ワイは古谷!
プロゴルファー古谷!

 

 

 

 

 

出オチ一発シリーズ

プロゴルファー古谷

作:緒方直人

 

 

 

 

 

 

つむじ風舞うティーグランドで、狙うはグリーンのターゲット。
今日もここでこれからワイの命懸けの戦いが始まろうとしていた。
ワイの名前は古谷勝。普段の仕事は声優や。
これでも実は子役時代からやってる結構なベテランでな。
古くは熱血野球ものから始まって、超有名なロボットものから、星座をモチーフにした少年バトルものまで、割と色々幅広く主役も張って来たんやで。
おっと、そんないつもの表稼業のコトは今日はどーでもエェ。
そう、ワイはもうひとつ、誰にも言えない裏の顔を持っとる。
それがこの相棒の木製ドライバーを武器に戦う、ゴルフ!
ワイの本当の正体は、日本闇ゴルフ界で日夜行われとる金持ちどもの道楽、非合法の闇ゴルフトーナメントで賞金を稼ぐ闇のゴルファー、プロゴルファー古谷なんや!

「フフフフ、、、、古谷くん。今日も絶好調のようだね。
 今日の賭けレートも君がぶっちぎりの一位だよ。
 まぁ、そうあまりいつも勝ち過ぎてもお客様が賭けにならないからね。
 ほどほどに頼むよ、ほどほどにね、フフフ、、、、、」

ワイのスポンサーのミスターZや。
黒覆面にサングラスといった異様な出で立ちで、ワイも素顔は見たことないトンだ変態野郎や。
でも金払いはいつもちゃんとしとるし、どこの誰だろうと払うモンさえ払ってくれりゃワイは一向に構まへんがな。

「おい勝!今日もオマエにたんまりと賭けたんだからな!
 負けたらショーチせんぞ!聞いとるのかコノ・・・・」

ワイをいつも贔屓にしとる金持ちのオッチャンや。
そんな心配せんでも大丈夫やって。今日もばっちし儲けさせたるから楽しみにしとき。

「あんちゃ~ん!がんばってくでよ~~!」
「兄さん!今日も強敵ぞろいですよ!油断しないでくださいね!」
「あんにゃ~~♪ぐびぐび、、、、プファーーッ!ってんだチクショーめェ!」

こっちはワイのかわいい弟たちや。名前はまぁ聞かずもがなやろ。
あいつらももうとっくにイイ歳こいたオッサンなんやが、未だにワイのスネをかじり続けるニート暮らしで困ったもんや。
だがそう言うワイもこの歳になって未だに独身!カノジョなし!
今日もあいつら家族のために、スパーンと一発勝ったるでぇ!

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「初めまして古谷さん。
 今日からこちらで参戦させていただく事となりました。早乙女純と申します。
 どうぞお手柔らかにお願いしますね」

試合前、ワイはとあるヤサいニィちゃんに握手を求められた。
見ない顔や。新入りか。
だがプロゴルファーとしてのワイの長年のカンが、奴の手を握った瞬間に告げていた。
こいつは、、、、デキると!

その予感はやはり的中した。
いつもどおりにラウンドが進み、ワイがいつもの必殺ショットで次々にバーディやイーグル、ホールインワンを叩き出しても、あの早乙女って新入りは常にワイのすぐ後ろ二番手をぴったりキープしてジリジリと付いてきよった。
まるで獲物を追い詰めるヘビみたいなしつこさや。
ワイは睨まれたサルならぬカエルみたいにじっとりと背中に嫌な汗をかきながらのプレイとなった。

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かくしてワイと早乙女との勝負は最終18ホールまでもつれ込んだ。
トップを走るワイのリードは、今のところ3打差。
このリードをキープしたまま、このホールもきっちり制して逃げ切らん事には優勝は無い。

この幽幻谷デビルカントリークラブの最終18ホールは、通称「地獄谷」。
すり鉢状の窪地になっていて、ここティーグランドのある崖の上から下を見下ろす格好でグリーンを望む、高所恐怖症にはたまらん地獄のコースや。
目標のグリーンはここからちょうど反対側の崖の中腹に、岩肌をえぐるようにして作られとる。
ここからならワイの腕なら一発で届く距離なんやが、その間は当然池ならぬ絶壁の深い深い渓谷や。
落としたら即OBとなる。
普通の奴なら岩肌に沿ってぐるりと迂回するように作られたフェアウェイを伝っていくしかない。

知らん奴のために解説したるが、次のショットがもう不可能な手の届かないコース外にボールが飛んでしまうのをOBと言い、その場合はペナルティとして1打余計にプラスしてもう一度打ち直しをせなあかんのや。
プロなら絶対に避けたい、手痛いミスプレイや。

「それじゃ、古谷さんお先に失礼します、、、、よっ!っと」

早乙女の奴は渓谷越えを避けて、遠回りのフェアウェイにきっちりと乗せよった。
ふふん、ワイの方がリードしとるというんに、ビビリなやっちゃ。
ようし、ここは一発ガツンとグリーンオンを決めてギュゥッと息の根止めたるで!

という事でワイのファーストショットや。
風はかなりのアゲインスト(向かい風)。こらチィと厳しいかもしれん。
それか安全策を取るなら遠回りになるが、こちらも渓谷を迂回するフェアウェイに沿って刻んでいくという手もあるが。どないする?

→ここは勝負!グリーンを狙って渓谷越えでいく 4へ
→安全策を取って、フェアウェイを刻んでいく 5へ

 

 

 

 

 

 

ワイは古谷!
プロゴルファー古谷!
風が強いくらいでワイはビビッて逃げたりせぇへんでェ!
バックスイングねじり上げ、振り下ろしたクリークがワイのボールを捕える!
スパァァァァンン!!!
ボールは風を切り裂いてグリーンに向かって一直線!
見たかァ!これがワイのウィニングショットや!

「フッ、、、、風を読み違えましたね古谷さん。愚かな」

なにィっ!?
早乙女の奴がつぶやいた。
途端に渓谷の下から急激に吹き上がる突風!
あぁっ! ワイのボールが!、、、、、、勢いを失って谷底へ!!

なんてこった、OBや。ワイとしたことがクソッ。。。。。。
ワイは今の1打とOBペナルティの1打、併せて2打分を余計に背負っての再ショットとなってしまった。
渓谷越えは諦め、ワイはフェアウェイを刻んでいく作戦に切り替える。
早乙女との打数が2打分余計に縮まってしまった事を、よう覚えといてや。

→ 5へ

 

 

 

 

 

 

スパァァァンン!!
ワイのティーショットは危なげなくフェアウェイをキープして止まった。
もちろん早乙女の奴よりも断然先を行ってやったがな。キキッ。
さてと、、、ここからやとグリーンまでは刻んで刻んであと2打って所か。

その後はワイと早乙女、両者大した差も付かんままに順調にボールを進めていく。
やがて奴の放った3打目が、グリーン上のピン側5メートルの好位置にピタリと付けよった。

「さっ、お次をどうぞ古谷さん」

気取ったやっちゃ。ホンマいけ好かんで。
ワイの番や。グリーンとの間には大きめのバンカーが広がっとる。
む、、、また谷風が強くなってきよった。
ここはあまり打ち上げると空中で風に持って行かれかねんな。

→風を避け、低めの弾道でグリーンに寄せていく 6へ
→得意の旗包みや!強気の高い弾道で直接カップインを狙う 7へ
 

 

 

 

 

 

 

ここも安全策や。ワイとしたことが新入り相手に情けないが、、、しゃーない!
ガスッ!
しまった!ミスショットや!
弱気なプレイが続いて萎縮してしまったのか、ワイのボールにいつもの勢いがない!
おまけにまたアゲインストの風も一段と強さを増し、ボールをぐいぐいと失速させていく!
ズシャッ!
結果ボールは敢え無くグリーン手前のバンカーへと沈んでしまった。
さすがにここは砂地用のサンドウェッジに切り換え、ワイはボールをバンカーから叩き出す。
なんとか一発で脱出してグリーンに乗せることができたが、止まった先はピンから18メートル強と早乙女より遠くになってしもうた。
早乙女との打数が1打分余計に縮まってしまった事を、よう覚えといてや。

→ 11へ

 

 

 

 

 

 

ワイは古谷!
プロゴルファー古谷!
男ならここがドカンと一発勝負の時よ!
ワイはカップの真上ではためくピン上の旗に全神経を集中した。
あの旗のど真ん中へ見事命中すれば、ワイの十八番の必殺ショット旗包みが華麗に勝負を決めてくれるはずや。
ワイは自信を持って全力でグラブを振り抜く!
スパァァァァンン!!
よしっ!弾道バッチシ!なびく旗まで一直線や!行けーーーっっ!!

ビュオォッ!
その時やった!
突然またもの凄い谷風が吹き荒れ、大事な旗がさっきと真逆の方向へ向いてしまう!
ワイのボールが!旗にそっぽ向かれたボールはそのままピン先を掠めて、、、、、アァッ?!
カンッ! カン!コン!ココン!、、、、、、
ボールはグリーン向こうにそびえる岩肌を直撃し、あちこちにはね返された揚句にグリーンとは遠く離れた渓谷ギリギリの崖っぷちでようやく止まった。
あ、、、危なかった、、、、、、だが、あそこからじゃ挽回はかなり難しいぞ?!

→ 8へ

 

 

 

 

 

 

早乙女の奴は既にグリーンの上に立ち、パターを振り回しつつ余裕でワイの事を眺め待っとる。
くそっ!舐めやがって。。。。。。
だが確かに、まだワイはグリーンを一向に捕えられてはいかなった。
いったいこのホール、もう何打目やったやろうか。
ワイのボールは今ちょうど崖っぷちギリギリの場所にひっかかっており、ちょっと崩れれば間違いなく谷底へ転げ落ちてしまいかねん。
それを打たねばならんワイもまた、メチャクチャ危うい微妙なスタンス(打つ態勢)を強いられとる。
こ、、、この態勢は、厳しい、、、、、果たして打ちにいけるか?!

→確実に出すため、ここは軽めに前に打ち出す 9へ
→いやもう後がない、ここは直接グリーンを狙いにいく 10へ
 

 

 

 

 

 

 

もう絶対に失敗できへん、、、、、、
まずは、まずは確実にフェアウェイに出して、そっからまた勝負や!
だが、そんなワイらしくない守りの姿勢に回ってしまったのが運の尽きやったのか。
コンッ!
当てにいった軟弱なワイのスイングをあざ笑うかのように、ボールはフェアウェイはほど遠く別の岩肌に弄ばれ、あっさりとその軌道を変えられてしまった。
コン! コン!ココン!、、、、、、
結果ワイのボールは、哀れ谷底へ真っ逆さま。。。。。。。。

お、OB。。。。。まさかこんな所で。。。。。。
ワイは今の無駄な1打とOBのペナルティの1打、併せて2打分を背負ってしまった。
早乙女との打数が2打分余計に縮まってしまった事を、よう覚えといてや。

→ 10へ

 

 

 

 

 

 

10

ワイは古谷!
プロゴルファー古谷!
危険な状況も物ともせず、強気のアプローチでワイはグリーンオンを狙う。
シュパッ!
よし!今度こそナイスショット!
余計な打数がかかってしもうたが、ワイはなんとかボールをグリーンに乗せることができた。
残りは18メートルのロングパット。でも次の一発で絶対に決めたるで!
早乙女との打数が1打分余計に縮まってしまった事を、よう覚えといてや。

→ 11へ

 

 

 

 

 

 

11

カッコォォォン!
早乙女はグリーンオンから一発でパットを決め、あっさりとこのホールを4打のパーでボールをカップに沈めやがった。
ワイは奴との打数差を数え直す。
さて、今のワイはここまでに合わせて何打分、早乙女に余計に打数を縮められてしまっているやろうか。

→2打以下 14へ
→3打 12へ
→4打以上 13へ

 

 

 

 

 

 

12

しまった!
とうとう3打差もあったリードがこれで全部パァになってしもうた!
次でワイが入れたとしても、早乙女の奴とは同点、、、、、、、
もし外せば、、、、、それでワイの負けが決まってしまう!?クソッ!

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、、、、、、
もうしばらくと味わっていなかったこの緊張感。
最近すっかり勝ちに慣れてしまっていた今のワイの神経は耐えることができなかった。
ガスッ!
痛恨のミスショット!
ボールは非情にも、あらぬ方向へと転がっていく。。。。。。。。

→ 13へ

 

 

 

 

 

 

13

ギャラリーの中からつかつかと歩み寄ってきたミスターZが、次のショットを打とうとしていたワイの肩に手を置いた。

「古谷くん、、、、、それは一体何のつもりかね?
 勝負に敗れた君のような卑しい奴隷がしなければならないのは、もうそんな球遊びなどではないはずだ」

なっ?!
ワイが、、、、このワイが、負けたやとォ!?
見れば弟たちも皆、ワイと目を合わせようとしない。
早乙女の奴も勝ち誇った顔で、グリーン上からワイを冷たく見下ろしていた。

はっ、、、離せぇぇェ!!
勝負に負けたワイは他の負けたプレイヤーもろとも黒服の男どもに羽交い絞めにされ、そのままロッジの別室「拷問部屋」へと連行された。
この闇ゴルフトーナメントでは、優勝した者以外の敗者は全員、金持ちどもの慰みモノとなるのだ。
むしろここからが奴らお楽しみの本番といっても過言ではなかった。

「勝ぅ、、、、オマエよくもワシの儲けを台無しにしてくれたなぁ、、、、
 んもう!こうなったら今夜はアタシがタップリかわいがってアゲるんだからァ!うふん♪」

お、オッチャン?!
なんやその色んなトコロが丸見えなアブナイ格好は!

「安心して♪ 穿いてるわよ♪」

イヤイヤイヤ!
それは穿いてるとは言わへん!出とる出とる!色んなモノが出とるがな!
待て、、、近づくな、、、ちょ、その目、、、、ヤル気マンマンやないかぁ!?
本性を現わしたオッチャンは舌なめずりをしながら、引きずり出されたワイをじっとりと品定めし始めた。
や、、、やめろぉ、、、、やめテくれぇェェェェ!!ギャァァアァァ!!!

≪BAD・END≫

 

 

 

 

 

 

14

これが決まれば、、、、ワイの優勝や!
カッコォォォン!
ロングパットもなんのその。
驚異の集中力で、ワイは最後のパットを一発で決めたった。
沸き立つギャラリーの大歓声!
やったで!今日もワイの優勝や!賞金は全部いただきや!

哀れ黒服に連れて行かれる早乙女の野郎。
ウキキ、いい気味や。せいぜいソノ道に目覚めんよう気ぃつけぇや。
見ればかわいい中年ニートの弟たちもオッチャンも大層浮かれはしゃいで喜んどる。
よーし!今夜もいざキャバクラ!
馴染みの店を借り切って、盛大に優勝パーチーや!イーヤッホゥ!!

ワイは古谷!
プロゴルファー古谷!
これからももっともっと夢という名の大金を勝ち取るんや!
勝って勝って、勝ちまくったるで~!!

≪HAPPY・END≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【あとがきのようなもの】

 

ども、作者です。お読みくださりありがとうございます。
、、、ハイ、全てはタイトル言いたかっただけです。中身は特にありません。
某ゴルフ漫画のタイトル(というより番組冒頭のアノ叫び)と、某ベテラン声優のお名前を掛け合わせたしょーもないダジャレから始まって、筆の進むがままに遊んでみました。
どっちが先に打つとかのゴルフルールが出鱈目なのは闇ゴルフトーナメントの仕様です。
ウソです。私がTVゲームぐらいでしかゴルフやったことがないからです。
実は他にも「行きまーす!」とかのネタ台詞もガンガン差し込もうとか目論んでたんですが
いやーさすがは天下のA先生が生み出した人気キャラですねー。
やってみたら猿キャラの方のアクがどうにも強すぎて、実際とてもそんなパロる隙はありませんでしたとさ。
徹成分、ほぼほぼイランかったかもね。。。。まいっか(苦笑
ということでそれではまた、次回作でお会いしましょう。