作:まんどう

特に難しいシステムは採用せず、気楽に物語というか、魔法学校の一日を体験する作品。

貴方はとある魔法学校の非常勤教師。
しかし最も不人気な科目を担当しているため、子供達からはまるで尊敬されていない。
とは言え、そこは仕事。
ちゃんと授業はしなければならない・・・。

1
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1

 
「さて、出欠は取り終えたので授業を始める。」

私が担当するこのクラスの生徒は非常に癖が強い子達が多い。
と言うのも、

「はーい、出席はしたので後は適当にしててくださーい。」

と来たもんだ。
実際私の担当は魔法の歴史であり、余程授業をサボっているとか、問題行動を起こしているような生徒位しか受けに来ない。
いわゆる単位取りの為だけの授業だ。
私の方も不真面目な生徒の面倒まで見る気はないので、出席だけしておけば最低ランクでの単位を授与している。

・・・その上でこの教室に残るのは、悪名高い問題児・病気で授業を休みがちだった普通の子・本当に真面目な編入生の3人となった。
前の二人は私の授業で良い成績を取っておく必要があるので、いやいやか仕方なくか、程度の違いは有れど授業が受けたいという動機ではないだろう。
編入生の子は非常に出来がよろしい・・・というか、正直この子だけのための授業ならば苦ではない。
それぞれの総評は
●問題児:
実技には目を見張る物があるが、勉強はおろそか。
得意分野でもないと良い成績を付けられないだろう。
幾つかの授業から追い出され、渋々私の授業を受けている。
●普通の子:
良くも悪くも普通の子だが、余程難問でもない限りは自分で何とかできるが、実技はやや苦手か。
特別難しい問題でなければそつなくこなせるだろう。
●編入生:
非の打ち所の無い優秀な生徒・・・だが、優秀すぎるゆえに見落とす物も良くあるようだ。
難しい問題にこそ燃えるタイプと見た。

「・・・なんか色々考え込んでるようだけどよ、とっとと授業始めろよ。」

問題児が授業を始めろとせきたてる。
そもそもお前さんは殆ど聞かないだろうが・・・。
ま、これもお仕事・・・ってね。

「授業を始める。」

「そのせりふ二度目だよ。」

細かいヤツだな・・・。

Eの値として100を、Bの値として0を記録しておく。

3
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2

 
Eの1の位の値は

Bより大きい→16
 
Bと同じか小さい→22
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
3

 
「この世界はとても濃いマナで満たされている。
 マナはその強力な「変容させる性質」によって、容易く何にでも作用し、作用されもする。
 魔法を使う素養さえあれば誰にでも、それこそ子供に至るまで、容易に扱うことができる。
 そのため、我々は単純ではないもっと洗練された魔法を扱う上で、その歴史を知っておく必要がある。」

「先生ー、その前置き毎度必要かー?」

「必要。とても。これ大事。」

「んだよ、そのへんな言い方。」

お前さんに中断されたことへの抗議の表れだよ、まったく。
そもそも道具を扱うにしても、その成り立ちを知ってると知らないとでは、心構えは変わってくるんだ。

「ではまず簡単な質問から始めよう。
 魔法を扱う者達の、言わば階級のような物、思いつく限り答えよ。」

まぁ誰にでも分かるような問題だ。
では誰に当てようか?

問題児→6
 
普通の子→20
 
編入生→4
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
4

 
「はい。魔法使い・魔術師・魔導師です。」

「よろしい、正解だ。」

まぁ順当だな。
Eの値に100を加算して記録する。

不要だろうが解説はお仕事→19
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5

 
「神の名をかたらず・神の言葉を代弁せず。
 これは我々の祖先が神のゆりかごを追われた歴史に由来する。
 神のゆりかごは酷く荒廃し、生命を育むこともできなくなった。
 そこで当時の指導者達は神のゆりかごから、このユーテラルムに人々を導いた。
 移り住んだこの地では、先の授業の通り、魔導の無法地帯だった。
 力を無尽蔵に使えたため、おごった人々の中には自らを神だと名乗る者まで出てきた。
 そんな時、恐ろしい力を持った魔物がどこからか現れて、自称・神と関係者をことごとく無に帰した。
 神を名乗る者を消してまわるその様はまさに神に敵対する者、魔王だった。
 また同じように「神はこう言った」等と、自分勝手に言葉を紡ぐ者達にも悲劇が訪れた。
 その者達は全て、異形の存在、魔物と化してしまったのだ。」

「それが神に関するタブーの真実かよ・・・半端ねえな。」

「今日では教典を引用することはあっても、神の気持ちや意思をこうであった、等と説く聖職者はいない。
 過去このように我々は導かれた、等の様に話すわけだ。
 一部のそういう神の教えの中には、複数の神を経典に記されたものもあったが、今では神ではなく先人や超越者として説かれているようだ。

 次に人の種に近い物の肉を口にしないタブーだが・・・。
 これもユーテラルムに移住してきた頃の話になる。
 この頃の詳しい歴史は未だ長い歴史の記録を保有する大魔法協会から語られずにいる。
 しかしどうも食糧難が訪れた時に、やむを得ず同族を食料とした病んだ歴史があると思われる。」

「な、何故ですか?」

「そうでも思わないと、人々が自らの意思で同族を食う選択を選ぶと考えたくないからだ。
 まぁ結論から言うと、神の意思を自らの都合で代弁した物と同じく、人の肉を口にした者達も異形の者と化したそうだ。

 最後に各種族の根源で、俗にオリジンズと呼ばれる者達に関わらないというタブーについて。
 大魔法協会創始者達もある意味オリジンズだが、神に敵対する者として現れた魔王たちもオリジンズと言える。」

「達?魔王達・・・ですか?」

「彼らは各地で各々違った姿で出現したことから単一の存在でないことが知られている。
 一度に万の魔導師を一瞬で消したこともあるらしいその危険性は、今存在が確認されている魔王の比ではない。
 今存在が確認されている魔王達は魔族の中で突出した力を示した者だったり、血統であったり、元が人間の魔導師であったりとほぼ「自称」と言える。
 神を自称するのはタブーにかかるが、魔王はそうではないらしい。
 話が逸れたが、他にも特に危険なオリジンズが存在するものの中にドラゴンや吸血鬼がいるが、その他様々な種に置いて原初に近い存在は特別だ。
 なにせあの魔導混沌期前後から存在する、特異で飛びぬけた存在だからだ。
 たとえ我々に敵対していない種族であったとしても、うかつに関わるのはよしておいたほうが良い。
 ・・・まぁ私もお目にかかったことは無いけれどね。」

三人が三人ともがっかりした顔を見せる。

「ただし、オリジンズから少し時代を下った、エンシェントと呼ばれる存在には出会ったことがある。
 エンシェントエルフの大魔導師殿にな。」

皆が顔を輝かせ話をせがむのでそこからは授業を少し脱線した・・・。

・・・
・・

「・・・脱線ついでだ、に守護者の話もしておこう。」

11
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6

 
「魔法使い・魔術師・魔導師でーす。」

「はい、正解。」

Eの値に1を加算して記録する。

不要だろうが解説はお仕事→19
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
7

 
「では実技の授業をしようか。
 確か君は実技は得意中の得意だったね?」

「おうよ、魔術だって扱えるぜ!」

「では君の一番得意な魔術を練り上げなさい。
 用意がない、又は足りなければこちらで用意するが?」

「へへっ、いつでも準備おっけーだぜ。」

そういって、彼は得意の火の魔法を複数用意し、魔術へと練り上げる。
荒っぽいが殆ど無駄の無い綺麗な術式だ。
流石良いセンスをしている。

「では私は基本の火の魔法だけを使おうか。」

「勝負になるのかよ~?」

向こうは余裕を見せているが、魔術にまで組みあがるには時間がかかるようだ。

「ではこちらから。」

「あ?え?ちょっ・・・」

彼の周りに火の弾を10発程撃ち込む。

「本来なら、これで私の勝ちだな?」

「ずっりーぞ!」

「魔術を練り上げるのが遅い君が悪い。
 それに私は君の魔術も魔法で打ち消すつもりだからな、待っているんだよ。」

「・・・」

少々頭に血が上ったのか、黙って集中し、練り上げる速度を速める。
本当に筋が良い子だな、これで真面目だったなら・・・なぁ。

「へっ・・・防げるもんなら防いでみろやぁ!」

練り上げた火の魔術をこちらに向かって放つ。
同時に彼の魔術に向かって私も魔法を打ち出す。

ドンッッ!

魔術と魔法が掻き消え、そこには驚きの表情を浮かべる3人の顔が見える。
そこへ更に火の弾を数発お見舞いする。

「うおっ!あぶねっ!
 ・・・つか何やったんだよ・・・ずるしたんじゃねえのか!?」

「単に君が練り上げる魔術と同量になるよう魔法を重ね、連弾として放っただけだよ。」

「・・・はぁ!?・・・それって効率悪いんじゃねえの?」

「オドの消費効率は良くないね、燃費は悪い。
 でも先程と同じように私は直ぐにも攻撃に移れたのは分かるかい?」

「・・・俺もやってみたい。」

やはりこういうことには生き生きとしているな。
この後、彼が私がやったのと同じことができることを早々と証明してみせ、無事授業も終えることができた。

Eの値に4を加算。

締めくくり→27
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
8

 
残念なことにうまく授業に参加させられなかった生徒が出てしなった。
結局それからその子はもう暫く補習を続けることになってしまった。

・・・
・・

アレから数年たった今、私は先輩魔術師の手伝いをしている。
彼はもう直ぐ魔導師として大魔法協会から巣立っていく。
助手としてこないかと誘われているが、私はあの時のことが頭から離れず、自分自身のことを考えることができずにいる。

あの時の子供達はどうしているだろうか・・・。
無事に卒業できていたら良いが・・・。

(BAD END)

後書きへ→33
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
9

 
「知りませーん。」

・・・答える気がどうとかいう問題じゃないな。

Bの値に1を加えて記録する。

他の子に当てよう。

普通の子→14
 
編入生→29
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
10

 
Eの各桁の値で一番低い値はどうだろうか?

全て4以上→21
 
2~3→12
 
1以下がある→8
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
11

 
「今日、タブーを破ることによる罰らしい罰は発現し難くなっている。」

「なんで?」

「それぞれの道の力ある魔導師が守護者となり、道を正すからと言われている。」

「ま、魔導師・・・と言うことは守護者は元は人だったのですか?」

「そうだ・・・最大の守護者と呼ばれている大地の守護者は、恐らく大魔法協会設立時の10人委員会で特に優秀な魔導師の一人だ。」

「大地の守護者が!?
 あの方の守護はどこにいても恩恵を受けるような途方もないものだと聞きます!」

「だからこそ、その一人である可能性が高い。
 全ての魔導師達を圧倒する実力があればこそ、成しえる偉業だと思う。
 大地の守護者は通称で、本来は生命の守護者だ。
 マナはありとあらゆるものを変容させる性質を持っている。
 我々は生きている限りマナを毎日取り込み、自らのオドと少しずつ入れ替え、取り込んだマナを自らのオドへと変えていく。
 大地の守護者はその変容させる性質から、ありとあらゆる生命を守っている。
 ・・・話は少し逸れるが、火薬は知っているかね?」

「火を起こすのに使う位じゃね・・・?
 魔法関連にはつかえねえし・・・。」

「昔はあれで魔法のような威力を持つ弾を、誰もが撃つことができたそうだ。」

「な・・・なんで?」

「今はできない理由なら簡単だ・・・火の守護者の加護がないからだ。」

「つまり、このマナ溢れる世界では火薬は本来の威力が無いと?」

「そうだ。
 この世界では変化の全てが一度マナに置き換えられる。
 結果、威力が落ちたり、発現しなかったり、法則が変わったりするのだ。
 唯一効果が保障されているのが魔法に関するものである。
 守護者とは守る者の意味もあるが、抜け道を用意した者の意味でもある。
 大地の守護者は特別だが、他の守護者達は担当する対象が本来の力を振るえたり、更なる力を得たりする助けとなる。

 では最後に歴史の授業が以下に大事かを教えてやろう。」

それは→26
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
12

 
満遍なく授業には参加させられたと自負している。
これなら(特に優秀でなかったとしても)そこそこの成績を与えて良いだろう。

・・・
・・

アレから数ヶ月たった今、私は先輩魔術師の手伝いをしている。
彼はこれから魔導師として大魔法協会から巣立つ準備にかかっている。
助手としてこないかと誘われているが、はてどうしたものか。
時間はまだまだあるからゆっくり考えよう。
そういえばあの時の子供達はどうしているだろうか・・・。

(GOOD END)

後書きへ→33
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
13

 
「そもそも始めに魔法の概念は無く、多少の才さえあれば誰もが願いをそのまま魔導として行使できた時代があった。
 魔導とはマナから望みの効果を生み出すもの、つまり感情が魔導に直結するという極めて危険な状態だった。
 事実争いは絶えず、地は裂け、海は干上がり、挙句には星さえ降り注ぐような混迷の時期だったらしい。」

「よく生命が絶えなかったな。」

問題児にしては的を射た感想だな。
自分も実践型の魔法使いだから何か感じる所があったのかもしれないな。

「その惨状を憂いた、中でも特に強大な力を持つ魔導師達が集まって創ったのが大魔法協会だ。
 彼らは混沌の時代を終わらせ、代わりに誰もが簡単で安全に扱えるような魔法を生み出した。
 その裏で、利己的な魔導師の暴走の抑止も成し遂げた。」

「は・・・反発は無かったんでしょうか?」

普通の子は恐る恐る質問してきたが、当然の疑問だな。

「もちろん反発はあった。
 彼らにしてみれば自由を奪われるということに等しかった。
 しかしこの創設者達の中でも、特に幾人かの大魔導達は格が違い過ぎた。
 全ての魔導師を一瞬にして集め、その格の違いで不満を押さえ込んだ。
 表面的に従う者もいたが、創設者達が上辺の言葉や態度でごまかせるはずも無く、結局不穏分子たちは魔導を封じられていった。」

「それだけ聞くと新たな火種にしかなりそうにありませんね・・・。」

編入生がここで反応した。
その後を心配する辺りは流石だな。

「力で抑え込むだけではそうだったろうね。
 しかし今世に伝えられている魔法の原理を造る栄誉があるとすれば話は別だ。
 火系の得意な魔導師達は火に関する魔法の制定に、水の魔導師達は水の魔法・・・といった具合に新しい取り決めを作ることに参加したんだ。
 今までは好き勝手作ってきた魔導だが、誰もが簡単かつ平等に扱える魔法を制定するとなると、これは大仕事であると同時に偉業でもあった。
 魔法制定は競争のようになっていった。
 誰がその栄誉を手にするか、とね。」

「研究成果がもれちまったらどーすんのよ?」

「何ヶ月かに一度会合を開き、研究結果を発表しあっていたそうだよ。
 だからそれぞれの研究結果を元に更なる安定化を図っていったんだ。」

「じ、自分だけこっそり研究を進めていたり・・・とかは?」

「創設者達にそんなごまかしは利かなかったろうし、それぞれの研究の進捗状況から貢献度が定められていた。
 別のアイデアが新しいアイデアを生むことはよくある話だからね。
 こっそり研究をしていても処罰されなかっただろうけど、一人が研究できることと万人が知恵を出し合う環境とどちらが上だろう?
 中には本当に万どころか億の人々を飛び越していくような傑物は居たかも知れないが、それでも最後は後者が有利だろうね。」

「では貢献度がそのまま地位のような物になったんですか?」

「そう、基本的な魔法の制定に最も貢献のあった者達が、時代の大魔法協会の委員、10人委員会のメンバーとなれたんだ。
 大魔法協会が制定された後、創設者達はその座を魔法制定に貢献した者達に譲り、各々の道を歩んだそうだ。
 更にその大きな改革から十数年程を経て、マナの濃さは今の状態にまで落ちたといわれている。
 結果的にこの時代に消費の少ない魔法が生まれていたのは幸いだったといえる。

 さて、これが大魔法協会設立の歴史だが、今とは真逆なことに気付いたかね?
 昔は魔導師が魔法協会に加入した。
 今は魔導師となり、魔法協会を巣立っていく。
 魔法協会は魔法とそれを基準とした魔術までしか提供してくれないからね。
 それ以上になれば、むしろ自分だけで研究しなければならない。」

始まりの歴史はここまで。
次は禁忌について。

禁忌とは→31
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
14

 
「あ・・・えっと・・・。
 昔は今より更にマナが濃くて、魔法がたびたび暴走した・・・からです。」

うーん・・・足りない。

「少し足りないな、まだ歴史の本を読み込んでいなかったかな。
 マナが濃かったのは確かだが、魔法が暴走したのは間違いだ。
 その頃には魔法という形の定まった物は無く、誰もが好き勝手に魔法・・・と言うより魔導を作っては行使していたんだ。
 魔導とは、マナから望みの効果を直接生み出す技術だからね。
 無秩序に魔導の創造と行使を繰り返し、世界は破壊と混沌に満ち溢れてしまった。
 結果、その無秩序状態の危険性を訴える者達の手によって大魔法協会が生まれたんだ。」

「はー・・・そーなんですねー・・・。」

この説明を聞いても問題児の方は反応すらしないが、この子は素直に驚いているようだ。
いずれ伸びるとみた。

Eの値に10を加算する。

更にまとめよう→13
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
15

 
「神の名をかたらず・神の言葉を代弁せず。
 人の種に近い者の肉を口にしない。
 原初の存在:オリジンズと関わらない。」

「良い答えだ。」

まさに教科書どおり。
Eの値に100を加える。

詳しく解説→5
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
16

 
EからBの値を引く。

続いて評価に→10
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
17

 
「え・・・えっと、魔法使いはあらかじめ用意した魔法を使います。
 魔術師は、複数の魔法を組み合わせることができ、この場合も組み合わせる前の魔法を用意する必要があります。
 魔導師は完全に新しい魔法を作り出し、その行使には用意が必要です。
 ただ魔導師はその習熟度から、魔法や魔術の行使に用意を必要としません。」

ほお、なかなか良い答えだな。
必要な部分は完全に押さえている。

「よろしい、正解だ。
 ただ、それぞれが使うのは、魔法・魔術・魔導、運用方法が異なるので呼び名も異なることを忘れないように。」

「は、はい!」

Eの値に40を加える。

まとめよう→28
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
18

 
「魔法使いは弱い。
 魔術師は中位。
 魔導師は強い。」

・・・駄目すぎる。

「魔法使いが魔術師を破った話だってあるんだぞ?」

「気のせいじゃね?
 つか、そんな奇跡、そうそうあってたまるかよ。」

くっ・・・腹立つ・・・。

Bに1を加算して記録する。

他の子にも当てよう。

普通の子→17
 
編入生→30
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
19

 
「君達には3つ挙げてもらったが、実際にはもっと上が存在する。
 が、まぁ今はまだそれを知ったからどうと言うことはない。」

「せんせーがせつめーさぼるのはよくねーとおもいまーす。」

・・・くっ・・・可愛げの無い。
そもそもそんな上位の存在は、私だって縁が無い。
上には上があるって分かってればいいんだよ。

「おほん・・・それぞれはどれほど習熟しているかによるわけだが・・・。
 簡単にそれぞれの違いを述べよ。」

これは少し難しいかもしれないな。
さぁ誰にあてよう?

問題児→18
 
普通の子→17
 
編入生→30
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
20

 
「え、えっと・・・魔法使い・魔術師・魔導師・・・です。」

「その通り、正解だ。
 もっと自信を持ちなさい。」

「は・・・はい。」

むう・・・元気がないな。
まぁ・・・授業を続けよう。

Eの値に10を加算して記録する。

不要だろうが解説はお仕事→19
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
21

 
満遍なく授業に参加させて、かつ長所を生かす授業ができたようだ。
彼らは優秀な成績を収めたと報告しておかなければな。

・・・
・・

アレから数ヶ月がたった。
あの頃の私は非常勤講師だったわけだが、これがきっかけで正規の講師になったのだが・・・。

「たんにーん、とっとといこーぜー」

「あ、あの、そんな先先行っては・・・」

「あの名門学校が交換留学先でしたか?」

・・・あの三人の、三人だけの担任となっている。
何故だ。

「愚痴ってねえで行こうぜ!?」

「あ、あんまり大きな声は・・・」

「注目を浴びちゃってますよ・・・。」

本当になぜだ・・・。

(TRUE END)

後書きへ→後書き
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
22

 
私はこの補習に置いて問題児をうまく授業に参加させられなかった。
そのため彼は授業そのものに興味を示さなくなり、やがて他の授業にも顔を出さなくなったらしい。

・・・
・・

あれから数年たった。
私はあの後直ぐ教師をやめ、先輩や同輩の研究を手伝ったり等してふらふら生きている。
風の噂であの問題児は大魔法協会非公認の魔法学校に入り、日々良くない思想を植えつけられていると聞く。
私は・・・。

(Worst End)

後書きへ→33
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
23

 
実技が苦手なこの子には何をさせようかな。

「君の得意な魔法を使ってみなさい。」

「は・・・はい。」

彼は風の魔法で小さな弾を造ってみせる。
とはいっても余り目で確認できる物ではないが。

「風なんて地味な魔法使ってんのか?」

「風の属性は実は扱うのが非常に難しい。
 他の属性と違い、初歩のうちは目で見えず、感覚で扱うしかないからね。」

「・・・っへー?」

問題児は少しだけ普通の子の事を見直したようだが、実際使われた魔法を見てがっかりしていた。

「ではそれを幾つ同時に造れるかな?」

「え・・・えーと・・・」

ふむ・・・まぁまぁの数の弾を同時に作ることができるようだ。
これと同レベルにするには・・・と。

「私が組み上げたこの魔術に向けて同時に放ってみなさい。」

「ふぁ!?・・・はい!」

一瞬びっくりしていたものの、気合を入れて風の弾を一斉発射する。

ギギギ・・・ジュバーンッ!

風属性同士の衝突特有の軋むような音から破裂音に変わり、教室内に突風が吹き荒れる。

「・・・っだそれぁ!すげー!」

「こうやって魔術に魔法で対抗するやり方もあるのだ。
 もっとも、風の魔法をこれだけ同時に放つというのは、少々燃費が良くない側面も持ち合わせているけどね。」

Eの値に20を加算。

締めくくり→27
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
24

 
「え・・・えと、神をかたったり代弁したりしない、人の種の肉を口にしない、原初の存在に関わらない。」

「そうだな、正解だ。」

普通の子はほっとしているようだ。

Eの値に10を加える。

詳しく解説→5
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
25

 
「うー・・・神をかたらない、人を食わない、根源に関わらない・・・?」

「大体合っているな。
 流石に実践にも関わることだと知識問題も覚えているんだな。」

「いや、普通に生活してたら嫌って言うほど聞かされるだろ・・・。」

ま、そうだな、常識問題だったな。

Eの値に1を加える。

詳しく解説→5
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
26

 
「ここまでで魔法は魔導の濫用を避けるために生み出された物だと理解したな?
 では魔法は魔導や魔術と比べて劣っているか?
 実は洗練された魔法という技術はそれを組み合わせて使われる魔術や、0から生み出す魔導と比べて非常に無駄がない。
 魔法使いは魔術師に勝てない?そんなことはない。
 複数の魔法を複雑に絡める必要のある魔術は、その扱いやすさに置いて魔法に遠く及ばない。
 魔導はどうか?流石に魔導師になれる程の実力者の扱う魔術や魔法は、魔法使いにはどうすることもできないだろう。
 しかし、魔法の威力は如何にその魔法を良く知り、習熟しているかが優劣を分けるのだ。
 扱いきれない魔導を無理に使う魔導師と、魔法を操ることに長けた魔法使いなら勝負は分からない。」

「そうかねえ・・・?」

問題児は不満そうだ。
では少々実技の授業をしようか。
誰に当てようか?

ここはやはり問題児→7
 
ではなくて普通の子→23
 
実力がみたい編入生→32
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
27

 
こうして本来ないはずの実技指導までを終えて私の退屈な(と噂の)授業は終わった。
Bの値はどうだろうか?

0のまま→10
 
1以上→2
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
28

 
「例をあげて説明しよう。
 魔法使いは既に型が決まった魔法を用意し、それを行使する。
 いわば制服のような物だ。
 魔法使いとは、決められた服を用意してただ着る者の事を指す。

 次に魔術師は既に型の決まった魔法を用意し、それらを組み合わせて行使する。
 つまりは別々の服を組み合わせてコーディネートするものだと思えば良い。
 魔術師とは、幾つかの服を組み合わせて別の着こなしができる者の事を指す。

 最後に魔導師だが、マナを魔法にする過程を極め、ついには新しい魔法:魔導を作り出す境地だ。
 魔導師とは、自分で自分好みの服を作ってしまうような者の事を指す。」

ふむ・・・我ながら良い例えだ。

「わがままなだけかよ・・・。」

可愛くない奴だな・・・いかん、お仕事お仕事。

「魔法使いが魔法を用意しておかねばならない理由。
 それは魔法が原則、体内のマナ:オドを消費して魔法を発動させることにある。
 不用意に使用し過ぎてオドを枯渇させれば、足りない分を世界に満ちるマナで補おうとする。
 そうすれば最悪死に至ったり、でなくともマナの強力な変化の性質が別の生物へと変化させてしまう可能性がある。

 では、なぜ魔法が生まれたか、その歴史を簡単に説明せよ。」

これは非常に難問だが、誰に当てようか?

問題児→9
 
普通の子→14
 
編入生→29
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
29

 
「昔は今より遥かにマナが濃く、才能があれば誰もが好き勝手に魔法を作れる、誰もが魔導師になれた時代でした。
 結果として何のかせも無く、強大な魔導を行使し続ける危険な時代でもありました。
 そのままでは世界の崩壊を危惧した、当時特に有力な魔導師達の手で、制御の利かない魔導では無くそれに代わる魔法を制定しました。
 これが大魔法協会の始まりと言われています。」

まーなんて賢い子っ!完璧!

「付け加えることは無いくらい完璧な答えだね。」

Eの値に400を加算すること。

更にまとめよう→13
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
30

 
「魔法使いは、先人達がマナの運用法を定めた雛形にそって用意した魔法を用います。
 魔術師は、雛形を深く理解し、それらを組み合わせて別の効果を作り出して用います。
 魔導師は、新たな雛形を自ら作り上げ、それを行使することができます。」

まぁなんて賢い子。

「ほぼ完璧だな。
 あとは用意に関しての言葉があれば完璧だ。
 魔法使いや魔術師はあらかじめ使う魔法を用意しなければならない。
 魔導師は新たに生み出す魔法:魔導でもない限り、魔法や魔術の行使に用意は不要だ。
 これは魔導師以上とそうでない者の大きな差だから重要だ。」

「あ・・・はい。」

あら、凹ませてしまったか?
まぁ、こういうことも肥やしにしてくれる子だと思う。

Eの値に100を加える。

まとめよう→28
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
31

 
「ここからは禁忌についての授業だ。」

これは実践にも絡むことだからそれぞれの得意分野が色濃く反映されるだろう。
まずは知識問題・・・というか常識問題から。

「大まかに禁忌の種類を挙げて見なさい。」

問題児に→25
 
普通の子に→24
 
編入生に→15
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
32

 
「君は何の属性が得意かな?」

「得手不得手はありません。」

「魔術はどうかな?」

「まだそれほどには・・・。」

「では水の魔法で弾を、作れるだけ作ってみなさい。」

編入生は言われた通りに水の弾を作り上げる。
今まで見たこともないような手順で水の弾が生み出される様は、ただ不思議の一言に尽きる。
ここまで習熟しているならもっと弾を作れても良いと思うのだが。

「では私が作るこの魔術に向かって一斉射撃してみなさい。」

と、私が手の上で水の魔法を練り上げて魔術を発現する。
すると彼は迷うことなく私の魔術に向かって魔法を一斉射撃する・・・さも当然のように。

ばひゅんっ!

少し大きな音と共に、教室内が水蒸気で満たされる。

「うおっ!・・・なんか地味だな・・・凄いことやってんだろうけどよ。」

「そうだな・・・ともあれ、魔法を重ねて使うことで魔術にも対抗する手段がある、ということは示せただろう?」

問題児は若干不満そうだが、私にも不満な点がある。
編入生は全く持って本気ではないだろうということがだ。

Eの値に100を加算。

締めくくり→27
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
後書き

 
今回はザ・読み物。
世界観を出したいなぁ、と思って・・・伏線として。
あとは、いつも作っている最中に新ルール増やしたりしちゃうので、最初の投稿と同じく文章だけのものならどうか、がきっかけ。
結論、後で文章を大量に付け加えてしまっちゃうという、いつもと変わらない結果に・・・。
最終的に読み物のウェイトが大きすぎたので大分ダイエットさせた。
のにこれだからどうしようもない。

・・・そもそも途中になってるものを早く終わらせろ、って頭の中では分かってはいる。
でも作り始めて初めてわかったことは、着地点って本当に描きにくい。

いつもの後書きという名の愚痴でした。