を再開する。
転がっているボロの鎧や剣なんて持ち帰っても売値などつきはしない。結局、金目の物は1つも見つからないまま、君は改めて部屋を見渡した。

ここは地下4階。東西3ブロック、南北2ブロックの広さの長方形の部屋である。東側と北側の壁が一面の岩盤だ。君らがこのフロアへ降りて来た際の上り階段は、部屋の北東端の角に位置していた。それ以外の出口というと、西壁の北端にある木の扉と、南壁の東端にある木の扉の2つがある。

→西の扉から外へ出てみるなら C4-5へ
→南の扉から外へ出てみるなら C4-6へ
→螺旋階段を登って上階まで戻るなら C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C4-4

ここは地下4階。東西3ブロック、南北2ブロックの広さの長方形の部屋だ。東側と北側の壁が一面の岩盤になっている。君らがここへ来た際の螺旋階段は、部屋の北東端の角に位置していた。今は部屋に動くものの気配はない。静かだ。
この部屋からの出口を君は探す。西壁の北端と、南壁の東端にそれぞれ普通の木の扉がある。他には先ほども言った通り、上りの螺旋階段もあるがどうするか。

→西の扉から外へ出てみるなら C4-5へ
→南の扉から外へ出てみるなら C4-6へ
→螺旋階段を登って上階まで戻るなら C3-17へ

 

 

 

 

 

 

C4-5

扉をくぐった先は通路ではなく、また別の部屋になっていた。広さは東西3ブロック、南北2ブロック。北側の壁だけが一面の岩盤になっている。
ここも兵の詰所のような名残を残していた。同じく使えないゴミだらけだったが、ここには鎧や剣といった危険物はないようだ。君らは次の出口を探した。
西壁の北端には立派な鉄の扉があったので近づいてみる。予想通りにしっかりと施錠してあって、開かない。鍵穴の上にはボロボロに崩れかけてはいたが【太陽の紋章】がかろうじて見てとれた。合う鍵を持っていれば、この項目からのパラグラフジャンプで開けることができる。
鍵がなければ、残る出口は2つの木の扉だ。一方は東壁の北端に、そしてもう一方が南壁の西端についている。さて、どちらへ進もうか。

→東の木の扉から外へ出てみるなら C4-4へ
→南の木の扉から外へ出てみるなら C4-9へ

 

 

 

 

 

 

C4-6

※この部屋でのアイテムをすでに手に入れていれば、もう誰もいないし何もない。西の扉から外へ出るなら(C4-9)へ、北の扉から出るなら(C4-4)へそれぞれ移動すること。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

うぶっ!? こ、ここは?! 扉をくぐった先は、腐ったタマゴのような異臭が充満していた。
ここは東西2ブロック、南北3ブロックの長方形の部屋だ。東側の壁だけが一面の岩盤になっており、出口としては北壁の東端と、西壁の北端に位置する木の扉の2つがある。
そこにあったのは、部屋の南半分以上を占める大きな池だった。温泉だろうか……、いや、それはもの凄い悪臭を放つ、不気味なヘドロの池だった。何でこんなところにあるかは判らないが、とにかくこんな臭い部屋に長居は無用だ。
しかし、すぐに立ち去ろうとするも池のヘドロが何やらモゴモゴと盛り上がっていく。それはあっという間に形を成し、見上げる程の巨人の姿となった。目も耳もない顔のどこで認識しているのか、泥巨人は君に向かってゆっくりと手を伸ばしてきた。

◆クレイゴーレム 1体
【攻撃力:9 守備力:10 体力:9】
≪対魔術補正:-9≫

ここで職業チェックだ。今のグラムの職業は、次のうちどれだろうか。

→戦士なら C4-7へ
→それ以外の聖職者、魔術師なら C4-8へ

 

 

 

 

 

 

C4-7

君をかばって敢然と立ちはだかったのは、歴戦の戦士グラムであった。

「クレイゴーレム。魔動系ゴーレムの中では最下級ではあるが、この大きさではちとお前らの手には負えまい。どれ、ここはワシが久々に本気を……」

高々と武器を構えたグラムであったが、

「しまった! これはただのショートソード! おいバルディン、ワシのグレートソードを早く出せ!」

……すみません。持ってきてないです。

「ナニィ!!」

「『ワシはこっちでいい』とか何とかカッコつけて、師匠が家に置いてきたんじゃんかよ~」

「ぬおぉ、そうだったぁ! このグラム一生の不覚~~ッ!!」

「せ、先生……」

……ということで、特に必殺技発動も何もないままに、普通に戦闘が始まる。

C4-8へ

 

 

 

 

 

 

C4-8

「ウォッホン、こ、こういったゴーレムもまた魔術が効かん魔動系の一種だ。どうする? 倒せんなら尻尾を巻いて逃げてもいいんだぞ?」

◆クレイゴーレム 1体
【攻撃力:9 守備力:10 体力:9】
≪対魔術補正:-9≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対魔術補正がある。パーティの魔術攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:5】を減らした上で、西の扉から出るなら(C4-9)へ、北の扉から出るなら(C4-4)へそれぞれ移動すること。

倒せたら君らパーティは探索を再開する。
君らは飛び散ったゴーレムのヘドロの中から出てきた金貨を戦利品として拾い上げた。

金貨【4枚】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

「しっかしナンでこういうヤツの中には都合よく金貨が埋まってんのかねぇ。別に石ころやゴミでもいーだろーによ」

「金にはとても魔力が溜まりやすく、それが魔物が形を成すための格好の依り代となる……事もあるんだって。ホントかどうかは知らないけどねー」

さて、一仕事終えた君は改めて周囲を見回す。繰り返すがここは東西2ブロック、南北3ブロックの長方形の部屋だ。東側の壁だけが一面の岩盤になっており、出口には北壁の東端に位置する木の扉、そして西壁の北端に位置する木の扉の2つがある。

→西の扉から外へ出てみるなら C4-9へ
→北の扉から外へ出てみるなら C4-4へ

 

 

 

 

 

 

C4-9

君らパーティは扉を開けて中に入った。だがその途端、君は背中にツララを突き刺されたような激しい悪寒に襲われた。気分が悪くなってきた。胸も締め付けられるように苦しい。見ればリカルドもミランダも同じらしい。皆が顔を見合わせて異常を訴えていた。な、何なんだコレはッ!?

現在のパーティ体力から【体力ダメージ:3】を減らすこと。

「落ち着けバルディン。ここに溜まっているのは魔界の邪気。言わば魔物の力の源だ。ホレ、あれを見ろ」

グラムが指し示した部屋の中央には小さな祭壇のようなものがあった。そしてその真上、空中に何やら真っ黒い小さなものがゆらゆらと不気味に揺らめいている。あれは……、炎? しかしその色は赤ではなく、吸い込まれるような黒であった。

「あの炎にはできるだけ近づくなよ。ヘタに毒されれば心まで破壊されて廃人と化すぞ。中央は大きく迂回して、急いで次の部屋まで抜けるんだ。いいな」

言われなくても、今この身を苦しめている原因があの揺らめく炎にあるのははっきりと感じる。しかしあれはいったい何なのか。君は壁沿いを歩きつつ、息も絶え絶えにグラムに尋ねる。

「魔物どもの故郷、魔界と我々のこの世界とをつなぐ、いわゆる次元の穴だ。冒険家の間では『黒き魔炎』と呼ばれている。どこのダンジョンにも必ず1つはあって、魔物どもへの魔力の供給源となっているらしい」

だ、だったらそんな物騒なものは早く消してしまえば……。

「あれは水をかけて消えるような代物じゃない。次元の穴そのものから漏れ出す、負のエネルギーみたいなものだからな。消す方法はただ1つ。あの邪気と対を成す力、聖職者の持つ聖力を一気に注ぎ込み、一時的に穴そのものを塞ぐしかない」

邪を滅するは聖なる力のみ、というわけですか……。

「おっとおしゃべりが過ぎたな。半人前のお前らにはまだまだ関係のない話だ、忘れろ。いいか、くれぐれもヘンな気は起こすんじゃあないぞ」

さて、この話を聞いた君はあの黒き魔炎に聖力を注ぎ込む事を、こっそりとリカルドやミランダに相談してもよい。聖力を持つ聖職者がいれば、グラムを除いた全員が参加できる。その際は誰がどれだけの聖力を消費するかを、今ここで決めておくこと。必ず決めただけの聖力を先にパラメータより減らしてから次のパラグラフへと進み、その結果を確認すること。
繰り返すがこれに熟練者のグラム自身が参加する事はない。あくまで君ら悪ガキ3人組が好奇心にかられて勝手に行うイタズラでしかないからだ。
もちろん、これを無視してさっさと部屋を出るのも懸命な判断だ。部屋の広さは東西、南北が共に4ブロック四方。周囲はすべてが石壁だ。見回せば出口は全部で4つもあった。

東側の石壁の、最も北端に位置する木の扉。
西側の石壁の、最も南端に位置する木の扉。
南側の石壁の、最も東端に位置する木の扉。
北側の石壁の、最も西端に位置する木の扉。

今、君の頭がクラクラしてきているならきっとそれは部屋の邪気に当てられたせいに違いない。これ以上判断力が鈍る前に、急いで移動先を選んで進もう。

→東の扉から外へ出てみるなら C4-6へ
→西の扉から外へ出てみるなら C4-14へ
→南の扉から外へ出てみるなら C4-15へ
→北の扉から外へ出てみるなら C4-5へ
→黒き魔炎に聖力を注ぎ込んでみたので、結果を確認するなら C4-10へ

 

 

 

 

 

 

C4-10

今、自らの聖力を魔炎へと注ぎ終えた聖職者が倒れるように膝を着く。魔炎が激しく揺らめく。全員が固唾を飲んで見守る。さて、注ぎ込んだ聖力の総値はいくつだっただろうか。

→1~2ならば C4-11へ
→3~4ならば C4-12へ
→5以上ならば C4-13へ

 

 

 

 

 

 

C4-11

魔炎は少しの時間揺らいだだけですぐに元に戻り、その後は何の変化も起きなかった。

「だから言っただろう。あの程度の聖力で魔界の炎が消せるものか。諦めろ」

残念だが失敗だ。先ほど注いだ聖力はすべてが無となり消え去った。その間も君ら見習い冒険家の若き3人は、部屋の強烈な邪気に体力を蝕まれ続ける。

引き続き、現在のパーティ体力から【体力ダメージ:3】を減らすこと。

→やり直すならもう一度聖力を注ぎ込んでから C4-10へ
→東の扉から外へ出てみるなら C4-6へ
→西の扉から外へ出てみるなら C4-14へ
→南の扉から外へ出てみるなら C4-15へ
→北の扉から外へ出てみるなら C4-5へ

 

 

 

 

 

 

C4-12

魔炎は段々と小さくなっていく。しかしいけると思ったのもそこまで、しばらくしてすぐに炎は元の勢いを取り戻してしまった。

「惜しかったな。見たところもう少しだったんだが」

残念だが試みは失敗に終わったようだ。先ほど注いだ聖力はすべてが無となり消え去った。その間も君ら見習い冒険家の若き3人は、部屋の強烈な邪気に体力を蝕まれ続ける。

引き続き、パーティ体力から【体力ダメージ:3】を減らすこと。

→やり直すならもう一度聖力を注ぎ込んでから C4-10へ
→東の扉から外へ出てみるなら C4-6へ
→西の扉から外へ出てみるなら C4-14へ
→南の扉から外へ出てみるなら C4-15へ
→北の扉から外へ出てみるなら C4-5へ

 

 

 

 

 

 

C4-13

魔炎は段々と小さくなっていく。いいぞ……、あと少し……、あと少し……、やった! ついに炎は完全に消滅して消え果てた。

「ほう、まさか成功するとはな」

グラムが驚きの声をあげた。君とリカルドとミランダの3人は手に手を取り合って喜んだ。だんだんと部屋に満ちていた邪気が晴れていくのを君は感じる。

「どうせ失敗すると思ってあえて教えんかったんだが、これでこのダンジョンに巣食う魔物どもへの魔力の供給は一時的に断たれた事になる。よって奴らの戦力は今後、大幅にダウンするぞ」

君はダンジョン内の黒き魔炎を一時的に消す事に成功した。
ここでチェックフラグ【A】をチェックシートに記入すること。このフラグが消えずに残っている限り、君らパーティはこれよりずっと2つの恩恵を得る。
1つは、今後この部屋を訪れる際には魔炎はすでに消えているものとし、体力ダメージを無視できること。そしてもう1つは、今後遭遇するあらゆる魔物の基礎パラメータ(攻撃力・守備力・体力)の値を、どれも半分にした値で(小数点以下は切り捨てでよい)戦えるようになったことだ。ただし対武器補正・対魔術補正・ターン終了後の回復体力などといった、敵の特殊能力に関しては残念ながらこの効果は適用されない。そのままの値を使用すること。
そしてこれも重要な点だが、この消えた魔炎は1晩も経てばまた元通りに復活してしまう。なので1度ダンジョンを出たらこのチェックフラグ【A】は消さねばならない。その時点で上記2つの効果も共に消滅してしまうので、再び魔物を弱くしたければもう1度ここへ来て魔炎を消し直さねばならない。ずっと半減効果を続けたままでゲームをプレイしたりしないよう、くれぐれも注意すること。

さぁもうこんな部屋に用はないはずだ。四方どれかの扉から脱出して先を急ぐとしよう。

→東の扉から外へ出てみるなら C4-6へ
→西の扉から外へ出てみるなら C4-14へ
→南の扉から外へ出てみるなら C4-15へ
→北の扉から外へ出てみるなら C4-5へ

 

 

 

 

 

 

C4-14

東西2ブロック、南北3ブロックの広さの長方形の部屋に来た。西側の壁だけが一面の岩盤になっている。邪気から逃れた君らは思いっきり深呼吸をした。だが、

「ゴホゴホッ! うげえっ?! ナンなんだよこの臭いは!」

鼻から入ってきたのは別の強烈な異臭だった。見れば部屋の奥にはヘドロで並々と満たされた大きな池があった。あそこが異臭の原因に違いない。中から魔物が出てくるかもと思い君らは身構えたが、しばらく経っても静かなままだ。どうやらここには何も潜んではいないらしい。そうと判れば早く次の行き先を決めよう。君らは部屋の出口を探す。
先ほど君らがくぐってきた東壁の南端にある木の扉の他には頑丈そうな鉄の扉が2つあった。まずは1つめ、北壁の西端にあった鉄の扉を調べてみる。予想通りしっかりと施錠してあって、開かない。鍵穴にはボロボロに崩れかけた【太陽の紋章】が刻まれていた。合う鍵を持っていれば、この項目からのパラグラフジャンプで開けることができる。
一方で2つめとなる南壁の西端にある鉄の扉を見る。驚いた事にその扉の隙間からは、何やら灯りのような光がちらちらと漏れていた。ひょっとして自分らの他にも、冒険家のパーティがここに来ているのだろうか。

「待って。必ずしも相手が友好的なパーティばかりとは限らないから用心して」

ミランダに釘を刺され、君は扉を叩こうとしたその手を慌てて引っ込めた。試しにそっと扉に耳を当ててみたが、人の話し声などは一切しない。開けてみようにも、やはりこちらも鍵が掛かっていてダメだ。しかも鍵穴の紋章は完全に崩れてしまっており、もはや何の絵なのかもまるで判らなかった。一応持っている鍵を試してみても構わないが、無駄な努力に終わるであろう事は前もって忠告しておく。
いずれにせよどちらの扉も開けられないのであれば、後は元来た東の扉からあの魔炎の部屋へと戻るしかない。

→東の扉から外へ出るなら C4-9へ
→ヘドロの池を漁ってみるなら C4-16へ

 

 

 

 

 

 

C4-15

東西3ブロック、南北2ブロックの広さの長方形の部屋に来た。南側の壁だけが一面の岩盤だ。
ここもまた兵の詰所風の様相を呈していた。荒れ放題なのも他と変わらない。動くものの気配は特になく、静かだ。一息ついた君らは、休みながらに部屋の中を見回してみた。
この部屋にあった扉は、次の3つであった。東壁の南端に位置する木の扉と、西壁の南側に位置する木の扉。そして北壁の東端に位置する木の扉。どれも施錠できるタイプではないので普通に開けられる。
だがそのうち西の扉だけは他と違い、隙間からは灯りのような光がちらちらと漏れていた。扉の向こうに誰かがいるのだろうか。試しに扉に耳を当ててみたが、人の話し声などは一切しない。こっそり開けて中を覗いてみてもいいが、あえて関わらないのなら他の出口から静かに部屋を出よう。

→東の扉から外へ出てみるなら C4-17へ
→北の扉から外へ出てみるなら C4-9へ
→気になる西の扉を開けて、中の様子を覗いてみるなら C4-18へ

 

 

 

 

 

 

C4-16

「マジかよ……。オマエもかなりの鬼軍曹だな」

手袋と靴を脱いだ君らは、吐き気をもよおしながらも懸命にヘドロの中に両手を突っ込む。だが小一時間ほど引っ掻き回してみても、結局ガラクタ以外に目ぼしい物は何ひとつ見つけられなかった。残念だが無駄骨だったようだ。後悔に打ちひしがれた君らは、無念の精神的ダメージを負う。

現在のパーティ体力から【体力ダメージ:4】を減らすこと。

「ハァ、なんかヨォ……、ヘドロつーかむしろ『アレ』っぽくなかった? 臭いにしろ、感触にしろさ」

「……言わないでよ。せっかく考えないようにしてたんだから」

君は一刻も早く村の宿屋へと戻って風呂に入ってもいいし、このままガマンして探索を続けてもいい。

C4-14へ

 

 

 

 

 

 

C4-17

ここは地下4階。東西2ブロック、南北3ブロックの広さの長方形の部屋に来た。東側と南側の壁が一面の岩盤になっている。外への扉は1つしかない。西側の石壁、南端に位置する木の扉だけだ。
中にはボロボロに古びた鎧や剣などがちらほらと残されていた。どうやらちょっとした武器庫だったようだが、もちろんすでに先客に荒らし尽くされた後らしく、使えそうなものは何も見つからなかった。
しかしふと天井に目を向けると、そこには人が通れそうなほどの大きな穴がぽっかりと空いていた。場所的には部屋の南東端の角の位置に当たる。

「よっし、んじゃココはこいつの出番だな」

リカルドが荷物袋からフック付きロープを取り出した。だがその時、部屋の隅で何やらカタカタと物音がした。慌てて君は松明の灯りを向ける。そこでは、何十本もの矢が入った壺が小刻みに震えていた。
ビュンッ! 中にあった矢がすべて一斉に空中へと浮かび上がる。クルクルと回り出したそれらの矢は、やがてすべてが矢じりの先をピタッとこちらに向けてその動きを止めた。

「あれも魔動系の一種だ。動く矢だから、さしずめリビングアローだな」

あんな数の矢が一斉に飛んできたらひとたまりもない。君の背筋が冷ややかに凍りつく。死にたくなければ今すぐ逃げろと警報を鳴らしている。幸い外への扉は、君の手の届くすぐ後ろにある。

「もし戦うつもりなら1つ忠告しておくぞ。こいつとの戦いは他とは少しだけ勝手が違う。重要なのは攻撃力じゃなくて、今回に限っては別のパラメータの方だ。さてと、ヒントはここまで。どういう展開になるか、お前に戦いの先を正しく読む力はあるかな?」

◆リビングアロー 32体
【攻撃力:32 守備力:0 体力:2】
≪対魔術補正:-3≫

それでは戦闘を開始せよ。
敵には対魔術補正がある。パーティの魔術攻撃力を補正した値で戦え。
途中で逃げる場合は【体力ダメージ:10】を減らした上で、西の扉から(C4-15)へ移動すること。

→倒せたら C4-19へ

 

 

 

 

 

 

C4-18

君はそっと木の扉に手をかけて中を覗いてみたが、部屋には誰の姿もなかった。安全を確認し、君らパーティはその部屋へと入ってみる。あったのは壊れていない普通の椅子やテーブルに、その上でまだ点けたばかりとおぼしき真新しいロウソク。これまでとは打って変わって、明らかに生活感のある部屋だ。見れば他にもベッドや水瓶、それに食料。奥には小さな宝箱らしきものまである。

「ふーん。誰かが住んでいるのは間違いないみたいね」

部屋の広さは東西3ブロック、南北2ブロックの長方形だ。西側と南側の壁が一面の岩盤になっている。出口となる扉は、今しがた君らのくぐってきた東壁の南端にある木の扉の他に、北壁の西端に鍵の掛かった鉄の扉があった。しかし鍵穴を調べてみたが、紋章は完全に崩れてしまっていて何の絵だったかまるで判らない。

→このまま部屋の宝箱も漁ってみるなら C4-20へ
→住人が戻ってくる前に急いで東の部屋まで戻るなら C4-15へ

 

 

 

 

 

 

C4-19

パーティ内の戦士がどっしりと盾を構え、敵の攻撃に備えた。戦士以外のメンバーがいれば、彼らはその戦士の影に隠れてじっと身を潜める。
ヒュンッ! ヒュンヒュンヒュンッッ!!
リビングアローが動いた。君らパーティ目掛け、猛スピードで一直線に突っ込んでくる。
ガスッ! ガスガスガスガスッッ!!
戦士の盾でも防ぎ切れなかった矢が、君の肩、腕、脚に深々と食い込んでいく。他の仲間も同様にかなりのダメージを負ったようだ。だがこの第1波さえ耐えきれれば後はこっちのもの。地面に突き刺さるなどして完全に動きの止まった矢を、君らは片っ端から叩き折っていく。攻めは強いが、守りは紙屑同然だったリビングアロー。勝負は一瞬で決着がついた。

「そうだ、よく判ったな。あの怒涛の攻撃力を1ターン耐えきれるだけの守備力と体力を備えているかどうか、そいつが問題だったのだ。無闇に攻めるばかりでなく、時には守りに徹する方が大事な場面もある。この勝ち方、忘れるんじゃないぞ」

こうして無事に危機を乗り切ったパーティは、次なる行き先を検討する。普通に西の扉から外へ出るか、それともあの南東端の天井の穴から上階へと登ってみるかだ。

→西の扉から外へ出てみるなら C4-15へ
→天井の穴から上階へ登ってみるなら C3-11へ

 

 

 

 

 

 

C4-20

※ここでのアイテムをすでに手に入れていれば、もうここには何もない。下記の本文は飛ばして最後の選択肢からすぐに次のパラグラフへと進むこと。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

君は部屋の隅にあった宝箱を開けてみた。だが、期待に反して中身は使えないガラクタばかり。懸命に引っ掻き回した末に、ようやく見つけたのはわずかな金貨のみであった。

金貨【2枚】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

「ちぇっ、シケてやがんなぁ。もっと何かないのかよ?」

リカルドはまだ物足りないといった様子でキョロキョロしている。

「ねぇ、あんまり長居しない方がいいんじゃない? ロウソクが点けっぱなしなんだから外出してるとも思えないし」

ミランダの意見ももっともだ。早く立ち去らないと住人が戻って来てしまう危険性が高い。

→更に部屋を物色してみるなら C4-21へ
→ここらで東の部屋へと引き上げるなら C4-15へ

 

 

 

 

 

 

C4-21

※ここでのアイテムをすでに手に入れていれば、もうここには何もない。下記の本文は飛ばして最後の選択肢からすぐに次のパラグラフへと進むこと。まだの場合に限り、このまま読み進めること。

「おっ! いいモン見っけ!」

戸棚の引き出しの奥までひっくり返していたリカルドが得意げに掲げたのは、綺麗な首飾り、アミュレットだった。
【水晶のアミュレット】を手に入れた。チェックシートに記入すること。

@水晶のアミュレット(守備力+1)装備可能:魔術師

パーティに魔術師がいればここで装備していく事もできる(グラムは除く)。その場合は上記のデータでパラメータを書き換えること。特に必要ない場合でも、売却用のアイテムとして資金の足しにするといいだろう。

→更に部屋を物色してみるなら C4-22へ
→ここらで東の部屋へと引き上げるなら C4-15へ

 

 

 

 

 

 

C4-22

「ふぃ~、すっきりしたっと……ギャッ!? だ、誰だテメェら!」

マズい! すっかり家探しに夢中になっていた! 北の鉄の扉が急にガチャリと音を立て、盗賊風の小男が1人入ってきたのだ。君らよりも先に悲鳴を上げて跳び上がったその小男は、臆病そうな目で君らの様子をうかがっている。

「こ、こ、ここは俺の縄張りだぞッ! 今すぐ出ていきやがれェ!」

どうやらこいつがここを住み処としている奴らしい。精一杯の虚勢を張ってはいるが、しかしその両膝はがくがくと震えている。

「テメェらヤんのか……ヤるってのかァ?! この大盗賊ギギモラ様を相手に、テメェら五体満足で帰れるとか本気で思ってんのか! アァン?!」

いやいや、別に俺らはそんなつもりじゃ……。と弁解する間もなく、腰のナイフを引き抜いてギギモラが威嚇の構えを取った。どうやら戦う気マンマンのようだ。

◆大盗賊ギギモラ 1体
【攻撃力:1 守備力:1 体力:2】

それでは戦闘を開始せよ。
対武器、対魔術補正はない。そのままのパーティ総力で戦え。

→勝ったら C4-23へ
→負けたら C4-24へ

 

 

 

 

 

 

C4-23

威勢の良さとは裏腹に、大盗賊ギギモラはてんで弱かった。ヘロヘロと突き出されたナイフを君は軽く避けて足払いをかます。ドテッと床に這いつくばったギギモラは、起き上がるとオロオロと後ずさった。

「くそぅッ!! こうなりゃ最後の手段だ……」

早いな。
そのままじりじりと後ろに下がっていくギギモラ。やがて奴は、部屋の北壁の西端にあった鉄の扉のところまでやってくる。
バコッ! そばの壁を勢いよく拳で叩くと、奴は隠し金庫だったらしき割れた壁の中から小袋を取り出した。ジャラッという聞きなれた音から察するに、どうやらあの中身は大量の金貨らしい。あんなところに隠していたのか。

「いいかぁ! この部屋にはなぁ、テメェらがアッとブッたまげるトットキの仕掛けがあるんだぜ! 尻尾巻いて逃げるなら今の内だぞ……へへへっ……ホレッ! アレを見やがれェ!」

ギギモラがサッと指差した方向を君は見る。なんだ? 何もない。再びギギモラに目を戻すと、奴はすでに北の扉を開けて隣の部屋へと逃げていた。君があっけに取られていると、リカルドが急に大声で叫んだ。

「おいバルディン逃がすなッ! 追っかけてあの金貨全部頂いちまうんだよ!」

C4-25へ

 

 

 

 

 

 

C4-24

「ウソだろぉバルディン!? オマエどんだけヘタレなんだよ!」

君が自分で負けたと言うのなら、多分そうなんだろう。このようにゲームブックでは読者の自己申告は絶対なのだ。例えウソでもインチキでも。よって仕方がないので、君らパーティは命からがらこの盗賊相手に逃げだした事にする。ただしこれでゲームオーバーにするのもアレなので、減ったパーティ体力は特別に【1】まで戻してゲームを続けても構わない。減っていたらの話だが。

C4-15へ

 

 

 

 

 

 

C4-25

「待てぇッこの野郎ォ! その金貨置いていけェ!!」

相手が弱いと判ると、俄然強気な態度に出るのがリカルドの悪いクセだ。真っ先に部屋を飛び出して、逃げたギギモラを追いかけていく。こうなっては仕方がない。君らも後を追った。
北の部屋に逃げたギギモラは、更にその北にあった鉄の扉を開けると奥へ逃げ込んでいく。開け放たれた扉に飛び込むリカルド。君ら3人も後に続いた。中は東西2ブロック、南北3ブロックの長方形の部屋で、西側と北側が一面の岩盤だ。リカルドを探すとちょうど部屋の北西端の角にあった下りの螺旋階段に消えていくところだった。

「やれやれ、まったくしょうがない奴だ。どれ、ワシらも行くぞ」

グラムの言葉に従い、君とミランダも急いで階段へと向かった。思わぬ形で突入する事になったが、とにかく次が最終地下5階である。

C5-1へ

 

 

 

 

 

 

C5-1

「あっちです先生!」「よし行くぞ、遅れるなよバルディン!」

降り立ったは地下5階。すでにミランダとグラムはリカルドの足音を追って通路を駆け出していた。置いていかれないよう、君も必死で2人の後に続く。右へ、左へ、曲がりくねった通路をひたすら進む。どれくらい走っただろうか。君らがやがてとある巨大なホールへとたどり着いた、その時だった。

『ギャアアァーーーッッ!!』

突如暗闇から響いてくる、リカルドとギギモラ2人の悲鳴。そしてすぐに、ドタドタとこちらへ駆けてくる足音が。
リカルドだ! 無事を喜び声をかけようとした君だったが、どうも様子がおかしい。必死な形相のリカルドは君らを無視して、全速力で君らの横をすり抜けていった。

「逃げろォッ!! アイツはヤバいぜエエ!!」

なんだ? 何の事だ?! 身の危険よりも好奇心が勝った君は、松明の灯りをその暗闇の先へと向けてみた。
息が止まった。言葉も出なかった。そこにいたのは、見上げるほどデカい怪物であったのだ。

GuGyaooooowwww!!!!!

「あっ! あれ見て!」

ミランダが叫ぶ。あの怪物が手につかんでるのは、ギギモラじゃないか! まだ生きてるらしく、逃げようと懸命にもがいている。君らの姿を見つけたギギモラはさっきまでの強がりはどこへやら、泣き叫んで助けを求め始めた。

「頼むよ! 何とかしてくれよ! 俺まだ死にたくネェんだよォ!!」

そ、そんな事言われても、こんな怪物どうやって……。

「何しとるバルディン! そんな奴はほっといて、早く逃げるんだ!」

振り返ればホールの入口では、すでに離脱したグラムらが君の戻りを待っていた。心配そうに君を見つめるミランダ。リカルドも大声で君を呼んでいる。

→グラムの指示に従い、この場を逃げ出すなら C5-2へ
→ギギモラを助けるために怪物に立ち向かうなら C5-3へ

 

 

 

 

 

 

C5-2

う、う……、ウワアアアア!
恐怖に突き動かされた君は、そのまま怪物に背を向けて全速力で逃げ出していた。弱々しいギギモラの恨み節がだんだんと遠ざかっていく。そしてグェッという短い声を最後に、やがて何も聞こえなくなった。
君は仲間と共に、そのまま通路を一目散に逃げ戻っていく。螺旋階段を駆け登り、地下4階の小部屋を飛び出すと鉄の扉を勢いよく閉めた。ハァ、ハァ、ハァ……。た、助かった……。

「し、し、師匠! ナンだよアレ! ありゃひょっとして魔王じゃねーのか?! 死んだんじゃなかったのかよォ!」

「ワ、ワシが知るか……。ともかくだ、ここの主である魔王が何らかの原因で復活してしまったのかもしれん。もしそうであればとてもワシらの手には負えん事態だ。早く村に戻り、王都の聖騎士団に討伐を要請せねばな……」

こうして、君の初めてのダンジョン探索は意外な形で幕を閉じた。後で聞いた話だが、復活した魔王は討伐隊により無事倒され再封印が成されたらしい。そしてあの廃窟も危険との理由で入口そのものが封鎖され、2度と入れなくなったという。君があの時見捨てたギギモラの消息も、ついに聞く事はなかった。

C5-10へ

 

 

 

 

 

 

C5-3

「師匠! 俺……、悪党とはいえ目の前で人が死ぬのを黙って見過ごせません! 俺らで助けてやれませんか!」

君はグラムに向かって叫んだ。グラムだけではない。その後ろにいる仲間、リカルドやミランダへの訴えでもあった。頼む、みんなで力を合わせれば、どんな敵だってきっと……。

「バッキャローッ! 何カッコつけてんだよォー!」
「そうよーッ! 危険すぎるってば! 早く逃げてきなさーい!」

うぅっ、やっぱりそうか……。仕方ない……。

→諦めて皆と一緒に逃げるなら C5-2へ
→それでも戦いたいなら C5-4へ

 

 

 

 

 

 

C5-4

「師匠すいません! 俺やっぱり……、アイツと戦いたい! アイツを倒したいです!!」

君は武器を構え、両足を大きく開き精一杯踏ん張った。呼吸を整える。倒すべき強敵を真正面から見据える。大きい……。なんて大きさだ。俺1人で、果たしてどこまでやれるのか……。でも……。

ザッ!
「しょうがないなぁ! アタシも手伝ったげるから安心しなさい!!」

君の右隣りに颯爽と歩み出たのは、ミランダだった。

ザザッ!
「このバカ弟子が! ったくどうしていつもそうやって面倒ばかりかける!!」

同じく左隣りには、頼もしき師匠であるグラムが並び立った。

ドカッ!
「お、お、弟分のクセして……、オレ様よりカッコつけてんじゃネェぞォ!!」

最後に後ろから君の尻を蹴り上げてきたのは、真っ先に逃げたはずのリカルドだった。
みんな……みんな! ありがとう! ようし! 俺らの力、見せてやろうぜッ!

さぁ決戦の前にここで職業チェックだ! 今のグラムの職業は、次のうち一体どれだ?

→戦士なら C5-7へ
→聖職者なら C5-5へ
→魔術師なら C5-6へ

 

 

 

 

 

 

C5-5

「お前らは攻撃だけに集中しろ! 奴の超回復はワシが全力で阻止してやる!」

聖職者であるグラムはこの戦いに限り、特別に下記の聖術の使用を解禁する。使用する場合は、消費術力の大きさとその効果の違いに注意すること。

@グラム
職業:聖職者
装備:破邪のメイス(武器攻撃力+1)
    ☆ホーリー
    (消費聖力:1 アンデッドの回復体力-3)
    ☆☆ハイホーリー
    (消費聖力:2 アンデッドの回復体力-10)
    ☆☆☆ホーリーレイ
    (消費聖力:3 アンデッドの回復体力-40)

C5-7へ

 

 

 

 

 

 

C5-6

「よし……こうなればワシも全力で飛ばすぞ! 後に続けぇい!」

魔術師であるグラムは今回の戦闘に限り、特別に下記の魔術の使用を解禁する。使用する場合は、消費術力の多さとその効果の違いに注意すること。

@グラム
職業:魔術師
装備:雷神のワンド(武器攻撃力+0)
    ★サンダーボルト
    (消費魔力:1 魔術攻撃力+7)
    ★★★ライトニングプラズマ
    (消費魔力:3 魔術攻撃力+14)

C5-7へ

 

 

 

 nbsp;

 

 

C5-7

「いいかお前ら! 見たところ奴の復活はまだ不完全だ! 本来の力を取り戻す前に、一気に叩くぞ!!」

グラムの掛け声に合わせ、君らパーティは各々の武器を手に一斉に飛び掛かっていった。

◆魔王バラゴスゾンビ 1体
【攻撃力:14 守備力:6 体力:24】
≪ターン終了後回復体力:+11≫

それでは戦闘を開始せよ!
敵にはターン終了後の超回復がある!
対武器、対魔術補正はない! そのままの値で戦え!

→勝ったら C5-9へ
→負けたら C5-8へ

 

 

 

 

 

 

C5-8

ゴアアアアァアァァッッッ!!!
怪物が吐く凄まじい炎が、フロアの暗闇を引き裂いた。そこに真っ黒なシルエットとして浮かび上がったのは……リカルドだった。次の瞬間にはもう、リカルドはドサリと倒れ体中から青白い焔を立ち昇らせていた。
もはや消し炭と化した彼にすがりつき、君は必死にその体を揺さぶる。横でミランダが何か叫んでいたが、もはやその声も混乱する君の意識には届かない。そんな君が、ようやく顔を上げて最後に見たもの。それは再度の炎から君を守らんと盾になってくれた、師匠グラムの背中であった。だがそれもほんの一瞬。師の捨て身も虚しく地獄の炎に包まれた君に、耐えるだけの体力は残されていなかった。
ミランダさん……、せめて……、あなただけでも、逃げ、て……。
こうして、君の短すぎる冒険家人生はあっけない幕切れを迎えた。

≪GAMEOVER≫

※攻略のヒント

ここまで来られたならファーストダンジョン攻略まであと少し! 強力なボスキャラ打倒への道は、主に下記の3ステップでパーティ戦力の強化を図る事にあるぞ。

1.敵の厄介な超回復は、ホーリーの聖術で弱める。
  (ホーリーメイス、もしくは聖職者グラムの破邪のメイスなど)
2.パーティの防具をそろえて守備力を上げ、敵の攻撃に耐えられるターン数を増やす。
  (ラージシールド、真鍮のロザリオ、水晶のアミュレットなど)
3.そしてこちらの体力が尽きる前に、敵の体力を押し切れるだけの攻撃力を有する武器を確保する。
  (ロングソード、光のワンド、もしくは魔術師グラムの雷神のワンドなど)

もう1度セーブしておいたデータで再挑戦するもよし。もしくは一から戦略を立て直すべく、最初からパーティを組み直すところから始めるのもまたよしだ。特にグラムが選んだ職業によって、攻略の決め手となる戦術はおのずと変わってくるだろう。ここで諦める事なく、ぜひとも再チャレンジしてみて欲しい。戦士・聖職者・魔術師の3職が一通りそろっているパーティならば、どんな組み合わせであっても必ず勝利への道筋は用意されているぞ。ガンバレ!

 

 

 

 

 

 

C5-9

君は、無我夢中で戦った。少ない勇気を振り絞り、持てる力を精一杯出して戦った。
敵の恐ろしい姿を前に足がすくんで動けなくなる事も何度もあった。だがそんな時にふと横を見れば、いつもそこには勇敢に戦う同じ仲間の姿があった。
ミランダ、そしてあのリカルドでさえも、誰もが必死にその歯を食い縛り、決して逃げずひるまず、あの強敵へと立ち向かっていった。

君は思った。
コイツらだけには、死んでも負けたくないと思った。
君は自分で自分を奮い立たせ、最後の最後まで自分の限界を諦めずに戦い抜いた。

GUGYAOOOWWWWW!!!
壮絶な戦いの末、トドメの一撃が深々と怪物の喉元へと突き刺さる。眼光は徐々に失われていき、ゆっくりと動きを鈍らせていく怪物の巨体。
グラムの指示でパーティは一旦離れ、じっと様子をうかがう。いつ反撃が来てもいいよう構えを崩さない君だったが、怪物の頭部がぐらりと揺れ、大きな地響きを立てて倒れた事でようやくその緊張も解けた。

「やったぜ……! オレ達、勝ったんだ!!」

君の首に飛び付いてきたリカルド。そばにいたミランダも無理やり引き寄せると、2人の顔を左右に抱えて歓喜にはしゃぐ。
イタイ、イタイってばまったく……。調子の良い奴だ。だいたい誰のせいでこんな事になったと思ってんだよ。
文句の1つでも言ってやらねばと思ったが、リカルドの屈託のない笑いにつられて君も自然と笑みがこぼれた。怒る気も失せたのか、ミランダもまたされるがままになって君と同じく笑っていた。

「あ、あの、あのよぅ……。その、なんだ、助かったぜ……」

誰かがおずおずと近寄ってきて神妙な様子で君らに礼を言う。誰だっけコイツ。
あっ、そうか。こいつ、捕まっていたギギモラだ。なんだお前、生きてたのか。へーそいつは良かったなぁー。

「ナッ、なんだよナンだよ! お前ら俺を助けようとして戦ってくれてたんじゃないのかよ! あー謝ってソンした! ったく冒険家ってのはホンッとバカばっかだぜ! ケッ! ケーッだ!」

ギギモラはそう捨て台詞を残すと、一目散に出口へと走り去っていった。君らもその後、埃だらけになった顔を拭い地上への階段を登り始めた。

ここでチェックフラグ【M】をチェックシートに記入すること。

C5-10へ

 

 

 

 

 

 

C5-10

君ら4人のパーティは地上へと戻り、夕日が差し込む森の中の道を村へ向けて歩いていた。談笑していたリカルドがふいに思い出したように素っ頓狂な声を上げる。

「あっそうだ! 師匠、あんなコトがあったんだしさ~、当然試験は合格でいいんだよな?」

え、試験? 合格? 何の話だっけ。

「あぁ、まぁそうだな。皆が無事に帰れたという事で今回は……」

「えー、甘くないですかー先生? いつ如何なる時でも狙ったお宝は逃すな。それが冒険家ってものじゃなかったでしたっけ?」

ミランダが得意そうに、小さな石っころをコロコロと見せびらかしている。あっ?! それってもしかして?

「ほぉ、ワシでもすっかり忘れとったのに大したモンだ。よーし、今回の試験の合格者は、魔王の玉座の欠片を持ち帰ったミランダ1人のみとする! 他2名はバツとして1ヶ月、ミランダの分まで雑用当番で決定だな!」
 
「やったぁ♪ そんじゃお2人さん、よろしく頑張ってネ~♪」

「げえェ! そりゃないぜ~、ミランダちゃんよォ~!」

森の出口はまだまだ遠い。今晩もまた、ろくに休めない野宿を強いられる羽目になりそうだ。それでも君の足取りは軽く、そして気持ちも明るく晴れやかだった。
次はどこへ行けるんだろう。次は一体どんな冒険が待っているんだろう。君の溢れんばかりの好奇心は、すでに次なる冒険の舞台を夢見ていた。

→~本章、ギルド試験場のからくり迷宮~ へ続く D1-1へ

→ミランダとマッピングの答え合わせをするなら C5-11へ

 

 

 

 

 

 

C5-11

「最後はバタバタしててすっかり忘れてたけど、地下4階の答え合わせはこれね♪」

                  北
    1   2   3   4   5   6   7   8
  ┏ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┳ ━ ┓
 1┃ ↓     ◆           ◇         ↑ ┃
  ┣       ┃           ┃     E     ┫
 2┃       ┃           ┃           ┃
  ┣       ┣ ◇ ━ ━ ━ ━ ┻ ━ ┳ ━ ━ ◇ ┫
 3┃       ┃               ◇       ┃
  ┣ ◆ ━ ━ ┫               ┃       ┫
 4┃       ┃               ┃   E   ┃
西 ┣       ┃       炎       ┃       ┫ 東
 5┃       ┃               ┃       ┃
  ┣       ┃               ┣ ━ ━ ━ ┫
 6┃       ◇               ┃       ┃
  ┣ ◆ ━ ━ ┻ ━ ┳ ━ ━ ━ ━ ◇ ┫       ┫
 7┃           ┃           ┃   E   ┃
  ┣     E     ┃           ┃       ┫
 8┃           ◇           ◇     ↑ ┃
  ┗ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┻ ━ ┛
                  南
 (↑:上の階へ ↓:下の階へ ◇:扉 ◆:鍵付き扉 E:敵 炎:黒き魔炎)

「このフロアでは各部屋の東西・南北の長さに加えて、正確な扉の場所の把握も重要だったよね。壁の北端とか東端とかの細かい情報、間違えずに書けた? これがズレるとなかなか全部の部屋の位置がぴったりと収まらないから要確認よ。違ってたところがあったら、もう一度パラグラフを見直してよーく確かめてみてね。え? 最後の地下5階? まぁあそこは……、メチャクチャ走っててよく判んなかったし、省略でいいでしょ」

「はい、これにてマッピングの入門編は無事卒業。どうだった、だいぶ慣れてきたんじゃない? でもアタシとの答え合わせは残念だけどここでお別れ。ここから先はアナタ自身がしっかりマッピングして、ダンジョン攻略を進めていってね。じゃ、頼りにしてるからねー♪」

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